第27話:永劫光環の絶望
アーサーは剣を構えながら、空を見上げて叫んだ。
「また光の環が!」
頭上に広がる金色の環がゆっくりと降下し、瀕死のレオニードを包み込む。
その瞬間、砕けた肉体は再生し、さらに巨大化していった。
触手はより太く、鋭く、黒い瘴気を撒き散らす。
兵士たちは恐怖に震え、後退を余儀なくされる。
クラリッサは膝をつき、荒い息を吐いた。
「……もう、そろそろ限界……」
雷と氷の魔力を使い果たし、彼女の体は限界に近づいていた。
――その頃、ノルディア城内。
グレゴールは浮遊しながら、静かに城を探索していた。
「……王は居ないな。魔導結界でも張ったか……」
彼は冷笑を浮かべ、城の奥を見渡す。
「大方地下にでもいるのだろう……無駄な足掻きを……」
ふと、彼は眉をひそめた。
「……おや、MPが減ったな……レオニードめ、またやられたか……」
その口元に不気味な笑みが広がる。
「あの人間、なかなかやるな……だが、永劫光環の前では無駄、無駄……」
「私のMPが尽きるまで、永遠によみがえり、その度に強くなる……」
――再び戦場。
巨大化したレオニードが咆哮し、触手を振り回す。
アーサーは必死に剣で受け止めるが、押し返すのがやっとだった。
クラリッサは立ち上がり、決意を込めて呟いた。
「……もう、これしかない!」
彼女の瞳に宿る光は、限界を超えてなお燃え続ける覚悟の炎だった。




