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山の頂を目指して

作者: ヤミヤ
掲載日:2014/12/31

 私は今、山を登っている。

 頂上は遥か彼方で、いつ到達できるのか分からない。

 

 躓いて転んだ事もあった。

 猛獣に襲われた事もあった。

 体調を崩した事もあった。

 頂上に着けるのか不安で寝ることができない夜もあった。

 

 それでも、一歩ずつ前に進む。

 時には、二歩戻って、また前に進む。

 ゆっくりと着実に一歩ずつ一歩ずつ進む。


 そんな中、隣を駆け足で駆け上がっていく人がいる。

 笑ってなんでもないといった感じで駆け上がっていく人がいる。

 私も駆け上がりたい衝動を押さえ、一歩ずつ進む。

 私にはこれしかできないからと、自分で自分に言い聞かせて、一歩ずつ進む。


 そんな中、ふと立ち止まり、今まで歩んできた道を振り返る。

 その道はでこぼこで、曲がりくねっていて、木や草が生い茂っている。

 私の体も傷だらけで、服もくしゃくしゃだ。

 

 私は笑う。その道を歩んできた自分を笑う。

 一歩ずつ歩んできた自分を笑う。

 半分は自虐的に、半分は誇らしげに笑う。

 

 私は私の道を歩んできた。

 それは、他の人からみれば、愚かな行為に見えたかもしれない。

 意味がない行為に見えるかもしれない。

 でも、確かに歩んできた。

 一歩ずつ歩んできた。

 そして、沢山の人に助けられてきた。

 沢山の人のお蔭でここまでこれた。


 私は頂上には行けないかもしれない。

 頂上を見ることさえ、できないかもしれない。

 でも、私は今まで歩んできたことを誇らしく思う。

 一歩ずつ歩んできた自分を誇らしく思う。

 そして、何よりも支えてくれた方を誇らしく思う。


 今年もどこからか除夜の鐘が聞こえてくる。

 私はそんな鐘に背中を押してもらうように、また、一歩ずつ進み始める。 

 遥か彼方の頂きを目指して進み始める。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 非常に力強い文章だと感じました。 何か大きな大きな問題ばかりの山(課題)に立ち向かう若い人の姿が見えた気がします。 こういう、自分の想いを文章に込めた感じの文章はとても好きなので、読んでい…
[良い点] 小説を書くこと、何かを作り出すこと、やり遂げることは、山に登るのに似ているかもしれません。単純な言葉の中に、力強さが感じられます。 [一言] 前に感想を書かせて頂いた時も、ストレートな作品…
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