表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひよっこ錬金術師はくじけないっ! ~ニーナのドタバタ奮闘記~  作者: ニシノヤショーゴ
12章 ひよっこ錬金術師、先生となる
165/262

ガールズトークと一匹のブタ②

 げんこつを見舞われたロブを見て、ミスティは目を丸くする。

 そんなミスティに、気にしないでください、いつものことですから、とニーナは苦笑まじりに言った。


「それで、いままでの会話からなにかヒントになりそうなものはありましたか? 方向性だけでも見えてきましたか?」


「そうですね……<身につけるだけで気分の上がるもの>というのは一つのヒントをもらえたような気がします。それから始めのほうで意見してもらった<わんちゃんとのペアルック>というのは面白そうだなと感じました。ただ方法性はおぼろげながら見えてきたものの、具体的にどんな効果を持った調合品にしようかというのは、どうもまだ……」


「例えば日ごろなにか困ったことがあったり、もっとこうだったらいいな、みたいに思ったことはありませんか?」


「困りごとではないのですが、シャンテさんとロブくんの会話を見ていて、私もマルと仲良くお話しできたらなぁと思いました」


「それ、いいじゃないですか! マルくんとのペアルックのものを身につけると仲良くお話しできる魔法の道具! とっても素敵な発明品になりそう!」


 そ、そうでしょうか、となぜかミスティは照れたような表情を見せる。


「あの、そのことについてすごくいまさらな質問なのですが、どうしてロブくんは人の言葉を話せるのですか? なにか特別な道具を使用しているのでしょうか?」


 ──あれ、もしかしてロブさんの正体を知らない?


 ニーナとシャンテは思わず顔を見合わせる。

 てっきりミスティはニーナたちのことをよく知っていたから、ロブの正体も知っているものだと思っていた。そういえば巨大ゴーレム事件が起きた当時は、ロブが人間であることを誰にも明かしていなかったように思う。当然、あの新聞記事にもロブの正体について語られていなかったわけだ。


「す、すみません。訊いてはいけない質問をしてしまったようで……」


「ううん、そうじゃないの。確かに訳ありで、話せば長くなるのだけれど、別に秘密ってわけじゃないから」


「そうそう、ただ俺がシャンテの実のお兄ちゃんってだけなんだぜ」


「……え?」


 ──どごぉ!


「話がややこしくなるからしばらく黙ってて!」


「あの、待ってください。たしかにシャンテさんからたびたび<兄さん>と呼ばれていることを不思議には思っていたのですが、それじゃあ本当にロブくんはシャンテさんのお兄さんなのですか?」


 げんこつを一発。涙目のロブを下がらせてから、シャンテはロブが呪いを受けた当時のことと、呪いを解くために解呪薬の素材を集めていることを簡単に説明した。

 するとミスティはあからさまに取り乱し、頭を下げる。


「年上だと知らずに<ロブくん>だなんて気安く呼んでしまってごめんなさい!」


「いやいや、いいのいいの。アタシらも最初に説明しなかったのがいけなかったんだし、それにどうせ兄さんは気にしちゃいないわよ」


「おー。むしろロブくんと呼んでもらえるのが新鮮で、俺ってばちょっぴり興奮してたんだぜ」


「なにが興奮よ、このエロブタが!」


 あはは……

 なんともロブらしい考え方である。


「まあそういうわけで、ロブさんが人の言葉を話せるのは、その正体が人間だからであって、別に道具の力じゃないんです。なのでマルくんとの会話用に作る発明品に関しては、参考にできそうなものがなにもない状態からのスタートになりますね」


「なるほど……」


「そんなに難しい顔しないでください。世の中に無いから作る。これぞ錬金術の醍醐味です。楽しんでいきましょう!」


「……はいっ!」


「よしっ、それじゃあこの調子でどんどんアイデアを出していきましょうか。なにも新作は一つだけという決まりはありませんから、思いついたことはなんでも話してみてください。みんなで形にしていきましょう!」


「本当に、何から何まですみません」


「いえいえ、そんなあらたまらないでください。というか私も楽しくなってきちゃったし、この機会に私も新作を考えてみようっと。というわけでノートを取ってきますね」


 そう言ってニーナは二階へと上がり、寝室の机の引き出しから自分のノートを取り出すと、すぐにリビングへと引き返そうとした。


 ところがそのときである。


「うわっ!?」


 どすん!

 あいたたた……

 急いでいたわけでも無いのに、階段を踏み外して尻もちをついてしまった。お尻が痛くてじんじんとする。心配してくれたのか、シャンテとミスティが様子を見に来てくれたけれど、それはそれでちょっぴり恥ずかしい。


「まったくもう。先生なんだからしっかりしなさいよね」


「うぅ、こういうのに先生かどうかは関係ないんじゃないかなぁ……」


 とはいえ、やっぱりカッコ悪いよね。お尻は痛いし、恥ずかしいしで、とんだ災難である。

 そしていつの間にかロブとマルもこちらを見上げていた。ニーナは慌ててスカートの裾を直す。


 ──はぁ……。いま、絶対に見られちゃってましたよね。ロブさんは喜んだとして……マルくんにはどう思われたんだろう? 馬鹿だなぁって思われたかな? うーん、恥ずかしいけどちょっと気になるから、ミスティさんの新作が完成したらこっそり訊かせてもらおうっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もしかしてロブってエロブタから取ってるんですか……?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ