第347話 王都防衛粉砕戦
作者(:3)レ∠)_「高速バスで東京弾丸日帰りツアーしてきました」
ヘルニー_:(´д`」∠):_「全然寝れなかったわぁ」
ヘイフィー_(┐「ε;)_「でも帰りのバスは新幹線以上にリクライニングが聞いてて簡易枕とかヘッドカバーとかもあってぐっすり眠れたんだよね」
作者(:3)∠)_「高速バスは金額によって乗り心地が滅茶苦茶違うって実感したわ」
ヘルニーヾ(⌒(ノ-ω-)ノ「ちなみに行きは2500円くらいで帰りは5000円くらいだったよ」
ヘイフィー_(:З)∠)_「往復でも新幹線よりも安いのは凄かったね。あとPAに寄るからご当地お土産も買えたし」
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◆メグリ◆
王都は緊張に包まれていた。
というのも最初の戦闘でレクスに惨敗した事で警戒したのか、魔人達の軍勢は王都を攻撃する事無く遠巻きにしてくるだけだった。
でもそれは表向き。実際には敵の戦力はどんどん増えていて、十分な戦力が集まったら攻めてくるのは明らか。
それでも私達は王都を捨てる事は出来なかった。
それというのも魔人達は自分達の包囲を抜けようとする者を逃す気が無かったから。
一部の貴族や商人達が我先に逃げようとしたんだけど、地上に配置された灰の従魔獣と呼ばれた巨大な魔物によって襲撃を受け全滅した。それを見た人達が街道を諦めて森の木々に紛れて逃げようとしたんだけど、魔獣達は鼻が利くのか森の中に隠れて逃げる彼等を追い立てた。
その惨状を遠目に見た人々は逃げるのは不可能と諦め、王都に立て籠る事を選ぶしかなかった。
「メグリ、いざという時はお前に仕事をしてもらう事になる、覚悟をしておきなさい」
城に呼ばれた私は母様にそう言われた。
つまり、影武者として仕事をしろという事。
私が囮になっている間に、姫様達は秘密の隠し通路に逃げ込む。
けれど出口を出ても魔人達の包囲、特にあの灰の従魔獣の追跡力から逃れる術が無いだろうから、王都が完全に破壊されて連中が居なくなってから逃げる予定なんだと思う。
「だが陛下は王都に残るおつもりだ」
「陛下が!?」
一番逃げないといけない陛下が王都に残る?
「まさか……」
「そうだ。陛下は自らが敵の目に晒される事で、魔人の目から姫様達を晦ますおつもりだ。」
それはつまり、自分を囮にして死ぬ覚悟があるということ。
「そのためにも私が居た方が信憑性が増す」
「うむ」
勿論敵も影武者の可能性を考えるだろう。
でも魔人達はこう考えている筈。たとえ隠し通路から逃げても地上に配置された灰の従魔獣が見つけだして殺すと。
けれどそれだと陛下達王族を始末した証拠が残らない。
魔人達はいつまでも王族を逃したかもしれないという疑念が残る。
その疑念を薄れさせるためにも、本物の陛下と影武者の私が居た方が信憑性が増すと。
「人の思考とはあいまいだ。たとえ薄れる程度でも効果はある」
「はい」
経験を積む為に外の世界で冒険者をしていた私は母様の言葉に頷く。
そう、人は割といい加減なのだ。それらしい辻褄が合えばきっとそうだろうと勝手に信じてしまう。
「次に会う時は冥府、いや私は地獄でお前は天国か。娘を利用するような悪党が天に至れる訳もないからな」
とお母様は自嘲気味に笑う。
「大丈夫です。私も冒険者をやっていた時は綺麗な事だけをしていた訳ではありませんから。親子で地獄に行きましょう」
「……すまんな」
◆
いつか、こういう日が来ると思っていた。だから私は死を恐れはしない。
いや嘘、ちょっと怖い。でもこれが自分の仕事だと、ちゃんと理解している。
「だから、大丈夫」
だけどアイドラ様は大丈夫じゃなかった。
「メグリ、この戦いには私も参加いたします!!」
私が守るべき存在、王女アイドラ様が魔人達と戦うと宣言したのだ。
「私にはなんの力もありません。ですが私にはレクス様より譲っていただいた影武者ゴーレムがあります。このゴーレムなら魔人達から民を守る事が出来るでしょう!」
完全にやる気になっているアイドラ様。これはいけない。
確かに、レクスの作ってくれたゴーレムなら下手な護衛よりも遥かに戦力になる。
「ですがそのゴーレムはアイドラ様を守る為に使うべきではありませんか?」
影武者ゴーレムの戦闘力はアイドラ様の逃亡の為に活用するべきだと私は思う。
「ええ、貴方ならそう言うでしょうね。ですから王家の隠し通路に避難してからゴーレムを使います。自分の身を護る為にね。ほら、地上を破壊されては隠し通路の存在もバレてしまうかもしれないでしょう?」
どうやら私を説得する理由はあらかじめ考えていたらしい。
確かに王城を破壊されて隠し通路が見つかる可能性は考えていた。
でもそれでアイドラ様を戦わせるのは……
「貴女は私の影武者としての仕事を命じられたのでしょうが、私は知っています。貴方の力を、そしてあなたと共に戦う仲間達の力を。ですから私の事は気にしないでください。今の私には力があるのですから。戦う事こそが最も私の身を護る事に繋がるのです」
ああ、駄目だこれは。
こうなったアイドラ様は頑固だ。下手をすると飛び出していきかねない。
「はい、お任せください」
だから、私は最善を目指して動くことにした。
手首にはめられたリングに触れると、一瞬で景色が変わる。
見覚えのあるレクスの家のリビングだ。
「ホントに転移した。ビックリ」
レクスから借り受けた転移の腕輪の性能にビックリする。
こんな小さくて細い腕輪で伝説の転移魔法が使えるなんて……
「あっ、お帰りなさいメグリさん」
皆が出て行って無人になっていた筈の家に、私以外の男の人の声が響く。
「え? レクス? 素材を集めに行ってたんじゃ?」
出迎えてくれたのはレクスだ。
でも確かレクスはヴァーミリオングレイブを倒す為に世界中にある大魔獣の素材を集めに出かけていた筈。
「もしかして一緒に戦っ……」
「はい、素材が全部集まったので作業に戻ってきました」
ってくれるつもりで戻って……
「って、え?」
素材が全部集まった?
でもまだレクスが出かけて数日しか経ってない筈なのに……
「僕は武器を作る作業に専念するのでメグリさんも頑張ってください」
そう言ってレクスは何事も無かったかのように屋敷の工房へと籠ってしまった。
何の気負いもなく、いつも通りに。
「あ、うん……」
肩透かしというかなんというか、煙に包まれたような気分で私は自分がやろうとしていた事を思い出し地下室へと向かう。
そこにはレクスがこれまで作って来たマジックアイテムがずらりと並べられていたのだけど、今はナイフ一本無い。
此処にあった大量のマジックアイテムや王都の冒険者ギルドを介してギルドが認めた冒険者達に貸し与えられたからだ。
「……」
私は懐から一本の鍵を取り出す。
これは王都に残って防衛を手伝うと言った私にレクスが貸してくれたもの。
手にした鍵を壁に当てると、ゴゴゴゴという音と共に壁が動きその先に空間が生まれる。
「これが……レクスの作った防衛装置」
そこは小さな部屋だった。
部屋の壁はマジックアイテムらしき装置で埋め尽くされていて、かなり狭い。
「ええと、レクスの話だとこの辺に……あった」
装置の一角に細長い穴が開いているのを確認した私は、その穴に鍵を差し込み回す。
するとヴンという音と共に装置が光り始める。
「これで防衛装置が動……え?」
装置が光を発すると、いくつもの絵が映し出された。
「絵画? 違う、この絵動いてる!?」
驚いたことにその絵は動いていた。
絵の中の人間や馬車がまるで本物のように動いているのだ。
「何でこんな……」
もしかして動かすマジックアイテムを間違えたのかと思った私だったけれど、ふと見覚えのある光景に気付く。
「これ、王都の教会?」
そうだ、この光景、王都にある主神の教会と同じだ。
それだけじゃない、他の絵も見覚えがある。
「大通りの商店、冒険者ギルド、それにこれは王城!」
間違いない。これは王都の風景だ。
「もしかしてこれ、王都の光景を見せている?」
どんな技術なのか、このマジックアイテムは外の景色を私に見せているようだった。
「あの空に浮かび上がった魔人の魔法と同じなんだ」
そう気づいたらストンと納得できた。
「これもレクスの前世の知識ってことか」
やっぱりレクスは凄い。こんなものを一人で作れるなんて。
「ええと、防衛装置の使い方は確か……」
レクスに習った防衛装置の使い方を思い出しながら装置を動かす。
「赤いボタンを押すと防衛装置が作動して強い悪意を持った存在を倒してくれるんだっけ」
操作法というにはあまりにも簡単すぎるけど、正直これを自在に扱える気はしないのでこれくらい簡単な方がありがたい。
「それじゃあ赤いボタンを……」
ポチリとボタンを押すと、突然ビービーと大きな音が鳴り響く。
「ええ!? 間違えた!?」
何かやらかしてしまったのかと慌てていると、奇妙な響きの声が聞こえてくる。
『魔人反応、魔人反応。即時防衛モード起動します。魔人の機動兵器の存在を多数確認。危険度大。最終防衛モード起動します』
「え? 最終?」
直後マジックアイテムに映し出されていた王都の光景が魔人達の空飛ぶ砦に切り替わる。
『大魔導砲台展開』
そしたら今度はゴゴゴゴと天井から振動が響いてくる。
「何!? 地震!?」
この状況で天災!? と慌てた私だったけれど、幸いにも地震はすぐに収まった。
『魔力砲身を全方位に向けて疑似展開。目標魔人の機動兵器。魔力弾頭装填』
再び奇妙な響きの声が室内に響く。
『発射』
直後、ズギュウウウウウン! というミナの攻撃魔法の音を何倍に模したかのような音が響くと、マジックアイテムに表示された空飛ぶ砦に眩い光の束が猛烈な勢いで飛んでいき貫いた。
爆散する空飛ぶ砦。
「え?」
マジックアイテムに映し出された空飛ぶ砦が全て破壊される。
『続いて、離脱した魔人および地上の危険レベルの高い魔獣を迎撃します』
「え? え?」
マジックアイテムに映し出される景色が空に飛び出した魔人と地上の灰の従魔獣に切り替わる。
『魔力掃射砲全砲門発射』
今度はピキュウウウンンというさっきよりも甲高い音が鳴り響き、まるで空が光の紐で覆われた様な光景を見せながら魔人と灰の従魔獣達を貫いてゆく。
『……残敵反応ゼロ。待機状態に移ります』
そう言うと奇妙な声は二度と喋る事はなかった。
「…………………………………………………………………………………………………………え? これで倒したの!?」
狐につままれた気分で屋敷を出た私は、しかし空を覆っていた空飛ぶ砦が地中に叩きつけられて燃え盛る光景を見て、アレが幻ではなく事実だったのだと実感したのだった。
「こんなものが住宅街にあるとか怖ぁ……」
空飛ぶ砦_:(´д`」∠):_「なんかゴン太ビームが飛んできた」
ご近所様_:(´ཀ`」∠):_ ...「なんか隣の家が変形して変な光るデッカイ筒が出たと思ったらすんごい音の光が飛んでいってなんか凄いことになった!?」
アイドラ( ( ;゜Д゜))「出番これだけ!? カッコいい戦闘シーンは!?」
灰の従魔獣(´·ω·`)「またセリフ無しですかぁ」
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