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やり直し王女テューラ・ア・ダンマークの生存戦略  作者: シャチ


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ソ連の参戦、日本の参戦、アメリカの連合入り

 1940年4月、ドイツとの戦線は膠着した。

 そんな中、ついにソ連が動き出したのです。


「ポーランドに対してだけ宣戦布告ですか…舐めてんですかね?」

「久しぶりに会ったと思ったら、ずいぶんな言い方ねレーナ。ある意味予想の範囲内じゃない」

「そうですけどねぇ、まさかソ連が枢軸側になるとは思いも寄りませんでしたよ」

 当初、独ソ不可侵条約によってポーランドの分割という内容が盛り込まれていたにも関わらず、今世のドイツの不甲斐なさからワルシャワで握手ができなかったわけだが、痺れを切らしたソ連はポーランド侵攻を始めたのだ。

 ポーランドにおけるソ連系住民の保護を謳っているが、そんなもの方便でしかない。

 直ちに、連合国はソ連に対して宣戦布告し、膠着した戦線が動き出すこととなりました。

 このタイミングでフィンランドにも軍を進めようとしていたソ連に呼応して、フィンランド自体も連合国入りしました。

 ダンマークは北欧の守護者としてフィンランド戦線の支援に重点を置くこととなりました。

 すでに、ベルギー産の優良戦車ユーディーと、我が国のTF/A-6のライセンス生産が開始され、イギリス、フランスでは急ピッチでライン構築が開始されています。

 また、アメリカからは物資を各国が輸入し始めており、ダンマークも例外ではない。

 レンドリースの申し出もあったが、そんなものよりまず資源である。

 それはイギリス、フランスもともに同じ状態のようで、購入するのは兵器そのものよりも資源と燃料でした。


 1940年7月、久しぶりにクリスが我が家にやって来てくれた。

「ポーランド撤退作戦は生きた心地がしませんでした。ようやく肩の荷が降りた感じです」

「おつかれさまクリスティーナ、まさか2回も避難民の輸送をするとはね」

「ですが、後方の懸念がなくなったポーランド軍は強いですよ。TC-7によるユーディー戦車の輸送によって、戦線は維持できているようですから」

 ポーランドから2度目の市民を退避させる作戦とともに、物資の輸送作戦も同時に行われたため、大型機の運転に長けるクリスは軍属でもないにも関わらず、作戦に参加することになってしまった。

 懸念した通りの状況だけれども、こうして無事に帰ってきてくれたことは嬉しい限りです。

「ポーランド陸軍は強いですよ。ドイツ側を最低限押さえてソ連へ逆侵攻をかけています。ユーディー戦車の威力が大きいようですね」

「格安で売却した迎撃機のおかげもあるでしょう。制空権を常に取れておりますからね」

 現在西部戦線はフランス軍およびイギリス、低地諸国連合による軍の再編によってブレーメンを突破、ハーノファー、ゲッティンゲンを抑えた状態であり、更に進軍中であり、完全にドイツ西側を抑え込んだ状態にあります。

 そのためポーランド方面にドイツは軍が避けず、しかも兵器工場など事前情報を集めていた我が国からの爆撃によって武器弾薬の保有量も低下、撤退を続けている状態になっています。

 対してソ連戦についても順調に進軍しており、エストニア、ラトビア、リストニアとベラルーシの半分をポーランド軍が掌握した状態にあります。

 ソ連に占領されていたこれら地域でポーランド軍は歓迎を持って迎え入れられているようです。

 なにより制空権を抑えていることと、8.8cm砲を持つユーディー戦車が猛威を振るっているようです。

 ソ連のT-34に対してかなり有利に戦えているとのことですからね。

「とはいえ、私もしばらく休暇をもらえました。それに休暇明けからは地上勤務ですよ」

「ひとまず安心ね。でもまだ戦場へ行く兵士がいることが気になるわ」

「連合軍とともにベルリンですか…なぜこの状況下においてドイツは降伏しないでしょう」

「こればかりは、あのヒトラーの考えがわからないことには何とも言えないわね」

 ですが、前世ですら最後まで降伏しなかった奴です。

 国民が多くなくなっていくにも関わらず鉾を降ろさない愚か者。

 なるべく大きな戦闘なく、我が国の兵士も、そしてドイツ国民も被害が少なくあってほしいものです。


 *****

 1940年12月1日、日本が今大戦に参戦した。

 マリーナの努力虚しく、彼らは枢軸側としてアメリカ、イギリスに向けて宣戦布告してきたのです。

 とはいえ、マリーナはアメリカにも働きかけを行い、日本に無理難題をふっかけるなと話をしていたそうですが、無駄に終わったようです。

 ですが、前世のような宣戦布告の遅延は起こらなかったようであり、アメリカ側の非難は出にくかったようです。

 ときを同じくしてし、ダンマーク陸軍、空軍もドイツへの進攻を本格化、連合国はベルリンまであと一歩というところまで迫っていました。

「これは、欧州における戦争がソ連対ヨーロッパ各国となりそうね」

「冬の間で戦闘が止まっているんだろう?春先が怖いな…」

「えぇ全く。この間にソ連側がどれだけ準備しているか」

「とはいえダンマークを経由した航空輸送でポーランド東部戦線に物資は潤沢に送られているのだろう?」

「大変なお金がかかっていますけどね!」

 空輸はただではありません。

 兵士たちが使う武器弾薬に戦車、それらの交換用部品に食料を満載したTH-6やその発展型であるTH-7は

 毎分の勢いでここコペンハーゲンを飛び立ちポーランドのワルシャワ空港へ荷下ろしをしています。

 その輸送用の燃料費は基本的に自国で賄っているのです。

 後々ポーランドに請求したいほどですね。

 いくら我が国が産油国だからといって無限に石油が湧くわけではないのですから。

 アメリカからの輸入が途絶えればそれだけでこの空輸作戦は止まってしまいますよ。

「どちらにせよ来年春だろうね」

「えぇそれは極東も同じでしょう」

 そう、参戦した日本の行った真珠湾攻撃によるダメージを見越して建造されていたアメリカ空母艦隊が来年春には順次就航する事になっているそうです。

 太平洋という広大な海を挟んだ両国の戦いも来年には決着が付く可能性が高くなっているのです。

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