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やり直し王女テューラ・ア・ダンマークの生存戦略  作者: シャチ


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テューラ王女7歳、世界初のガソリン自動車を手に入れる。

「今日はテューラが待ち望んでいた自動車がようやく届くぞ」

「やっとですかお兄様!」

 朝食の時間、兄の言葉に私は目を輝かせた。

 ドイツにて開発されたガソリンエンジンを搭載した”自動車”がようやくやってくる。

 1886年にドイツ国内でこの自動車の特許が公開されたときに私は一目散に飛びついた。

 他の国や新聞では悪魔の乗り物だなんて呼ばれていたけれど、これほど先見性のあるものがこの時期に出来ていたなんて私も知らなかったぐらいだ。

 私が知るのは1900年代に入ってから。

 そのころになると自動車もより一般的になるが、当時はまだ理解が及ばない物体だったというわけだ。


 開発された事実を知った私は早速従者の一人をドイツに向かわせ、この世界初のガソリン自動車を購入させた。

 もちろん父たちにも許可をもらって”ダンマーク王家”として購入したわけだ。

 書面で読んだ限り、四輪車ではなく三輪車であるらしいが、一番重要なのはエンジンでしかない。

 最初期の自動車にすべては求めていないわ。

「ではさっそく友人も呼びたいのですけれど、いいでしょうか?」

「ちゃんと母上の許可はとるんだぞ?」

「もちろんですわ!」

「私もお母様にお話しいたしますわよテューラ」

「ありがとうございますインゲボー姉様」

 ちなみにこの自動車の購入については、第二王女であるインゲボーお姉様が食いついていたりする。

 インゲボーお姉様はのちに自動車の運転とかも楽しまれる活発な方でしたものね。

 とはいえ、友人たちと共に自動車を見るのは後日。

 今日はまず私たちだけで見ることとなります。

 私は待ちきれずに朝食後からお城の中庭でずっとまっていました。

「誰も買わなかったらしいが、テューラは何でこれをほしがったんだ?」

 クリスお兄様がめずらしく一緒に中庭に出てきてくれています。

「今後はこういった内燃エンジンを備えた移動する工業製品が世界を席巻しますのよ?

 こういった工業製品に遅れがちな我が国はより他国から技術を吸収し他国に負けない技術力を身につけねばならないのです」

「それについては同意するよ。自動車購入の際にテューラから聞いた未来の構想は私も興味があるからね」

 私達ダンマーク王国の王族はお母様の教育方針によって弁論大会のようなことを定期的に王立劇場にて行っておりました。

 国の貴族や議員たちはそれを自由に聞くことができるのですが、そこで私はこの国の未来について論説したのです。

『我が国を取り巻く状況は決して楽観はできません、ですが国内の開発・発展が確実に実を結んでいることは事実です。次に必要となるのは科学・工業力の発展です。

 現在我が国が目指す中立の為には、国家予算の半分もつぎ込むような防衛線の構築ではなく、技術への投資が必要なのです。私は今後10年以内に人が自由に空を飛ぶ技術を確立し、ダンマーク王国の名を世界中に知らしめるつもりです!』


 この発言のおかげで、私には数名のお友達が出来ました。

 親ではなく、子供が感銘を受けてくれたわけです。

 その一人はマリーナ・リーツ・ショット、現在の外務大臣の孫娘に当たる男爵令嬢とレーナ・へーリング、現在の内務大臣の孫娘です。

 どちらも私と同じ年ですが、それぞれ得意分野も違い私と話が合う二人です。

 なにより、マリーナは地政学に詳しく、レーナは科学に精通しています。

 ですからこの自動車については二人にぜひ見てもらいたいと思っているのです。

 二人と共に計画している先の発言による飛行機開発計画に共感を得られているからにほかなりません。


 中庭でしばらく待つと、ガタゴトと大きな音を立てて馬のひかぬ車が宮殿の門をくぐりました。

「あれが、パテント・モートルヴァーゲン…」

 現代的な自動車を見慣れた人間からすると原始的なクラシックカーともいうべき存在だけれど、十分なスピードでもって宮殿の中庭ロータリーをぐるりと回って停車した。

 乗っていた従者は中々に操縦が上手いようだ。

 馬が走る速度より少し速いだろうか?

 それにしてもドイツからここまで”乗ってきた”ということはこれでも十分に遠出ができるということね。

 たしか、かのベンツの妻はこれに乗って息子二人を乗せて長距離走行した記録があったはず…あら?もしかして、それよりも先に記録に残る世界初の長距離運転をしてしまったかしら?

「自動車はいかがでしたか?詳細についてお聞きしても?」

「もちろんでございますテューラ姫様、なかなか気難しい奴でございましたよ」

 道中の燃料は嫌がる馬に無理やり乗せたタンクに入れたガソリンで行ったそうだが、それ以外にも道中のメンテナンスなど課題がたくさんあったらしい。

 乗り心地はそこまで悪くはないとのことだが、操縦に癖があり馬車と同じようにはいかなかったとか。

「乗りなれるまで長距離を移動するのに不安がありこのようなタイミングとなり申し訳ございません」

「いえ、まったく。こうして無事に運んでくださっただけありがたいですわ…ですけど私が運転するのは難しそうですわね」

 単純にアクセル・クラッチ・ブレーキがありハンドルを握れば運転できる自動車とはどうにも違っているようで、習っても私では運転できない気がしますね…手足の長さが足らなそうですわ。

 ですが、これでガソリンエンジンが手に入りました。

 これを見せればレーナ達がアレを良きようにしてくれるでしょう…

続きはまた明日

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