私の結婚と国際線就航と一つの布石
1901年6月、コペンハーゲン聖母教会にて、ついに私の結婚式が執り行われております。
「テューラ・ア・ダンマークは夫となるニールス・イルセーと共に支えあい、歩むことを誓いますか?」
「ちかいます」
「では誓いのキスを」
私は向き直りニールスと見つめあう。
そっとニールスが私の顔を隠しているベールを上げて、私にキスをしてくれる。
こうした私たちは正式に夫婦になった。
「やっと私の恋は叶いました」
「私も、美しく利発なテューラと一緒になれて幸せです」
しばらくは新婚生活としてゆっくり過ごすことができるわね。
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さて、
2カ月前に、ダンマーク王国は総選挙が行われ、ダンマーク自由党が勝利しました。
そして、これを機に完全な立憲君主制に移行したりと先取りした時代の変化を起こしました。
おかげで、王族と平民の結婚という出来事は、国民には好意的に受け取られた。
まぁ他国の王室からクレームはつきましたが無視です。
何前時代的なことを言っているんだと一蹴しました。
王家は独裁はせず民に寄り添う、その地位は歴史的な事実をもった象徴として、国に対する政策の決定権はあれど、基本的には不干渉を取るという立場も明確になったと言える。
お兄様ごめんなさいね。
散々民に寄り添えだなんだと言いましたけど、お父様と協力して”内閣の辞任権”だとかは剥奪させていただきましたわ。
これ、任命権はあれど、任命した内閣を王独断で罷免することができないという内容。
国は国民に選ばれた政治家たちによって運営されるべきであるという国民意識も相まって、早期にこのような形に出来たと言える。
まぁ前世よりかダンマークは明らかに国力が付いていると言っていいものね。
失業率も低下し、THIをはじめとした重工業によるすそ野の広い産業体系が出来上がる。
コペンハーゲン郊外、国際空港周辺にはTHIと取引する多くの工場がひしめき合い、コペンハーゲン・空港間は工業地帯となりつつある。
これに対してイギリスの過去の失敗を鑑み、早期に”環境保護法”を立案したマリーナはさすがだと思います。
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「テューラ、しばらくはのんびり過ごすんだよね?」
「もちろんよニールス!その代わり1ヶ月後には飛行機で各国訪問よ!」
これ、別に私が新婚旅行として飛行機で行きたいという訳ではなく、あくまで会社の為なのよね…
航空機による旅行についての優位性だとかコスト面だとかの宣伝としての意味合いがありますの。
何せ、今や政治的、商業的やり取りについて飛行機による移動は一つのステータスになっていますから。
運航経費などの関係で決して安くはありませんが、陸路の数倍の速度で目的地に到着できるというのは大きな魅力です。
ダンマーク王国内では利用者が増えてきましたが、まだ庶民が使えるかといわれるとNOな訳です。
そこで、一般時でも使えるというアピールに私とニールスによる旅行をということになったのです。
「協力してニールス」
「もちろんさ!飛行機に乗るのが楽しみだよ」
齢33ですが男の子ですよねニールスも、乗り物は好きなようですから。
さて、次の目標は3年後のバルチック艦隊の通過…
どう立ち回るかが勝負になりますが、我が国は既に中立を宣言し各国認めている状態です。
では何が問題か?
中立国の海域を他国の軍艦が勝手に通過できるのか?という点です。
商業ならまだしも、軍の通過となると意味合いが変わってきます。
対立国からは「何勝手に通過させとんじゃい!」となりますし、通る側は「なんや通さん気かい!」ともんくをいいますから。
そこで私とマリーナが目を付けたのは”公海”にしてしまうこと。
要は、ダンマークは領有権を主張しない、開かれた誰でも使えるところだというふうにしてしまうこと。
本当は国際連盟が出来た後協議されても実際には成立しなかった公海についての取り決めについて、先んじて設定してしまおうという訳です。
といっても無制限に開発を許可するわけではありません。
通行に関する規定のみに限定し、
・我が国は一切の他国への干渉を行わない
・該当海域における戦闘行為は全世界に対する宣戦布告と同義である
・どの国であっても該当海域の通行は許される
というようなものでして、要はどこにも味方しないけれど勝手に通ればいいじゃないという投げやりな物です。
で、問題となるのはその狭い海峡で戦闘なんてされたら流れ弾が宮殿まで飛んでくる可能性までありますから、戦闘行為の禁止を上げているわけです。
うまいことこのルールが国際社会で認められるといいのですが…
恋愛話あっさりさせすぎてごめんなさいっ!もうゴールさせちゃいました!!




