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やり直し王女テューラ・ア・ダンマークの生存戦略  作者: シャチ


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いろんな法律の制定と航空会社

 さて、無事に一つの目標を達成しまして、晴れてニールスとお付き合いを始めました。

 前回はこっそり隠れてお付き合いをし始めたのが1900年で、翌年にバレて無理やり別れさせられたわけですが、今回は王家として承認済みの内容。

 まぁまだ正式に婚約はしていないのですが、それでも一緒にいることをとがめられることは無くなったわけです。


 そんな折、マリーナがやってきたので久々に二人でお茶をしております。

「この度はおめでとうございますテューラ様」

「おめでとうを言う顔ではないと思うのよマリーナ…」

 苦虫をつぶすとはこのことというような顔のマリーナから祝福されました。

 まぁその原因も分かっているのですが、私が無理を言って動いてもらっていた手前なんと声をかけていいか…

 実はマリーナ、先日婚約が白紙になりました。

 男爵令嬢である彼女ですが、当初伯爵家に嫁入りする予定になっていたのです。

 が、政治家である彼女の祖父の傍らで政治に口を出しまくり、才女などと呼ばれるようになったマリーナに婚約者はドン引きしてしまったという悲しい結末です。

「えぇ、コレばっかりはどうしようもありません。ですが懸案だった航空法の制定と、イギリス、ドイツとの無線通信網の協力研究部会が出来ましたので、本望です」

「そ、そう。それは良かったわ」

「えぇもしかしなくともラジオ放送が早急に出来上がるかもしれませんね」

 戦間期に広まったラジオ放送において、ダンマークはドイツ・辛うじてイギリス・フランスのラジオ放送がきけましたから、前世と同じように広まるでしょう。

 さらに同じ電波の研究としてレーダーの実用化が目標ですからね。

 防衛だけではなく、航空運行上の要にもなりますから。

「はぁ私も身分関係なく素敵な殿方を探しますか」

「そうね、マリーナはそのほうが良いかもしれないわ」

「あとですねテューラ様」

「なにかしら?」

「女性参政権運動を始めてもいいですか」

「え?」

 マリーナの言葉に思わず目を見開いてしまいました。

 でも確かにこのころから女性の政治参画の話は市民から出ていましたし、それは15年後に実現します。

 実際に選挙が行われたのはWW1終結後ですが、世界を見回しても女性参政権は早かったように思います。

 これはダンマーク王国が小規模な市民団体…というと語弊がありますが地域の寄り合いのような形で市民同士の意見交換が盛んであり、結果として政治参画意識が高いからでもあります。

 なにより、今世においては私が主導して”女性の社会進出”が早急に進みまして、飛行機関連技術は女性が結構矢面に立っているからですわよね。

 我が国で航空機パイロットの6割が女性ですからね。

「それは構わないけれど、何故私に意見を?王族ですからそういった政治活動に首を突っ込むわけにはいかないのですけど」

「存じております。ですが、テューラ様は多分矢面ですよ。国の若い女性はテューラ姫の様になりたいと夢見る方が多いですから。

 実際、私が言い出しっぺですが国内物流業社の社長だとか新規にできた航空機部品製造会社などの社長は貴族の出が多いとは言っても女性がほとんどだったりするのです」

「まぁ、確かにそうですわね」

「昨年にはイギリスの一般工場法を手本としてさらに改訂した労働基準法を制定しましたでしょ?」

「えぇ労働は1日8時間、週休2日の完全履行がメインでしたわね」

「そもそも1日に10時間も働くなんてのが土台無理なんですよ。集中力を欠けば労働災害につながります。労災は会社の責任ですからね!経済界も賛同した法案です」

 ちなみに、この労働基準法が制定されるよりも前に安全衛生基準法が制定されてまして、さらに環境保護法なども市民団体から出された素案を基に官僚の方達が形にして政治決定されました。

 その何処にもマリーナが首を突っ込んでいたことは議事録などから、すぐにわかります。

「マリーナがとても先進的な法律の成立に関わっているのは私も知っていますが…でもなぜ私が矢面なのです?」

「そりゃー王族が象徴だからですよ。いまや若い女性の象徴です。しかも王族で初めて”恋愛結婚”される可能性もある。国の若い貴族令嬢達だって、今までは政略でというのが一般的でしたが皆意識が変わっています」

「ダンマーク王国の貴族解体が早まりそうね」

「そういう見方も出来ますね」

 男爵令嬢であるはずのマリーナがそういう動きをしているのは、すこし思うところもありますが、30年後にはほとんどの貴族の爵位は”飾り”になってしまいますから、いいのかもしれません。

 まだ勲章のほうがちゃんと意味がありますからね。

 既に”領主”という概念も希薄になり、ヘタな商人のほうが資産を持っている状態なわけです。

 世界恐慌によって貴族は生き残るために爵位を手放すようになるのですし、我が国の貴族家は既にそれほど多くはないのですから。

「というわけで、若い女性の注目の的、テューラ・ア・ダンマーク姫は女性主権に対する今や象徴なのですよ」

「まって、私は何も言っていないのすでに象徴なの?」

「そうですよ?私も所属する女性主権・参政権研究会では勝手ながら理想の女性像という扱いです」

「そ、そうなのね」

「そうですよ、齢6歳でガソリンエンジン車を買い、10代でTHIを軌道に乗せた才女ですよ?自覚を持ってください」

 …そうなるわよね。

 今や国内のトラックは5tトラックだけでなくより大型のトラックも走り始めています。

 ブリストルが開発する200馬力級のエンジンを組み込んだトレーラーも完成し、それまでは改造で作っていたバスについても専用設計の車両が作られ、都市間を結び始めています。

 なにせ鉄道を引くより楽なので…おかげで国鉄の線路は本当に大都市間と港に向けてしかひかれていないのです。

 国が狭いですからね…

「とりあえず、法律は整備しましたから、後は4発機が無事に量産開始されるのを祈るばかりです」

 マリーナの言葉に私もうなずく。

「来年には、ダンマーク航空ができますわ。官民一体の企業ですけれど、4発旅客機の完成お披露目と同時に発表ですわね。コペンハーゲン空港からロンドンとパリへは4時間、ベルリンへは2時間、ベルリン・パリ間も3時間半を見込むそうですから、飛行船の約1日との差がだせます。

 利用の見込みはありますよ」

「商人はこぞって使うでしょうね、1回あたり20~30クローネかかったとしても」

「えぇ、馬車で行くよりよっぽど格安ですから」

 レーナも間違いなく商売になると言っていますからね。

 一日あたり各国へ1便飛べればと考えていますが…十分だと思うのですよね。

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