ダンマーク王国中立宣言
時の国王を思いっきり間違えたので修正しました
1891年5月16日、ダンマーク王国国王クリスチャン9世による中立宣言が正式に国内外に発信された。
それまでも中立政策をとってはいたが、他国が認めていたかと言われると疑問であったが、この度イギリス、フランス、ロシア、ドイツの4カ国との航空機技術による各ライセンスの提供の締結とともに独立を保証された。
結果に中立国として対外的に立派に言えるようになったわけだ。
とはいえ、スイスほどに強い中立ではないが、スイス式な中立を訴えることができたわけだ。
そして、THIでは初の民間向け飛行機T−3が正式に発売され世界各国の貴族たちが買いまくるということも起こった。
その資金を元手に馬車に変わるトラックの開発も進み、5tトラックというトラックの発売にこぎつけた。
これは1.8tの貨物を積み、自走できるトラック。
全体重量が約5tのため5tトラックと名付けられた。
こちらはレーナや私は口を出した程度で会社の技術者たちが作り上げたもの。
出した口は屋根を作れとかその程度のもの。
初めは今の一般的な車と同じで屋根もなく、後付けできる幌があるだけだったのだが、重量が嵩んでも良いからフロントガラスと固定式の屋根を取り付けさせた。
その過程でワイパーも開発されたりした。
だがおかげで雨の日でも運転できる。
馬と違ってご機嫌取りが不要という利点もある。
といってもイギリスと同じ問題を抱える我が国ですぐに普及するわけではない。
徐々に使われるようになっている。
なにより高いのだ。
エンジンはT−3と同じだが、それだけだ。
第二次世界大戦前のような誰でも買える車ではない。
最高速度は30km程度、すぐ壊れたドイツ車と違い耐久に関してレーナは死ぬほど口を出したのでまず壊れない優れもの。
だが高い。
が、インゲボーお姉様がゴリ押しで王家用の5tトラックを作らせてしまった。
シートや見た目の塗装も豪華な黒塗りにし、荷台もオープンではなくホロがついている。
あと、T−3もお持ちです。
時間を見ては5tトラックを護衛付きで宮殿から飛行場まで行き、飛行機に乗って飛び回る。
なんともアクティブすぎるお姉様である。
そして、我が国が最初にドーバー海峡飛行機で飛んだことで、飛行機関連特許を取得した英、仏、独は飛行機開発競争でこのドーバー越えを目標に次々と飛行機を投入している。
そんな中、ダンマークは次の目標として大西洋横断を目標として飛行機の設計を始めている。
レーナはより現代的な飛行機を目指して設計を進めており、双発以上の飛行機の設計し始めている。
これは現在門外不出状態。
今各国はTPー02をベースに開発を進めているからだ。
イギリスは3ヶ月前にドーバー越えを達成しており、それにはイギリスの新聞社が懸賞金を出していたほど。
ここは史実と同じだが、ダンマークが大西洋横断を明言してからは、そちらにも賞金がついている。
そして、ダンマーク陸海軍からの要請でシャーロットを筆頭にパイロットの育成が始まった。
ドイツの硬式飛行船が陸軍に正式採用された情報が入ったからだ。
ドイツ軍の目的は上空からの偵察。
であれば飛行機でもできるだろうというのが我が国の考え…というより私の考えで有り、オペラハウスでの講演会でそのことについて論じた結果だ。
「テューラ姫様は空軍戦略もご存じなのですか?」
「いえ、流石に細かなところまでは存じ上げませんよ。あくまで2度の大戦においての主な飛行機の使われ方を知っているだけです」
「十分だと思いますけどね。珍しく陸海軍が共同で取り組もうなどということになったのですから」
本日はマリーナとレーナと共にお茶会と言う名の情報交換会です。
「お祖父様からの情報ですが、少なくとも大国4カ国からの中立に関する取り決めについては問題なく、世論の反発もないそうです」
「皆様はすでにご存知だと思いますが、国防予算が削減されますわ。代わりに産業への投資を増やすことになりますよ」
「THIも軌道に乗り始めましたよ。
特に飛行機の売り上げは莫大な利益を上げています」
「それは良いことです。国のお金をつぎ込んでるわけですからね」
レーナもマリーナも頷く。
まだ総金額では少ないが酪農以外の産業ができるのは良いことだ。
特にTHIの関係から国内に重工業関連の中小企業ができ始めている。
何せネジ一本買うのもまだ大変なのだ。
国内で生産できるならそれに越したことはない。
「あとテューラ様にお願いなのですが」
「なんですレーナ」
「国内の規格を作るよう働きかけをお願いします」
「国内の規格?」
「とある会社で作ったねじと別の会社で作ったコマナットでは締め付けできないんです。
つまり寸法が統一されていないんですよ。
そういった基礎部品についてはどこの会社で買っても同じにしておかないと後々困ります。
我が国の重工業が動き始めた今がチャンスなのです」
「私からもお願いいたしますわテューラ様」
マリーナからも懇願された。
それほど重要なことなのだろう。
たしかアメリカ式の工場を目指して作った生産ラインのためにも必要だと前にレーナから聞いている。
「わかりました。ですが私はそのことに詳しく有りません。
レーナ、すみませんがご教示ねがいますか?」
「後日レポートをまとめます」
「よろしくお願いします」
私は紅茶を一口啜る。
「まだまだ休んではいられないようですね…」




