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45話 俺、ミサイルになります。

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 ボス部屋の宝箱の中身は今回も小人用キャプテンソードだった。

 剣はもう複製できるようになっているからダブりは嬉しくない。

 キャプテンゴブリンの装備だったら、盾か皮鎧が出てくれればよかったんだけどなあ。


 下の層に行っちゃうかな?

 “未熟者のダンジョン”は全部で7層だったっけ?


 昨晩、アキラとフレンドチャットしたけど、彼女は今はこのダンジョンの5層で稼いでいる。

 そこで眷属用の装備を集めているようだ。

 出てくるのはゴブリン系だけで、あれ以上眷属は増やしてないらしい。

 アキラの眷属はゴブリンばかりだから装備も使いまわしが利くのだろう。


 あんまり下に行くとアキラと会う可能性もあるのか。

 今の俺の戦闘スタイルは知られたくないな。

 下の層に行くのはアキラがこのダンジョンを攻略して、次のダンジョンに行くようになってからでいいか。


 キャプテンゴブリンが使っていた剣は1層1周して1本しか手に入らない貴重な鉄素材。手裏剣よりもゴーレムの武装にまわすべきだろう。

 ボスの復活(リポップ)の間隔がもっと短ければ、2層の転移魔法陣(ポータル)部屋から階段を上って1層ボスだけを倒すのを何度もやるんだけどなあ。


 今はゴブリンの死体も素材になるし、スキルのレベル上げや俺の能力の検証もできるから1層入り口からやっているけどね。



 さて、と。素材となる物はアイテムボックスに収納したので、能力の検証をしますか。


 1層で一番広い部屋はここボス部屋。

 戦闘中に試せばよかったかもしれないけど、これからやるのはゴブリンたちとの戦いよりもやっかいそうだから駆逐後じゃないと危険だ。


「ストーンミサイル」


 CPなしでストーンミサイルを出す。射出せずにすぐそばに浮遊させる。

 長さ50センチ以上、太さは6センチ以上のそれに、ゆっくりと足を乗せた。

 うん。気合ストーンニードルの石杭よりも乗りやすいな。


発射(ぴょっ)!」


 俺を乗せたまま、ストーンミサイルが飛ぶ。ボス部屋も空中を進んで眼前に迫る壁。

 あれ? 気合ストーンニードルの方がスピードが速い?


「曲がれ!」


 くいっとストーンミサイルが進路を変えて壁に激突しないですんだ。

 気合ストーンニードル以上の速度だったらこれもやりにくいか。

 この魔法、誘導しやすいように速度はちょっと控えめになっているのかもしれない。


 なら、もうちょっと遅く……。

 できた!

 速度調整もできるのか。これは助かる。速すぎてもダンジョン内だと壁に激突するだけだもんなあ。

 ストーンミサイルの方が速いと思ってたからさ、ゴブリンよりも自爆が怖いって理由で戦闘中に試せなかったんだよね。


 飛距離や滞空時間はどんなもんだろう?

 ボス部屋の空中をぐるぐると飛び続ける。


「けっこう飛べるな。……もしかして?」


 ステータスウィンドウで消費MPを確認すると、飛行中にも減少していた。

 そうか。ミサイル系の魔法はミサイルの誘導にもMPを使うのか。

 これならMPが続く限りは飛び続けられるな。誘導に使う消費MPも僅かなようだし、いきなり落下する心配も減るか。


「でもこれはどっちかっていうと筋斗雲だよなあ。クラウドミサイル。……ないか。そりゃそうだよな」


 ストーンミサイルの速度を緩めて、飛び降りる。

 天井付近からの落下のなのに、トン、と軽く着地できた。3メートルぐらいの高さからなら余裕か。

 人間サイズに換算したら18メートルの高さから飛び降りたってことだから、けっこうすごいな。


 だけど、ダンジョン外ではもっと高く飛びたいから落下時のことも考慮しなきゃいけない。

 パラシュートは前世でも使ったことがないから、もし作れても使い方がわからないんでパスだな。

 となると、クッションか。着地時の衝撃を和らげればいい。


「防御系か。ええと……エアーコート」


 俺の周りに薄い空気の層が追加される魔法だ。

 ……けど、あまり違いがわからない。薄すぎるのか?

 壁を殴ってみる。特に感覚的な違いはない。


 どうやら、外気をある程度遮断して、温度や湿度を快適にするのが目的のようだ。

 毒ガスや目標周囲の空気をいじる魔法への対抗手段でもあるらしい。空気の層はMPを変換して作られるので、酸欠になることもない。


 上空は寒いし空気も薄いだろうから、飛行する時は有効な魔法なのかもしれない。

 そんな高くまで飛べばだけどさ。


 だけど、これじゃ駄目だな。目的は衝撃緩和だ。


「エアーウォール」


 見えないけど、空気の壁ができたはずだ。

 ……この辺か? ふむ。たしかに壁があるな。

 硬さはどんなもんだろう。硬すぎたらクッションには使えない。


 エアーウォールを軽く殴ってみると、ぼすっ、て感じでそこまで手は痛くない。

 体育用マットぐらいの硬さ? ……あれを使ったのはもうかなり昔の話なんで、どんな硬さか忘れちゃったけど、たぶんこれぐらいの硬さなはずだ!


 これなら厚めに敷くか、隙間を開けて、薄めに何層も作れば高い所からの落下にも耐えられるだろう。

 試しに床にエアーウォールを張ってみる。


 うん。ウォールって名前だけど、ちゃんと床にもなるようだな。

 見えはしないが、上に乗るとエアーウォールの分、空中に浮いたように見えるし、足元の感触が微妙に柔らかい。


「エアーウォール」


 1メートルぐらいの高さにエアーウォールを床と平行に張ってみた。

 完全に空中歩行ができてしまった。

 これはいい!

 調子にのって歩いていたらエアーウォールの端から落ちてしまったけどさ。見えないのは利点であり、欠点でもあるのか。


 ふむ。

 もしかしたらできるかな?


「エアーミサイル」


 っと、この辺?

 見えないんで乗るのが難しい。足の感触だけが頼りだ。

 なんとか乗れたと思うので、エアーミサイルを発射してみる。


 おお!

 ちゃんと移動できる。

 これなら視界をミサイルに塞がれないで下も見えるし、なによりも俺自身が飛んでるようにも見える!


「む!」


 なんか閃いた。

 これってさ、エアーコートのように俺が纏う感じにエアーミサイルを作ったらどうだろう?


 試してみると、俺を内包するエアーミサイルはできてしまった。中にいるんで確認はできないが普通のエアーミサイルよりも太いはずだ。

 だけど攻撃呪文なだけあって、俺の周りの空気が固くなった感じで動きづらく、呼吸もしんどい。これはアカン。


 解除する方法もわからなかったので、エアーミサイルをゆっくりめの速度で発射して壁にぶつけた。

 当初の目的どおりに俺が入ったまま、ミサイルが飛ぶのも確認できた。

 ついでに、壁に勢いよく刺さったら俺にもそれなりのダメージがくることも判明した。


「ハイヒール」


 エアーミサイルからは脱出できたので、回復魔法でダメージを治療する。

 やはり戦闘中に試さないでよかったよ。

 もしかしたらなんか変なスキルを入手できたかもしれないけどさ。


「ならば……エアーコート、エアーウォール、からの、エアーミサイル」


 エアーコートをまとった後に俺を囲む形で小さくエアーウォールを張り、その上からエアーミサイルを作る。3層構造だ。


 今度は呼吸も楽だ。

 そのまま発射してみるとちゃんとエアーウォールも移動しているようだ。起点を俺にしたおかげだろう。

 速度、方向転換ともに自在にできるな。

 エアーミサイルの解除は……成功。壁にぶつけて解除しても俺にダメージはない。さらにそのまま落下しても余裕だった。


 ……これなら普通に飛行魔法を使った方が楽か。

 空気の層が3重なので外の音も聴こえにくい。面白いけど、無理して使わないでもいいな。

 もしかしたら戦闘中にこれを使ってれば飛行魔法を習得できるかもしれないんで、何度か試すつもりではいるけどさ。


 普段はエアーミサイルに乗る方向でいこうと思う。

 これでダンジョンの外、妖精島を探索しやすくなったはずだ。




 他の属性のウォール系を試してからダンジョン(おうち)に帰る。

 攻撃のダメージを減らす目的ならストーンウォールの方がよさそうだ。視界も塞がれるけどさ。


 ファイヤーウォール、アイスウォールは攻撃の属性に合わせて使うんだろうな。

 アイスウォールはそれなりに透けていて、気合を入れると綺麗に透明になった。これならもっと使い道があるかもしれない。


 コアルームに戻ると、誰もいなかった。

 ちょっと寂しい。

 ダンジョンの監視映像で確認するとコルノたちも1層で戦闘中だ。タイミングが悪かったか。


 転移で現場へと跳ぶ。


「おかえりー」


「ただいま。もうおわった?」


「お帰りなさい。私の出番はなかったわ」


 戦闘はもう終わっていて、そこにはプレーリーウルフの死体が並んでいる。

 感知スキルを使っても敵の生き残りはいないようだ。


「これでね、お昼を食べてフーマが出かけてから3度目かな」


「3度目?」


「そうよ。1度目は8匹、2度目は7匹だったわ。今回は……」


「ゴ、ゴゴ」


「11匹だって」


 おかしい。

 昨日まではこんなにくることはなかったのに。この短い時間で3度の襲撃ってのは……。


 まさかマグロの匂いにつられて?

 そうならないように換気扇は2層と3層でもしっかり稼動してるはずなのになあ。

 いや、プレーリーウルフ(こいつら)が来てくれる分には問題はないんだけどさ。最初予定していた襲撃者に相応しいし。


 でも、急増している原因は気になるな。



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