この馬車のことか?
「セナさん、メイディさん
王都への帰りも宜しくお願い致します。」
「ああ!もちろんだぜ!宜しくな!」
王都へと戻る道中も、セナさんとメイディさん夫婦にお願いすることになりました。
おふたりは、私達を送り届けたら、いったん、また、アレイシオ辺境伯領に戻りまして
さらに、別の領地へ旅に出掛けるそうです。
「帰りは、ほとんど、馬車の予定!
宿泊で寄るのは、エルドーくらいになるから、トイレ休憩したい時、何かあった時は、すぐに言ってくれると助かる!」
「セナに言いにくい時は私に伝えて下さいね?」
「はい、勿論、承知いたしました。」
「はい、かしこまりました!」
「あの、セナさん
そちらの、立派な…?」
「ああ、この馬車のことか?」
「はい、そちらは、いったい…?」
その馬車は、目立たない造りではありますが、立派なものです。
ふかふかなソファのような椅子に、おしゃれな内装、明らかに、高級な馬車ですよね?
「ヴィンゼン伯爵家の、お忍び用馬車だ。」
「な、なぜ、ヴィンゼン伯爵家の馬車を??」
「アイラードが、セナがいるとはいえ、長時間の馬車は心配だと言って、貸してくれた!」
「ええっ!?アイラード様が!?」
確かに、長時間の馬車は、大変ですけれど
わざわざ、ヴィンゼン伯爵家が、私達の為に、馬車の貸し出しをするなんて…
アイラード様、ありがとうございます…!
「それは、後日、ヴィンゼン伯爵家へと、お礼のお手紙を書かなくてはいけませんね。」
「メアリー様、アイラード様への、高貴な方へのお礼のお手紙の書き方を教えて下さい!」
「勿論、構いませんよ。一緒に書きましょう。」
「ありがとうございます…!」
帰りの馬車は、思った以上に快適でした。
あまり揺れない、ふわふわのソファにモコモコクッション、足腰がきつくない。
さらに、椅子を倒して、斜めにしたら、仮眠を取れるようになっていました。
女性3人組が仮眠中は、馬車を運転するお方の隣に、セナさんが座って見張りをしてました。
セナさん、ありがとうございます。
エルドー伯爵領では、宿泊だけ。再び、温泉に入って、心身共に、とても落ち着きました。
とても、のんびりとした帰宅になりました。




