また何かしましたの!?
「おお!メアリーよ!
久しぶりに来てくれたんだね!」
「お久しぶりでございます、サンセおじ様」
ニッコニコで、明るくて、フレンドリーそうなおじさまが出て来て下さいました。
彼が、テレサ夫人の従弟にあたる商会会長様。
テレサ夫人に似ておられますね。
「メアリーのご友人に会えて嬉しいですよ!
ようこそ、いらっしゃいませ!」
「こちらこそ、お会い出来て、光栄です。
先輩侍女であるメアリー様には、大変お世話になっております。宜しくお願い致します。」
「さすが、メアリーの友人でございます!
真面目なお嬢様ですね!」
「商会長様、ありがとうございます。」
「それでは、本日は私の家内も来ていますから、おふたりを個室にご案内を致しますね!」
「………えっ!?個室をですか、お義父様!」
「うむ、メアリーは、姪っ子のような存在だ。
テレサ夫人に頼まれているからな。」
「ありがとうございます、サンセおじ様。」
どうやら、個室をご用意して下さる様子。
そのことに、ターナさんは、非常に、驚かれているようでしたが…
私達は、ダイヤー商会長様にご案内をされて、奥にあります、個室に行きました。
「こちらが、個室でございます。」
「まあ!メアリーさん、いらっしゃいませ!」
「リーリア夫人、お久しぶりでございます。」
ダイヤー商会長夫人らしきお上品なおばさまがニコニコして待っておられました。
個室に、様々な色彩のドレスをご用意して。
「先程は、ダイヤー商会の新人社員
義娘のターナが申し訳ありませんでした!」
「ターナさんが、また何かしましたの!?」
「ああ、予約制じゃないのに、予約制だと言っていたようだ。最近、お客様が少なかったのは、そういうことだったのか…。」
「まあ!なんてことでしょう!」
おお………予約制じゃなかったんですね…!
いくら、次期商会長夫人だとしても、勝手に、新しい形に変更してはいけませんよ…?
私の妹とその婚約者は、その辺りを、キチッと教わっておりますよ。商会長夫妻や、商会長の執事長などに相談する必要がありますから。
「サンセおじ様………
あのお方は、お名前からして、噂として聞いていましたエリダの奥様だと思うのですが…」
「はい、嫡男であるエリダの妻にあたります。
あのサイディー伯爵領の男爵令嬢である彼女がエリダに惚れて、嫁に迎えたのですが…」
「まあ! あのサイディー伯爵領から!?」
「ええ、サイディー伯爵領の貴族令嬢の中では、真面目そうな良い子と思ってましたが、嫁入りしたとたん、仕事に対して、やる気がまったくありませんで………やはり、サイディー伯爵領のご令嬢は、気難しい方が多いですなぁ。」
「そ、そのようですね…?」
アイラード様の前妻の方もそうでしたが…
サイディー伯爵領に住まう貴族令嬢の方々は、独特な世界観をお持ちのようです。




