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いらっしゃいますか?

クロワーヌ男爵夫妻のご紹介で、

アレイシオ辺境伯領内の商店街地区にありますダイヤー商会にやって来ました。


アレイシオ辺境伯家御用達と指名がされている由緒ある老舗の商会、ダイヤー商会。


テレサ夫人の叔母様が嫁入りした家で、父方の従弟にあたるお方が経営しているそうです。


「いらっしゃいませー

ようこそ、ダイヤー商会へ

ご予約はされていらっしゃいますの?」


「いえ、ご予約はしていないのですが……

ダイヤー商会長は、いらっしゃいますか?」


「ダイヤー商会は、事前に予約されたお方のみ、受け付けておりますわ。」


「あら、予約制になったのでしょうか?」


「はい、知りませんでしたか?」


商会の受付に、若手の、30代くらいの女性が接客担当をされていました。


メアリー様やテレサ夫人から、予約は無しでも大丈夫な商会だと聞いていましたが………


接客の仕方が変わったのでしょうか?


「私は、クロワーヌ男爵家の長女メアリーです。

こちらは、ご友人のアステリノ男爵家の長女のリュネシュカさんと申します。」


「わたくしは、モイヤス男爵家の三女、ターナ・モイヤス・ダイヤーと申しますわ。」


「もしかして、他領から来られたというエリダの奥様になられたお方でしょうか?」


「はい、わたくしは、エリダ様の妻ですが……

貴女は、なぜ、わたくしの夫を、エリダと呼び捨てで呼ぶのです?何の用事ですか?」


「エリダは、私の母方の再従弟にあたります。

サンセおじ様は、こちらに、いらっしゃいますでしょうか?ドレスの購入に参りました。」


「………クロワーヌ男爵令嬢は、親戚でしたか。

分かりました。お義父様に確認して参ります。

椅子に座ってお待ち下さいな。」


「はい、宜しくお願い致します。」


な、なるほど………


やっと、やっと、お二人の会話のやり取りの、意味が分かりましたよ。


受付見習いの彼女は、ダイヤー商会会長の嫡男エリダさんという方の奥様なのですね?


受付にしては、かなり、きつい感じですが…


まだ、受付見習いという職務に慣れていない方なのでしょうか?だとしても、旦那様の親戚にそのような態度は、変わっていますね。


実家のアステリノ商会の受付は、ピシッとした真面目すぎる執事風のおじいさまでしたから、違和感を感じてしまうのかしら?


ターナ夫人は、

部屋の奥に入って行きました。


「メアリー様、大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫よ、リュネシュカさん。

エリダは、あの子は、なぜ、あのようなお方を妻に選んだのかしら………?」


「いろいろと事情があるかもしれませんね。」

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