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歳が近くて幼馴染なんだ

「あ、貴方様は…?」


「アレイシオ辺境伯領のヴィンゼン伯爵家当主を務めている文官のアイラードだ。宜しく。」


「は、伯爵様でしたか…!?」


あのアレイシオ辺境伯領の伯爵家当主様!


つまり、彼は、アレイシオ辺境伯様の限りなく近しいご親族ということになる。


アレイシオ辺境伯閣下は、38歳くらいらしいと聞いていますから、従兄弟か、再従兄弟か、それぐらい、近しいご親族でしょうか。


そもそも、伯爵家出身の執事や侍女の方なら、お会いしたことがありますが…


伯爵家当主ご本人には、全く、会った事がないリュネシュカは、思わず、緊張してしまって、ぴたりと固まりました。


「………ヴィ、ヴィンゼン伯爵閣下!」


「うん? 何かな、アステリノ男爵令嬢?」


「も、申し訳ありません!男爵令嬢である私から気軽に話してしまいまして!」


「ああ、うん、大丈夫だよ?私の事は、気軽に、アイラード様で良いから、そう呼んで?」


「は、はい! 承知致しました…!」


ヴィンゼン伯爵閣下、アイラード様は、優しくにこりと微笑んでくださいました。


お、お優しい………!

セナさんやメアリー様のご友人ならば、納得が出来る優しさでございますね…!


「ア、アイラード様は…

セナさんとお友達なのでしょうか?」


「ああ、セナと? うん、そうだよ。

セナとは、歳が近くて幼馴染なんだ。」


「………えっ!?」


「遠い親戚でもあると思うけれど」


どう見ても、20代前半に見えるのに!


30代前半に見えるセナさんと、歳が近くて、親戚で、幼馴染なのですか!?


「はははっ!

アイラードは、若く見えるからな!

俺より2つ上だから、32歳のはずだぞ?」


「さ、32歳なのですか?見えません!!

20代前半だと思っていましたよ!」


「ふふふ、そうかな?ありがとう!」


つまり、彼は、アイラード様は、20歳になるリュネシュカより12歳も年上のようです!


32歳で、幼馴染のセナさんよりも年上!?

見えなさすぎて、混乱して来ました。


「私より、12歳も年上だなんて!」


「12歳差という事は、アステリノ男爵令嬢は、20歳になったばかりなんだな?」


「はい、成人を迎えたばかりになりますね。」


この王国での成人は、20歳からになります。


結婚できるのは、男女共に18歳からなのですけど、早めの結婚は難しいと考えられていて、貴族であっても、20歳以降になります。


「それにしても、若く見えて驚きました!」


「これでも、アイラードは、いま、8歳くらいの一人息子がいるはずなんだ!」


「まあ!お子様がいらっしゃるのですね!」


「ああ、うん、俺にそっくりな息子だよ。」


「まあ!アイラード様に、瓜二つ!」


それは、8歳にして、かなりの美形な少年!


父と息子が、ふたりで並んだら、それはもう、絵画のようなのではないですか!?

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