もふもふした子に出会えて
「あらあらあら、いらっしゃいませ!」
「こちらが、私の友人で、この酪農場の施設長の奥様の、コノン・カワニーナさんです。」
「初めまして、コノンさん。アステリノ男爵家の長女、リュネシュカと申します。」
随分と体格の良い奥様ですね。
酪農業は、体力が必要だからでしょう。
しかし、よく見ると、どこかのお嬢様だったのではないか、という気品が見え隠れします。
「ふふ、わたしは、メアリーの幼馴染なの。
リュネシュカさん、宜しくお願いしますね?」
「はい、コノンさん、宜しくお願い致します!」
次に、この村を通りかかるのは帰り道。
夏の終わりですから、すでに羊毛は刈られて、もふもふな姿は見れなかったかもしれない。
このようなタイミングで、もこもこ羊さん達を触れる機会は、なかなかありませんから、この経験も、体験して良いのかも…?
メアリー様! ありがとうございます!
「もふもふっ!!」
「うふふ、先月に産まれたばかりの女の子よ!
可愛いでしょう?」
「はい! とても、とても、可愛いです!!」
「本当に、可愛いですね…!」
身近だと、犬なら触る機会がありましたよ?
昔は、実家のアステリノ男爵家で、もふもふな可愛いすぎる小型犬を飼っていましたから!
ぬいぐるみみたいなお洒落な賢い子でしたよ。
「仔羊さん、もふもふ、かわいい…!」
「ふふ、かわいいですね、赤ちゃんの時は、このような触り心地なのですね。」
私とメイディさんは、可愛いらしい仔羊さんと戯れて、過ごしました。こんなに可愛いらしいもふもふとした子に出会えて、嬉しいですね!
その間に、セナさんは、親の羊さんや牧羊犬の子たちと戯れておりました。よく見ましたら、牧羊犬の子に、ぐいぐいと懐かれていますね。
「コノン、いきなりなのに有難うございます。」
「ふふ、いえいえ、メアリー、お客さまを連れてきてくれて、ありがとうございます!」
その日の夜は、
アタルダ村の宿泊所で寝泊まりしました。
こじんまりとした宿泊所でしたので、貸し切り状態となっていました。
真夏日特有の、むしむしとした暑さの夜です。
かなり寝にくかったですね。
翌日に食べた牛乳アイスが、とてもひんやりとして、さらに、美味しかったですよ…!
「では、出発しましょうか!」
「今日中には、辺境伯領に着くと思うぞ!」
「リュネシュカさん、忘れ物はありませんか?」
「はい、大丈夫です! 行きましょう!」
いよいよ、東のアレイシオ辺境伯領に。
辺境伯領は、どんな街なのでしょう?
わくわくして参りましたね!




