表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/81

54.絶許



※ラストに作者イラストがあります。






この修羅場時間ドキドキタイムはお昼休みだけじゃあ足りんぜよとばかりに、羽継は(怖い顔のまま)保健室の先生に頼み、私たち三人は午後の授業を仮病使って休ませてもらった。

正直帰りたくてしょうがない私と火花が散ってる男二人はこそこそと一つのベッドに集合した。


すでに扉側の一つが使用されていたので、私たちは壁側のベッドを占領するとカーテンを引き、それに魔術をかけて音漏れを防ぐ。

その際にカーテンに触れた手から溢れる、花弁のような黄金の魔力を見て、タカ君は「ああ、やっぱり綺麗だねえ」と笑った。


「……どうも」


ぼそっと言うと、羽継が私を睨む。

なんでだよぉー…怖いよぉ……と俯いたら室内を駆け回っていた手鞠がカーテンの裾を捲り上げて登場し、ゴロゴロと私の足に擦り寄る。―――ああ、お前だけだよ私の癒しは。


思わず抱き上げて膝の上に乗せると、手鞠は上機嫌に耳をピンピンと揺らした。


「可愛いね。それってもしかして使い魔?」

「う―――」

「そんなことはどうでもいい」


短く言い捨てた羽継は、ちゃんと一定の距離を保ってくれるタカ君を睨み、「それで、」と低い声を出した。


「お前の能力は何だ?」

「なんだと思う、安居院さん」

「へあ!?」

「―――ッ、一々彩羽に絡むな!」


ベッドを殴る羽継に怯えて、手鞠が「良イ子゛―――!」と叫ぶ。

タカ君はそんな手鞠を面白そうに見て、「ほら、怯えてるよ。もっと静かにお喋りしようよ」と羽継に微笑んだ。


「そ、そうだよ、羽継……なんか怖いよ」

「あ゛!?」

「…………」

「…………」

「…………」

「………………ごめん」


ビビりながらも目で訴えると、羽継は渋々とベッドを殴った手を引っ込め、タカ君から距離を取った。

私はそれを満足げに見ているタカ君を睨むと、「君も、からかうのはやめて」と注意する。


「これ以上私たちをおちょくるようなら、もう帰らせてもらうよ」


探査に向いている能力は正直欲しいが、それでもこの子を不快にさせるほどではない。私の仕事は、どんなに不便であっても羽継がいてくれたならそれで十分なのだ。

―――そんな私の考えが読めたのか、タカ君は一瞬唇を噛むと、「しょうがないね」と溜息を吐いた。



「……僕はね、色んなものを見透すことができるんだよ。壁も人も通り抜けて――今では隣の県くらいまで見える。

けど、この調子なら将来、もっと遠くまで視えるだろう―――つまりさ、誰の悪事でもそれがどんなに地下深く行われようとしていても、僕には見える。対象物に関連するものに触れれば、視界の透明度は上がるし、それの過去の光景を視ることもできるんだ」

「ほおー」

「…ただの透視能力だろ。勿体ぶるほどのもんでもないな」


―――そうは言うけど、この手の能力者というのは少ないのだ。

何故かは分からないけれど、羽継の能力ほど稀少ではないものの、どうしてか透視能力持ちは生まれにくい。

そのため、【霊安室】に登録されている透視能力持ちはすごく忙しい――が、なかなかの高給取りだ。

ゆえに透視能力者や、透視能力に秀でた術者の一族などが「透視」に関する魔導書を率先して所有し隠しているために、その類の(魔導書を解読して作られる)魔術書も数少ない。

そのために魔術の中でも「透視」に関係する術を使用できる人間は少なく、名家や運良く手に入れた者ぐらいしか「透視」の魔術書を手に入れられない。原本となるともっと所有している家が絞られる。

金に困った家なんかはその魔術書の写しなんかを売ったりするらしいが、基本的に所有している家は【霊安室】に登録しないでこっそり所持するものだ。


……だって、やろうと思えば敵の弱みやら秘宝、秘術を盗み見できる――そう思えば、夜襲だの仕掛けて奪ってしまいたくなる。

まあ、現代でこれやったら【霊安室】の怖いひとがぶっ殺しに来るらしいけど…。


―――ああちなみに、昔は透視能力者と分かれば誘拐されて監禁された時代もあったそうな。

ただ、拉致されて酷使されるのはまだ良い方で、最悪な場合だと「透視」の能力を解明するために()()()()()、能力が得られるかもと食べられたんだとか……うわあああ昔のひと怖いっ。


なお、これも現代でやったら【霊安室】の怖いひとがぶっ殺しに来る……。



「―――そんなもん、彩羽だってできるだろ」

「え?あ……いや、できないかな…」

「えっ」


羽継の期待に答えてあげたいが――私、この手の魔術は苦手なのだ…。


せっかく我が家も「透視」の魔導書を(こっそり)所持しているのに、肝心の次期当主はダメダメだなんてなんて宝の持ち腐れなんだろうとは思うのだけどね…まあ、苦手なもんはしょうがないというか。


おそらく羽継が「透視」だと誤解している魔術は、ただの精神を研ぎ澄まして異常がないか探る程度の探査魔術。それも下級よりは少し上等のものだ―――それだって学校内という狭い範囲内だからすいすい出来ているように見せているのであって、外でやろうとしたら手間がかかるし、探知能力も下がるというお粗末さだ。


思わず落ち込んでいたら羽継が気まずそうな顔をして、何か言おうと口を開く。

が、言葉を発する前に私に手を伸ばして、タカ君は微笑みを浮かべた。



「僕は、幽霊だの化け物を前にしたら君の盾になるくらいしか出来ないけれど……それでも、君を支えるにはなかなか良い力だと思うんだ」


私に触れるのかと思った手は途中で止まり、彼は手鞠の頭の上に飴玉を一つ乗せた。


「君に害なすモノを避ける道を示すことができるし、君の敵について探ることもできる。この辺り一帯の異常だってすぐに視ることができる―――毎日あっちへこっちへと走り回る苦労をしなくてよくなるんだ。……どうかな?」


いや、そりゃすごく便利ですが……。


「………その見返りは、なに?」

「君のパートナー…と思ってたけど、急な話すぎだしねえ。―――ああ、そうだ」

「…なに?」

「まず記念すべき一回目の報酬は、"お互いの呼び方を名前にする"というのはどうかな?」

「え、それだけでいいの?」

「さっき、だいぶ怖がらせてしまったからね…本当は、お詫びにタダでしてあげるべきなんだろうけど」

「いや、別にこれくらい―――」

「タダにしろ」

「え!?」


全然いいよ!…と答えようとしたのを遮り、羽継は不機嫌さ全開の表情でタカ君を睨んだ。


「は、羽継、いいじゃないこれくらい。名前呼びで済むんだから」

「よくないっ」

「ああ、君からしたら、忠犬の特権みたいなもんだものねえ。……ふっ、」


からかうタカ君を視線で殺せそうなほど強く睨みつけた羽継は、そのまま私を見る。

凶悪なその表情に思わず怯えた私に顔を顰め、顔を掌で覆い――少しの間の後にもう一度私を見た羽継は、さっきの怒りを少しも感じられない、むしろ冷たさを感じさせる顔をしていた。


「……もういい。彩羽の好きにしろ」

「羽継…」

「―――ただ、こいつを怖がらせた詫びはしっかりしてもらう」

「もちろん、安居院さんの望む通りに」


タカ君は相変わらず楽しそうだが、私はまったく楽しくない。空気が凍りついていて胸が苦しく感じる。


……それに、羽継の冷え切った態度が、私が間違った行動をとってしまったのだと責めてるようで、居心地が悪いというかなんというか。


「えと…じゃ、じゃあ、お詫びの件なんだけど、早速いいかな」

「ん?いいよ」

「じゃあ……文ちゃんのこと、見ててくれない?」


私のお願いに、男二人は目を見開いた。


「ああ、四六時中ってわけじゃなくて…―――その、私も可能な限りはそばにいたいのだけど、でも私はあちこちに出向かなければいけないときもあるでしょ?

だから私が文ちゃんのそばにいられないとき、文ちゃんが一人で行動するときだけでいいの。それで文ちゃんが危険な目にあったり絡まれていたときには私に教えて欲しい」

「……そんなのでいいの?もっと有意義なことに使えば?」

「これが一番有意義だよ。…私はもう、文ちゃんを泣かせないって決めたんだから」


笑うと、羽継は「もったいないことしたな」と言いつつも張り詰めた表情を少し和らげてくれた。そして手鞠の頭の上にある飴玉を払い落とした。


「…………」


タカ君は私を見て、何か言いたげにしていたけれど、結局何も語らず。

少しぎこちなく微笑んで、「じゃあ、記念すべき一回目の調べ物はあるかい」と尋ねた。


「本―――本を探しているの」

「本?」

「"魔導書"っていう、在るだけで怪奇現象を起こす、とびきり最悪なモノよ。この子はその魔導書の半分なの」

「へえ…ずっと思ってたけど、安居院さんってアニメかなんかの世界に生きてるよねえ」


顎に手を当てて何か考え込むように目を閉じてしばらく、タカ君はそっと目を見開いた。


「―――うーん、ちょっと曖昧すぎるかな……何か、その子以外にも手掛かりになりそうなものはない?」

「この子以外に?」

「その子はもう、安居院さんに染まってるから……見れるかもしれないけど、少し期待できないというか。できれば魔導書とやらにもっと近いものがいいかな」

「ふむ……あっ」


そういえば、と思い出した私は手鞠に「出して」と頼む。

すると眠たげだった手鞠はパチっと目を覚ますと、「出番ンン――!出番――!」と叫んでベッドを飛び跳ね、…高く飛び跳ねすぎて天井にぶつかり、べたんとベッドに戻ってきた。

びくん…びくん…と痙攣し大きく涎が垂れる口の中に目当ての物を見つけた私は、できるだけ綺麗なところを摘んでタカ君の前に置いた。

流石にタカ君の顔も引き攣っていた。


「これね、たぶん魔導書を持って悪用してる子がページ塗り潰す勢いで書いていたものの一部なの。本当はお父さんに渡さなきゃいけないんだけど、何か使えるかもと思ってちょっぴりパクってきたんだ。……手鞠が」

「ああ、パクって………か」


何とも言えない表情を浮かべた羽継は、すぐにタカ君の方を向くと、「ほら、さっさとしろよ」と紙片が入った小瓶を指す。冷え切った声なのにすごく嬉しそうな目ですね。


「……分かったよ」


渋々摘まみ上げたタカ君は、じっと小瓶を見つめてから、静かに目を閉じる。

そして彼の中から、波紋のように広がる力を感じた―――その、すぐのことだった。



「――――――――ッ」


波紋が、逆戻りする―――恐ろしい悪意と共に。

どんどん近づく凶悪な力に怖気立ち、体が硬直して何もできないでいると、羽継がぐいっと私の手を掴んで引き寄せ、そのまま抱きしめてくれた。

すると足元まで押し寄せてきたモノは、透明の壁のように立ち塞がる羽継の力に阻まれたようで、全て跳ね返す壁の頼もしさに安堵した私はホッと息を吐く。



「あ、ありが、と」

「…いや、―――どうした?」


―――お礼を言って、「吃驚したね」と笑おうとしたのに、羽継の胸から顔を離した瞬間、そんな呑気な言葉は吹っ飛んだ。


彼の大きい手、しっかりした腕は、もう慣れた。綺麗な顔だって慣れた―――はずなのに、僅か一瞬の、視線を交わしたその刹那の瞳が。

あの綺麗な翡翠が、心臓が止まるほどに真剣で切なげで……今まで見たことのない、煌きがあったのだ。


あの煌きが忘れられず、私はただただ彼を見つめ、彼も不思議そうに見つめ返す。……僅かな喜びを滲ませて。


(…なぜ?)



「――――っ、う………」


もうそのまま、世界は羽継の腕の中だけのように思えたけど、タカ君の呻き声で現実に引き戻される。

彼はひどい頭痛にやられたように額を抑え、ふるふると頭を振り、何度か唸る―――どうやら、羽継はあの悪意から彼を守ってあげなかったようだ。


「…羽継、ひどいと思う」

「間に合わなかったんだよ」


嘘だ。ずっと羽継と組んできたから分かる。……わざと何もしなかったでしょ。

―――そう思ったけど、私は特に何も言わずに羽継からじりじりと距離をとった。


「うひぃ!?」


すると羽継が急に私の腕を掴んで後退を止める。ちょ、なんですかこれは――!


「……ちょっと、ひとが苦しんでるときにじゃれあわないでくれないかい」


タカ君が唸るように言えば、羽継は私の腕を掴んだまま鼻で笑った。


「その程度の攻撃にも耐えられないようなら、こいつのそばにいる資格はないな」

「………」


火花が散りそうなほどの睨み合い――は、案外すぐに終わり、一度息を吐いたタカ君はいつもの柔らかい口調で私に告げた。


「ごめん、その魔導書とやらに邪魔をされて、よく見えなかった」

「あ、ああ、しょうがないよ」

「ただ、全体的に薄暗かったけど――この紙片に書き込んでいた時の様子なら見えたよ。

壁にうちの学校の…女子用の制服がかかっていて、机の上に置かれていた教科書からして同学年だ。あと………」


思い出すように宙を見つめていたタカ君は、少し不思議そうな声で教えてくれた。



「硝子の器に、ひとつだけ飴玉が乗せられていて―――何度かそれを撫でては、ペンを動かしてた」



―――飴玉?


私と羽継は思わず顔を見合わせると、廊下が騒がしいのに気づいた。

なんとなくカーテンから顔を出してみると、養護の先生が慌てて戻ってきて、私に気づくと「安居院さん!」と叫んで駆け寄ってきた。


「どうかしたんですか、先生?」

「さっきね、また停学処分を受けていた子が襲われたそうなのよ!」

「え――あの通り魔に遭った子が!?」

「ああ違う違う、その事件とは別の男の子!御巫さんの件で大人しく家で反省をしていたそうなんだけど、刃物を持ったひとが家に侵入してきて――意識はあるそうなんだけど、こう似たようなことが起こると……ごめんなさいね、そのことで先生たち集まらないといけないの。出て行くとき、ここの鍵掛けておいてくれるかしら?」

「わ、分かりました」


頷く私に「お願いね」と言って先生は背を向けて保健室から出て行った。

遠ざかる足音に、振り返ると羽継が難しい顔で何か考えている。タカ君は目の辺りを揉んでいて、「ああ、確かに大騒ぎだね」と透視で事件現場を見たのか呟いていた。


「流石に、今日はこれ以上視れないかな―――この紙片、預かっても?」

「いいよ。でも失くさないでね」


もちろん、と頷いた彼はベッドで手鞠の唾液を拭うと、ハンカチに包んでポケットにしまう。

「詳しく視えたら連絡するね」と微笑むタカ君はまだダメージが抜け切れていないのか、少しふらついている。


「タカ君、顔色悪いけど大丈夫…?」

「ん、ちょっと…キツいけど。家に帰って寝れば良くなるさ―――っと、」


そのまま歩き出そうとして、目眩がしたのか彼の体が傾ぐ。

私の方へと倒れそうになる体に、手を伸ばして受け止めようとすると、いつの間にか私の背後にいた羽継が私を押しのけ、タカ君の肩を掴むとベッドへ押し込んだ。


「うっ」と呻くタカ君はすぐに羽継を睨み、羽継はそれを真っ直ぐ睨み返すとそのまま鼻で笑った。

なんだか、今日の羽継は攻撃的だな……。


「残念だが、彩羽ではお前を受け止められん」

「……」


痛い思いをするよりマシだろ、と言い捨てた羽継は、私の背を押してカーテンの外に連れ出す。

そのまま部屋の真ん中辺りまで歩くと、タカ君もベッドから出てきて中途半端に開いたままのカーテンを端に寄せた。


「あ、そういえば他にも利用者いたよね…もう少しここで待っていた方がいいかな」

「そうだな…まあ、授業もそろそろ終わるし。待つか」


長椅子に座り、時計を見上げる。

その隣ではまた冷え切った空気があるので、きっと男二人で熱く見つめ合っているのだろう……ああいやだ。


―――思わず、ふう、と溜息を吐けば、「カタン」と物音がした。



「ふあぁ……よく寝たぁー」



髪が変な方に跳ね、靴もちゃんと履かずスリッパのように雑に履いてカーテンの向こうから出てきたのは、流鏑馬だった。


どうやら、この保健室の端っこを利用していたのは、彼らしい。


半袖Yシャツから覗く、相変わらずセンスの無いネタシャツには、「天網恢恢」という文字が見えた。







.






なんだかクリスマスに相応しくない話でしたが皆様、お久しぶりです!

一応、今回で今年最後の更新になります。時間があれば正月のうちにまた更新したいと考えています。なお次は不憫の子、羽継のターンです。


そして連絡ついでにもう一つ。

ブログの方で連絡していましたが、実は今まで利用していたところのブログサービスが終了してしまったため、FC2様のところで新しくサイトを作りました。

ちなみに人生初のサイトです。完成まですごく時間がかかりました……。


タイトルは「白雪に埋もれる、」。

イラストと小説サイトですが、基本的に「みてみんにあげてない」「色違い、もしくは修正版」のイラスト、「更新が止まっている」「人気がない」小説を載せていこうと思っています。

よかったら見に来てくださいね!











挿絵(By みてみん)

今年のバ…カップル絵は、クリスマスのご馳走調達に出かける二人になります。

本当は羽継、白コートにしたかったんだよな……気づいたらこんな不思議なコートを着るはめになっちゃって…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ