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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
二章 リントワース編
9/499

9.助けてみた。

 可愛いですねー。


ゴブリン

種族:小鬼(ゴブリン)

LV:3 HP:20 MP:2

力:13 魔力:3 体力:15 知力:6 速さ:13 運:7

スキル: 殴打、投石


 私は新しい場所を満喫していた、命の危険無しに安心して徘徊できるなんて本当に素敵!!

 自分より低レベルな彼らを見て微笑ましい気持ちになる。

「はっ!もしかしてコレが母性なの!?」

 前世では恵まれなかったから、味わうことが出来なかった感情だわ!!


(違います、ラヴィリス様。それは単に自分より格下の相手にマウントできることによる優越感です)

 なんてエグいツッコミなんだ。カガミンがどんどん遠慮がなくなってきた。


(とても人間臭くて素敵なことですよ、下手な清廉潔白を飾るより好感が持てます)


 うん、カガミン結構歪んでいる。何があった?


「それにしても、なかなか人間に出会えないな」

 だいぶウロウロしたと思うけど、魔物や動物しか会わない、そろそろ人とお話したいのに。


(前方にどうやら複数の人間と魔物が交戦している模様です)


 うん、漫画みたいだ!人との最初の出会いがピンチに駆けつける。まさに王道だ!


(どうします?今のラヴィリス様なら救出が可能のようですが?)

「もちろん行くよ!私は人との触れ合いに飢えているんです!」

 着いた先には魔狼の群れに襲われている女性2人がいた。よく見ると1人は大怪我をしているようだ。


「ストーンショット!ストーンショット!」


 怪我をしている女性をかばって応戦している女性が魔法を放つ、低レベルの魔法だ、だけどこれはきっと連射をして魔狼を近づけさせないための弾幕だ。

 その間、怪我をしている女性は自分で傷薬で治療している、彼女達はまだ諦めていない。


 私は勢いをつけてカガミンを振りかぶる!


「カガミーンアターック!!」

 渾身の力でカガミンをフルスイングする。魔狼は派手に吹っ飛んでいった。


「えっ?」

 1人戦っていた女性はいきなりの乱入者に戸惑っている。

 カガミン!解析お願い!簡潔に!


フォレストウルフ

種族:森林狼(フォレストウルフ)

LV:10 HP:33 MP:10

スキル:毒牙、集団戦、隠密


 毒持ち!?怪我をしている女性の傷口を見ると黒く変色していた、すぐに治療しなくては。

 フォレストウルフの群れは連携して集団戦を仕掛けて来る。しかし、私はそれを軽やかに回避する!

 避けられたことで敵意が私に集中する。私はチラッと目で合図する。今のうちに安全な所で治療をしてと思っていたが、残念なことに私の思いは通じなかった。


「森の妖精さん!今助けます!ストーンショット!」

 いや、私が助けに来たっての!

 そりゃあ、弱っている方を狙うよね、標的が向こうに行ってしまった。


・・・ここなら使えるかな?


「神樹魔法!!!森の木々よ、お願い守って!」

 神樹魔法を発動させると、周囲の木々が彼女達を囲い防御柵を作り出す。

 聖域の深林では木々がやたらとプライドが高くて全く言うことを聞いてくれなかった、けどこの森の木々は私の言うことを聞いてくれる。なんて良い木達なの!


 フォレストウルフ達はいきなり防御柵ができて驚いている、今がチャンス!

「アースランス!」

 後ろからアースランスを放つとフォレストウルフの三連串刺しが完成した。

 たじろぐフォレストウルフ、ここで私は手を休めてはいけない。

「ストーンマグナム!」

 この距離なら私が有利!隙の少ない魔法で追い討ちをかけると見事に頭を撃ち抜く。フォレストウルフはそれを見て相手が悪いと察したのか、倒された仲間を置いて逃げて行った。


 なんとか撃退できたようだ。


 木々の柵を解除すると、女性が嬉しそうに駆け寄ってくる。

「ありがとうございます妖精さん!!」

 頬を赤らめながら深く頭を下げて感謝する女性、美しい金髪ストレートの美人さん、ヤバい外人じゃん!!


「ハ、ハロー?」

 これであっているのかな?

「?・・妖精流の挨拶?ハローゥ?」

 うぅ・・・何もかも間違っていたようだ。


「あっ、あの私の名前はアイネ・リントワースと申します。この地の領主、リントワース伯爵家の娘です。この度は助けていただき感謝いたします」

 伯爵ってことは貴族?本当に西洋ファンタジーの世界なのね!感動モノだわ。

 はっ!向こうが名乗っているのだからこちらも名乗らないと!


「私はラヴィリスと申します、地の女神セルリス様の眷属です」

 これで合っているか分からないけど、一応自己紹介をしてみる。

「まあ!!地の女神様の!?やはり高位の妖精様でしたのね!!」

 妖精さんから妖精様に一気に格上げされたようだ、さすがセルリスお母様!褒められて気分が良くなって来たけど何かを忘れているような気がする。


(あの怪我している女性のことではないですか?)



 あっ、忘れてた。

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