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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
一章 バンゲア脱出編
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6.負けるもんか!

 トンネルを抜けたら外の世界が広がっていた…


 そうだったらどんなによかっただろうか。


「このポンコツが!どうしてくれようか?」


 ハイ、私たちは現在、洞窟のなかに閉じ込められてしまいました。


 洞窟の中は少し進んだところで行き止まりでした。奥に逃げ込んだところで、入り口の方で凄まじい爆発音がしたと思ったら入り口が崩れていた。

 どうやら私のことを愛しすぎて追いかけてきたティラノ様はあまりに愛が重すぎてノーブレーキのまま突っ込んできたようです。あの巨体での重たすぎる愛はさすがの私でも受け止められない。


 そして今はポンコツナビをしてくれた相棒の言い訳タイムです。

(現在、ワタクシの能力は1/10程、原因はマスターであるラヴィリス様が非力だからであります。本来の力なら道を誤らず完璧なナビを遂行したハズ!よってワタクシの責任は3割ほどといえます)

 ほう、私が残り7割悪いってわけか・・・

「たとえ私が怪力でも姿鏡を持ち歩くバカだと思うか?」


(・・・ラヴィリス様ならやってくれるかと・・・)


「ふざけんなー!返品じゃ!返品!返品!クーリングオフだ!もっと性能のいい別の鏡にして下さいセルリス様!!」


(失礼な!スーパーインテリジェンスアイテムのワタクシを返品とは!)


「自分でスーパーなんて言ってる時点でポンコツなんだからな!ティラノと一緒なんだからな!」


(なっ!?いくらラヴィリス様でも訂正を要求シマス!あのような脳味噌カスカスアホトカゲと一緒にしないで下さい!!)


 しばらくこの不毛な言い合いは続く。


「スキル「地精吸収」って便利ね、地面があればどこでもHPとMPが回復できるなんて」

 言いたいことを言い合って仲直りした私達、これからどうするべきなのかを話し合っていた。

 うん?返品しないのか?しないよ、私の唯一の話相手なんだから!ここでのボッチは自殺行為なのよ!


(回復した後、崩れた入り口から脱出してもおそらく彼らは待ち構えているでしょう)


 うん、彼らの粘着気質は嫌な程思い知った。だとしたら次の選択肢、それは魔法でこの洞窟を掘り進めて脱出しようと思います!


 うぉー!サクサク掘れる!手乗り妖精ラヴィリス15cm小さい穴なら手でどんどん掘り進めれる。

(さすがですラヴィリス様!モグラのようです!)

「うふふ、ダメよカガミン、モグラは農家にとって害獣よ!あんなのと一緒にしないで。あれは敵よ!」

 大地魔法「アースランス」なんと土で槍が作れるの!でも槍じゃなくて先っぽをスコップのように変形させることが出来た。これが中々デキが良い!とても便利!前世でも欲しかったよ。

 カガミンが言うには、その前世の知識があるからこういった応用ができるらしい、本当にありがとうございますセルリス様!!


(ラヴィリス様、どうやらこの先に広い大きな空間があるようです)

 一日中掘り進めてようやくですか、しばらく掘り進めると本当に広い空間にたどり着いた。


「なにかの遺跡かな?」

(ここはバンゲア最終戦争跡地という場所へ向かう道のようです)


 また、新しい用語が出てきたよ。この世界の歴史なんて全く知らないからね。

(バンゲア最終戦争とは、魔神と精霊女王により選ばれた4人の勇者との戦いの事です、終焉地は先程ワタクシ達がいた聖域の深林と言われています)

 なんですと!?私達がいた場所ってやはりラストダンジョンだったんだ、あそこでのLV上げは無理ゲーじゃん!よかった、早いところ見切りつけて。


(どうやらこの先に転移ゲートがあります。それを使えば外に出ることができるハズです)

「よし!長い道のりだったけどようやく光明が見えてきた!」

(ただ注意して下さい、ゲートキーパー稼働の可能性があるようです)


・・・なんですかそれは?


(トラップの一種です、ゲートキーパーを倒さないとゲートが開かないのです)


 引き返して別の道を探すか、戦ってゲートを使って脱出するか……あっ、穴を掘って脱出ってのはアリ?

(成功確率は低いと思われます、ゲート入出による管理でバンゲア最終戦争跡地全体を結界が覆っている可能性が高いようです。先程はゲート管理内の地面を掘り進んだと思われます)

「うーん、やっぱり二択か、もし戦った場合は?」

(戦闘になった場合、結界が展開され撤退が不可能になり、倒すか倒されるまで出ることはできなくなります)


やばいな、それは修羅の道だ。

「他に手段はありそう?」


(恐らくありません。他のゲートに行っても別のゲートキーパーは必ずいるはずです)


・・・結局戦って勝たないといけないのか。

 うぅ、出来るだけ弱いヤツが出てきて欲しい!


「よし、そこの1番近いゲートに行こう!」

 深呼吸し、意を決して先に進む。扉の隙間から中に入る、そこには転移装置と思われる広い部屋があった。

「・・・いない?」

(装置を動かすと出現する可能性が高いようデス)

 マジックエレメントに魔力を流すように指示されやってみる、無事動きだし安堵する。


(警告!上壁面より敵対反応!!)


 空間が遮断され閉じ込められる感覚がわかる、やはりゲートキーパーは動き出した。

 もう後戻りはできない!私は覚悟を決めた!


 絶対に負けるもんか!



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