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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
一章 バンゲア脱出編
5/499

5.やってらんねぇ!

 私はがんばってんだよー、だけど周りがそれを許してくれないの。


 あれから私は聖域周辺でコツコツとやってたんだよ、少しはLV上がったんだから!



ラヴィリス

LV:10 HP:56 MP:1998

力:6 魔力:1510 体力:10 知力:125 速さ:105 運:146



 けっこうがんばったでしょ!だけどねぇ・・・


 この森は異常です!ゲーム好きの私ならわかる!

 ここはきっとラストダンジョン一歩手前ぐらい、ラスボス専用の対策アイテムを手に入れるために立ち寄るような場所だ!だからLVの低い私はどんなにがんばっても敵は倒せない!逃げてばかりではLVは上がらない。上がるのは逃げ足だけで、逃げ専用スキルの「脱兎」なんてのまで覚えちゃったよ。


「もう、やってらんねぇー!!」


 ついに発狂して叫んでしまった。


「カガミン!私は決めた!もうここから出て行く!」

(ハイ、その意見には賛同します)


 側から見るとヤバい光景だろう、鏡に向かって独り叫んでるこの姿!絶対に他人には見せられないよ。

 そう!私は人と喋りたいんだ!人間じゃないけど、元人間だから人と触れ合いたいんだ!


(このままココにいると、不慮の事故が起こりかねません、よってこの聖域の深林から出るべきかと)


 あっ、ここは聖域の深林っていう名前なんだ、今更知った新事実だった。


(ただ、この場所は聖域の深林の最奥部なので非常に困難な旅となるでしょう)

 うぅ、一気にテンションだだ下がりだよ。

「どっちに行けば出口に近いの?」

(ハイ、南西に向かって進むのが一番のヨウです)

「南西?どっち?」

(ラヴィリス様から見て右手側です)

「よし!右手側ね!さっさと行こう!」


 私には隠蔽能力がある!元々薄い存在感、それがさらに薄くなっているはず!!ドラゴンだろうが、恐竜だろうが私を認識することはない!・・・はず


(警告!!ヤツです!!)


 ヤツだと!!

 私の最強のライバルにして天敵!!この深林で唯一私を認識しているヤツ!

 そいつはスーパーティラノことティラノサウルスだ!!


 一度認識されたらなぜか執拗に狙ってくる。こうなったら最後!私は全力をもって逃げるしかない。

 私はMPはこのために温存してきたんだ!スピードはこっちの方が上はず!


 やってやる!


 決死の逃亡劇が始まった。


 高速で蛇行する!このために飛行技術を磨いてきた!

(前方にレッドデスリザード!距離は300!)

 よし、ヤツにぶつけてやる!

 かすめるように挑発しながらワザと飛んで行く。無事ヤツと鉢合わせに成功した!


(警告!追手が増えたようです!!)


 な、なぜだ・・・


(小さいのに挑発されたのが逆鱗に触れたようですね)

 なんて無駄に高いプライドなんだ!ふざけんな!

 私を巡ってなぜかいっぱい凶悪な怪物達が我先にと追いかけてきた。

 なんてことだ、人生初のモテ期が今きたようだ!


「カガミン!MPはあとどれぐらいある?」

(ハイ、643/1998です!)


 半分以上は消耗したか、本当に諦めてくれない。もうっ!しつこい男は大嫌いだ!!

 だけど、このままではジリ貧だ、なにかいい打開策はないかな。


(左側に出口と思われる洞窟があります!)


 ほぼ一日中、ずっと全速で飛んだだけにそろそろ限界が来ていた、だけどようやく終わりが見えてきた!


私は勝負に勝った!


「ざまあみろ!わたしの勝ちだあぁ!バーカ!!」

 悪態を叫びながら目の前の洞窟に飛び込んだ!


 私は生きのびた!勝負に勝ったんだ!


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