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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
三章 王都魔法学園編
38/499

38.褒められると嬉しくなります。

(今回の件についててますが、ワタクシの推察を含めて解説します)


 ハイ、お願いします。


(まず学園地下のゲートキーパーと今までのゲートキーパーは実質的に製造年が大きく違います。学園地下のゲートキーパーは非常に古く、情報にブロックがかかっていない事から製作者のマナフロアはすでにこの世界に存在しない者と考えられます)


 つまり、今の時代には別の精霊女王がいるという事でいいの?


(その可能性も十分に考えられます。ゲートキーパーらが精霊女王の所有物と仮定し、静寂の森のゲートチェイサーもバンゲアのゲートキーパーも解析にブロックがかかっており、所属が判明しなかった理由に説明がつきます)


 先先代の女王でいいのかな?マナフロアと人間界における創世の母神マナフロアとは同一人物なのかな?

(可能性は0とは言えません。まず神話における母神マナフロアは4人の女神の母親であり、この世界の理を生み出したと言われてます。それならばワタクシの検索に禁忌事項が生じる理由に納得がいきます)


 なんてこった、マナフロア様は私のグランマかもしれないのか。


(謎は多く不明な点はあります、ここにゲートが無いのに、なぜあのゲートキーパーがここにいたか。静寂の森のゲートチェイサーの謎の狩猟行動などです)


 確かに、奴らは明らかな攻撃行動をしている。ゲートの中に放り込んでいつたい何をするつもりなんだろう。


・・・一度セルリス様と会って聞かないといけないな。


 中庭の神樹に寝そべりマーナと戯れながらカガミンと考察していた。

「ラヴィリス様、そろそろ昼休憩が終わりますよ」

 アイネちゃんに呼ばれたので、マーナと別れてポーチの中にインする。

 ちゃんと私も真面目に授業を受けてるよ。


(・・・・・)

 カガミン?信じてよ!!


「おい、リントワース。学園長からの呼び出しだ、授業後に行ってくれ」

 担任教師から伝言を伝えられる。

「あっ、アイネ様?呼び出しって」

「大丈夫か?何なら僕達も一緒についていくよ」

 あぁ、皆から心配されてるよ。あの年増め、いったい何を考えている。

「大丈夫ですから、ご心配なく」

 アイネちゃんは当たり障りなく教室を出て行く。


「おい!お婆様にまで何をした!」

 突然声をかけられ振り返ると不器用ゼル君が久しぶりに絡んできた。

「いえ、私は何も」

 やはりアイネちゃんは嘘が苦手ね顔に出てるわ、色々あって弱味握ってしまったからね。

「俺もいく」

 そう言うとゼル君は足早に歩いて行った。

 ポカンとするアイネちゃん、我に戻ると追いかけるように学園長室に向かった。



「アイネさん!よく来てくれたわ!」

 大歓迎されるアイネちゃん、困惑しているゼル君、そして私は何で呼ばれたか分かってしまった。


「この前の膏薬?あれすっごい効くのよ!」

 ふん、そんな事だと思ったわ!

「さっすが薬聖ね!朝起きたら膝の痛いのとか全くしないの!すっごい薬よ!貴女、本当に凄いわ!!」

 嬉しそうに抱きついて感謝を伝えている。


「はっ、ハイ!ありがとうございます!!」

 あれっ?アイネちゃん?頬が薄紅色よ?恋してるの?

「その、私の薬で良くなって、褒めて貰えるのがこんなに嬉しいなんて思いもしませんでした。また持ってきます」

 あはは、アイネちゃんはチョロインでした。

「でっ、ゼルはここにどうしているのかしら?」

 キロリと優しく睨め付ける。

「いっ、いえ私は」

 ふぅっ、と深く息を吐く。

「ゼルの向上心も、焦りも理解しているつもりです、プレッシャーがあるのも分かります。だけど自分本位な考えを押し付ければ誰でも反発を覚えますよ。それが例え好意でも興味でもです」


 唐突に説教が始まってしまったゼル君、可哀想に。

「自分の道を邁進するのも大切ですが、時には周囲を見渡して景色を楽しみなさい。見えなかったことにそれで気づくこともあります。それもまた大切なことなんですよ」


「・・・はい」

 ゼル君はしょんぼりし、一礼して部屋を出て行った。


 なんか学園長が立派に見える。

「かっ、感銘をうけました!学園長!!すごいです!!」

 チョロインここに極まれし!!


 私の可愛いアイネちゃんがどんどんチョロくなっていく!そこにいる腹黒おばちゃんは貴女の薬が目当てなのよ!!



「・・・何かしらその猜疑心の塊のような視線は?」

 学園長が私にだけは威厳の欠片を見せない。なぜだ?

「実はもう一つ、ラヴィリス様を見込んでお願いしたい事があるのです」

 おや、真面目な顔で話出した、

「私の夫のことですが」

 ふむふむ、例の溺愛旦那のことか、

「・・・真面目な話をしているので変顔はやめて下さいな」

 変顔とは失礼な!ニマニマしているだけでしょ!


「実は原因不明の病に伏せてまして」

 あれ?どこかで聞いたフレーズですね。

「アイネさんのお母様の件を聞いて調べさせていただきましたが、中々防御が堅くて内情を知ることが出来ずにいました、だけど先日の一件でようやく理解いたしました」

 アイネちゃんが真剣に聞いてる?うん、これは自分のことのようにシンパシーを感じてる目だ!

「どうかラヴィリス様のお力をお借りしたいと思います。お願いいたします!」

 頭を深く下げる学園長、アイネちゃんも期待をする目で私を見ている。


「・・・はぁ、もうすぐリントワース卿が王都にやってくるそうです、彼等の件もありますので一度話してから返答します。一応敵対関係なんでしょ?」

「もぉぉ、本当そういうの面倒臭い!嫌になるわ!」

 おおよそ貴族らしくないことを口にする学園長。

「私も本当にそう思います!」

 アイネちゃんもそれに同意してるよ、ここにいる人達ぶっちゃけすぎじゃない?


 もうすぐホランドさんが王都にやって来るらしい。もし、ルーネイアさんと同じ症状だったらやだなぁ、私はもう戦闘なんてしたくないのに!



(きっと、それをフラグと言うんですよ)



 どこでそんな言葉覚えた!?




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