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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
二章 リントワース編
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28.私は断固否定する!

 私が目覚めたのは翌日の昼頃だった。


 なんでだろう、私は沢山のぬいぐるみに囲まれている。

 あれ?私の側で寝ているマキシムがとても可愛らしい服を着ている?


 くぅん?


 首を傾げる。ああ、コイツは何も分かってない。君は立派なオスだ、男よ?全て台無しだよ!


 ベッドから出て窓の外を見る、皆が私の作った生垣ドームを皆で一生懸命片付けている。


・・・私は悪くないよね。


「おはようございますラヴィリス様」

 リマさんが入ってきた。

「こちらをどうぞ、お召し物を作ってみました」

・・・・え?


 手作りのドレスを渡される。とうとうこの人、私の服を作りはじめちゃったよ!

「こちらがカーリンさん、こちらがマリアさん、こちらがタナ、そしてこちらがメイド長のクレア様です」

 ここのメイドは何やってんだ!って言うかメイド長まで!?


「あ、ありがとうございます・・・」

 私は大人の対応をした。


 廊下からドタドタと走ってくる足音がする。

「ラーヴィーリースーさーまー!!」

 アイネちゃん!はしたないぞ!!およそ貴族令嬢らしくないことをしているよ!

「見て下さい!お父様がっ、お父様が買ってくれたんです!!」

 おぉ、薬鉢です!ホランドさん仕事が早い!

「早く、早く使ってみましょう!!」

 本当にせっかちさんですね、これは矯正した方がいいのもしれない。

「落ち着いて下さい、私は今起きたのですから現状を把握したいのですが。それにルーネイアさんはどうなりました?」

「ラヴィリス様、私がどうされました?」

 おっと、ルーネイアさんまでやってきた。顔色も良いし、憑物が落ちたようなスッキリした顔をしている。


「経過は良さそうですね」

「はい、ラヴィリス様のおかげでとてもスッキリしてます!」

・・・なぜか私はルーネイアさんの膝の上に座らせられている、この家の人間は頭がおかしいのか?

「おぉ!ラヴィリス殿、お目覚めになられましたか」

 ホランドさんまでやって来た!どうなってるの?



「リントワース家を救っていただき本当に感謝いたします!」


 リントワース家全員が私の前で頭を下げる。貴族が、領主がそんな簡単に頭を下げていいのか?

「気にしないでください。好きでやったことだし、良い結果になってよかったです」


「せめて何か礼をしたいのだが?」

 お礼か、食べ物は沢山食べられないし、お金もいらないからな、

「もう、アイネちゃんから貰ったからいいですよ。私のことを家族と言ってくれましたし」

 うん、名言っぽい!アイネちゃんが感動で震えているよ。いや、恥ずかしくてか?

「しかし、それではこちらの気がすまない」

 どうしようカガミン、


(そうですね、今後のことを思うと錬金釜ですかね。貴重なものですが手に入ればとても役に立つはずです)


 じゃあ、それをおねだりしようかな。

「おぉ、それではすぐに手配しよう!!」

 嬉しそうなホランドさん、そんなにあげたいのか!?


「ラヴィリス様はこれからどうされるのですか?」

 ふと、アイネちゃんが聞いてくる。

「しばらくはここに居ようと思ってますよ」

「い、いえ、やはり静寂の森に帰るのかと思って」

 んっ?なんで?

「私は別に静寂の森に帰りませんよ!」

 キッパリと否定しとかないと!私は女王じゃないよ!

「えっ!そうなのですか!?てっきり故郷である森を守り続けるのかと思っていました」

「私が生まれたのはあそこではありませんよ、たしかバンゲアとかいう場所から来たんです」


「・・・・・」


「・・・・・え?」


 えっ?どうしました?皆さん固まってますよ?


「も、もしかして・・バンゲアとは終焉の地バンゲアの事ですか?」

 はて?どうだったかしら?

「う〜んと、そうなのかな?」


「・・・・ほっ、本当に実在したという事ですか!」

 おや、ホランドさんが突然興奮しだした。

(どうやら人間界ではバンゲアは幻すぎて実在したかどうかわからない伝説だったようですね)


もぉ、先にそれ言ってよ!


「ということは!?ラヴィリス様は高位の妖精か聖霊かと思っていましたが、まさか精霊女王なのでは、」

「違います!」

 神速で否定した!


「で、ですが、」

「違います!断固違います!」

 私は断固否定した!


 私は妖精に転生した元人間です!!

 


「いやはや、海を渡ったオルベア神聖同盟では聖女が現れて、異世界から勇者が現れるという噂が流れてまして、」

 なんですかソレ?どういうことだ?

「勇者が現れるということは、それを呼んだ伝説の精霊女王も降誕してもおかしくないかと思ってしまいまして・・・」

「うふふふ、せっかちさんですね」

 なんか笑い事じゃない気がする。



 ーオルベア神聖同盟ー


「どうだ?例の姿を見せない怪物の件は?」


「・・・精霊女王イデア・マザーをもってしても解析できません。情報が少なすぎます」


「正体不明の新種の魔獣として【バニッシュ】と仮に名付けられました」


「そうか、【バニッシュ】だな。魔王1柱の可能性も考慮しておけ、万が一などあってはならん!」


「はい!世界のためにも必ず実現させましょう!」


「世界の秩序のために!」


「おのれ、見えない怪物【バニッシュ】め!我々の邪魔はさせんぞ!」


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