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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
二章 リントワース編
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26.悪鬼戦 その2

 所属:ラヴィリスの子供(制御不能)


 私はいつの間に母親になったんじゃぁー!!



(落ち着いて下さい、錬成主がラヴィリス様だからそのように表記されているだけです)


 それにしてもだよ、母親の私よりずっとLV上だし、体もでかいし、筋肉隆々だし、敵意剥き出しだよ!?


 悪鬼は一通り見渡すと自分の置かれた境遇を理解したようで既に臨戦態勢をとる。

 先制攻撃は私!予め用意しておいたアースランス10本を放って悪鬼に放つ!


 バキッ!ガキッ!ゴキッ!


 おまえはどこの修羅だぁ!放たれた10本のアースランスは悪鬼の拳術で全て叩き落とされた。

『ガウウアアァァ!』

 放たれたように私に向かってくる!だけど甘いよ、私のような小さな的に当てるは大振りすぎだ。

 まとわりつきながら回避しながら攻撃する、私が生きるために編み出した十八番だ。

『フグルアぁぁアぁ!!』

 短気な奴だ、攻撃が当たらないからキレた!これは魔法攻撃の予感がする!回避!!


 ブワアッッ!!


 闇の衣が悪鬼の周囲を渦巻く!しまった範囲が想像以上に広い!


「ラヴィリス様!」

 外から作り置きのアースランスをフレディさんが投げつける。やはり体格とパワーがあれば相当な威力が出るようだ、私が魔力で放つより威力が断然強い!とても羨ましい。

 私が脱出するスキを作ってくれたので、何とか回避することができた。

「ありがとうございますフレディさん。助かりました」

「ハハハハ、ラヴィリス様といると退屈はしませんな!」


 怒り心頭の悪鬼はにじり寄る。


「総員戦闘準備、先程の闇魔法には気を付けろ!」

「「「おうっ!!」」」

 やだ、カッコいい!!

 領兵さん達が陣形をとる。

「爪撃も持ってます!あと呪毒も持ってますので気をつけて下さい!傷をつけられたらアイネちゃんか私のところに来て下さい!」

「了解!全員聞いたな!?行け!!」


 1対多数の戦いはやはり取り囲むのが基本だ!隊列をスライドしながら左右に展開する。洗練された隊列に悪鬼も後退するしかない、迂闊に飛び込めば取り囲まれて全方位から攻撃されるからだ。卑怯?これは戦略と言って下さい。

「アイネちゃん!清め水の準備は?」

「ばっちりです!課題のヒールウォーターはこのためだったんですね!」

 嬉しそうなアイネちゃん。呪い対策に作ったヒールウォーターを教会で洗練をしてもらい、清め水にして大量に作っておいた。呪詛から生まれた悪鬼だから呪術を使うと予想したのだ。

 早速1人後退してきた、アイネちゃんが清め水をぶっかける!するとヒールウォーターの成分もあり、傷口も塞がり呪毒と思われる黒い物体も溶け落ちる。

「治癒魔法より薬のほうが回復速度が速いんですね!勉強になります!」


 こんな時でも真面目だなぁ。


 戦場に目を向けると、囲い作戦は成功しているが思ったよりダメージは与えられていない。やはり自己修復のスキルが厄介だ、MPが尽きるまで回復し続ける。

 私は清め水を小瓶にいれ、再び前線に飛ぶ!今回はマキシムも一緒だ!

「フレディさん!スイッチです!」

 剣を振るうフレディ隊長と前衛を交代する。


 私とマキシムはスピードを上げて悪鬼に近づく!


『ウガァァァ!!』


 私を見つけると一目散に襲いかかる!清め水の入った小瓶を投げつける、割れて中身を浴びるが瞬時に蒸発してしまった。

「なる程、こうなるか」

 一瞬動きが止まったので私は魔法を放つ!その隙にマキシムが毒の牙で噛みつく。

 毒で硬直したのは一瞬で再び動き出す、どうやら毒は効かないようだ。


「交代しますぞ!」


 私の後ろからダンディな声、執事のラルズさんが細身の剣を振るう、神速の剣が悪鬼の腕を斬り落とした!何者だこの人?


 しかし、切られた悪鬼の腕はすぐに再生する。

「ふむ、厄介ですな」

 一歩後退するラルズさん、

「高速自己修復です、魔力が枯渇するまで攻撃し続けるしかありません!」

「なんだよ、また魔力切れ待ちのパターンかよ!」

 うんざりしたようにフレディさんが呟く。

 しかし、持久戦はこちらが不利だ!悪鬼は常に瘴気を撒き散らしている、息があがってある兵士もいる。


 あまりやりたくないが、ごめんなさい!

「花魔法、穢れし花!!」

 花壇の花が枯れていく、花に瘴気を吸わせて空気を浄化していく。それでもこれは一時的な処置だ。

 再び活気づくが、このままでは消耗戦になってしまう。

 浄化魔法を使うのに必要な花々は上限がある、このままではあっという間に無くなってしまう。


 いや、弱気になっちゃダメだ!消耗戦なのは向こうも同じだ!

「アイネちゃん、呪い以外の怪我は治癒魔法に切り替えて!」

 アイネちゃんのもとに戻り清め水の節約を指示する。

「わかりました、でもトドメ用の分はとってありますので!」

 アイネちゃんいい子!悪鬼の魔力を枯渇させ、清め水で一気にトドメを刺すという作戦を分かっていたか。

 聡明な弟子で私は嬉しいよ。


 時間的には正午くらいだろうか。朝から戦っているから4時間くらい戦い続けているのか、


レギオン

LV:58 HP:960/960 MP:412/745


 MPはまだ半分減ってないか、対してこちらは行動不能者が出始めたな。私も治療にまわり、周囲を観察する。

 周りの動きが悪くなったので私は2回目の花魔法「穢れし花」を使った、思ったより瘴気が強いのか先程より枯れる花が多い、あと1回ぐらいしか使えない。



 私は焦り始めていた。

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