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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
二章 リントワース編
25/499

25.悪鬼戦 その1

 カガミン、悪鬼の想定レベルはどれくらい?


(ゲートキーパーよりは下でしょう)


 ということはLV65以下だな、正確な情報が欲しいところだけど仕方ない。

 こっちは万全の準備をして待ち受ける事ができるだけ有利だ。


 まずは戦う場所だ。建物の中は狭いので私には不利なので却下、できれば屋外で木々と草花のある場所が理想的だ。

 街の外なら広いし自然も多いし、もし被害があっても最小限ですむ。けどルーネイアさんをそこに連れ出さないといけないし逃げられる可能性が高い。

 次は屋敷の中庭。充分な広さがあり、大きな花園があるのはメリットだ、庭師のニール爺さんには悪いけど。

 ここならルーネイアさんを建物の中に匿えるし、庭木を使って悪鬼をここだけに閉じ込められる。

 最悪勝てない場合は悪鬼を街の外に追い出す。それでもルーネイアさんの病気は治るし、こちらは証拠品のタリスマンを失うだけで済む。

 ここで戦うのがベストチョイスになるな、でもこれは私だけで判断しない方が良さそうだ。


「是非ここを使ってくれ!」

 ホランドさん即答ですか?

「屋敷の防御を上げないといけませんね、窓は全て塞いでおきましょう!」

 フレディさんも乗り気です。

「私も久しぶりの実戦ですな、腕がなりますな」

 執事のラルズさんが腕を鳴らしている。実は強者だったの?


 今回も私は領兵さん達に協力をお願いするつもりだ、私1人でなんとかできると自惚れないし、私の雑魚紙装甲では一撃で死ぬ可能性が高いからだ。言い方が悪いが皆には私の盾になってもらうつもりだ。

 今回は絶対に負けられない!大勢でボコってやる!


「ラヴィリス様」

 アイネちゃんが私のところにやってきた。ルーネイアさんが打ち明けたのだろう、顔が緊張している。

「ラヴィリス様!私も戦います!」

「はい、お願いします!」

・・・あれ?何か変な顔をしている。


「・・・えっ?いいんですか?そっ、その、未熟者はダメだと言われるかと思ってました」

 意外だったのか?何をいう私を守るには盾がいくらあっても足りないくらいだ!

「何を言いますアイネちゃん。私も未熟者だから皆さんの助けが必要なんですよ」

 それっぽいことを言ってみた。どうやら効きすぎたようで感動してすぎてプルプルしてる。


 そこへ、リマさんとマキシムがやってきた。エサをくれるリマさんにかなり懐いたようだ。

 揃ったところで私達は館の周囲に沿って歩く、リントワース邸の塀は生垣なので神樹魔法で屋敷を囲み、外に出られないようにしてやろうと思っている。

「この戦いに勝てば弟達もここに帰ってこれるのですね」

 しみじみと語るアイネちゃん、

「そうですね、私は会ったことがないので紹介してくださいね」

 相槌をうつと嬉しそうに笑顔になる、絶対に負けられないな。


 そして、作戦決行日を3日後に決めて各々が準備を整える。私もアイネちゃんとマキシムに地属性魔法を鍛えてあげて、ストーンマグナムまで使えるようにした。


 それぞれがやれる事をやって準備している。


 その間に私はもう一つやる事をやることがある。それは症状がでていた人の呪詛を排除することである。

 まずはアッシュベアの魔石を、呪詛の受け皿であるタリスマンへと錬成しなくては。


(錬金釜がないので仮に大地から作りましょう)


 カガミンの指示のもと、地魔法を使って簡易の錬金釜を作る。そして錬金作業が思ったより魔力を必要として大変だった。

 魔力で高圧を加えて魔石を圧縮していく、1時間程魔力で圧縮してようやく完成した。

 完成したタリスマンは1/10程の大きさに圧縮されており、透明な澄んだ宝石で魔除けの御守りの名前にピッタリだ。

 出来上がったタリスマンを運び根源であるルーネイアさんを除く人を集め、1人ずつタリスマンに触ってもらう。


 透明のタリスマンに濁りが増えていき、紫色へと変色していく。


 呪詛が抜けた人はすごい疲労感を受けているようで皆グッタリしている、ようやく滋養薬で体力を回復してもらった理由を分かってもらえたようだ。

「ルーネイアさんはもっと酷いはずなので、呪詛を取り出したらすぐに屋敷の中に避難させて下さい。そして予備の滋養薬を渡しますので飲ませて下さい」

 呪詛抜きでグッタリしてソファーで休んでいるホランドさんに滋養薬を渡す。

「今、私が飲んではダメかね?」

 このおっさんあの味にハマったようだ。

「レシピをアイネちゃんに渡しますから作ってもらって下さい。あとこれが終わったらアイネちゃんに薬鉢を買って上げて下さい、幅が一気に広がりますよ」

「そうか・・・それは楽しみだな、薬鉢は必ず渡そう」


 作戦決行日、ホランドさんはその日は外出しないように街の住民に指示を出した。

 私は神樹魔法で敷地全体を囲うように生垣の枝を伸ばしてドーム状にする。

 庭師のニール爺さん仕事を増やしてごめんなさい。


 緊張した面持ちでルーネイアさんがやって来た。

 そして覚悟を決めてタリスマンに触れる。タリスマンに濁りが流れ込み妖しく光っている。


 皆が息を呑んで見守る。ルーネイアさんはその場で意識を失う。すぐにホランドさんが支えて屋敷に避難させる。


(警戒して下さい!顕現します!)


『ぎゃうああぁぁ!!!』


 けたたましい怒声と共にタリスマンが肉付いていく。



レギオン

種族:人工悪鬼(レギオン)

所属:ラヴィリスの子供(制御不能)

LV:58 HP:960 MP:745

力:74 魔力:85 体力:100 知力:26 速さ:47 運:60

スキル:

闇魔法、呪毒、爪撃、拳術、高速自己修復、瘴気、



 おいいぃ!ツッコミどころ満載だよ!!

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