22.見えない怪物
ー???ー
精霊女王イデア・マザーより入電。
ーーーR0026チェイサーに対して魔物達の抵抗があったもようです。
ーーー駆逐しておけ、魔物の死骸でも問題ない。
ーーー了解、イデア・マザーへ入電、魔物どもを殲滅せよ!!
ーー静寂の森、謎の遺跡ーー
私は森の仲間達と共に絶賛バトル中だ。
LV的にはゲートチェイサーの上のアッシュベアが剛腕を振るう!
しかし、その腕が宙を舞う!ゲートチェイサーの刃化により斬られてしまったのだ、私はすかさずアッシュベアに治癒魔法をかける!
「うふふ、昨日の敵は今日の友ですよ!」
しかし、手強い!バンゲアで戦ったゲートキーパーと違って動きが洗練されている。守る側と攻める側の違いなのか、全く遠慮がない!
次第に私の治癒魔法では追いつかなくなってきた!動けなくなった魔物は容赦なくゲートに放り投げられる。
ふと私は考えた、あのゲートって壊したらどうなるんだろう?
(破壊は可能です。ゲートチェイサーの目的が魔物の送還のようなので、それを阻止することができそうです)
そうと決まればやってみよう!私はコソコソ離れ、高威力のアースランス装甲弾を発射する。
「ドガっ!!」
遺跡に直撃すると装置があらわになる。再び放つと今度はゲートチェイサーがわざわざ防御する!
私はニヤッとした。
(素敵ですラヴィリス様!とても悪い顔です!!)
「ふははは!おまえも攻められる立場を思い知れ!!」
私はここぞとばかりに攻めて攻めて攻めまくる!
ここぞとばかりに嫌らしく神樹魔法を使って防御するゲートチェイサーの邪魔する。
「アースランス装甲弾乱射!!」
「ストーンガトリング!!(ストーンマグナム連射)」
「熊ちゃん!風で巻き上げて!」
アッシュベアに風魔法で土を巻き上げてもらう。
「アースソードスコール!!」
(うふふ、楽しいですね!ラヴィリス様!!)
えぇ、今まで耐え凌ぐ戦いばかりだった!だが今は違う、有り余るMPはこのためにあるんだ!
私は神樹魔法で巨大な土塊を上空に投げる。
「とどめー!!」
巨大な土塊に魔力を流し込む!
「タイタンフォール!!」
土塊は硬く固められた巨大な円柱になり転送装置に直撃し、周囲一帯を巻き込むほどの大爆発を起こした。
よく見ると装置の大爆発に巻き込まれたゲートチェイサーも転がっている。どうやら同時に倒すことに成功したようだ。
ふぅ〜、もう動かないよね?
(心配なら、コアである魔石を今のうちに取っておきましょう)
恐る恐るゲートチェイサーに近づいて、コアと思われる目ん玉をえぐる。ぼろっと外れ魔石があらわになる、アッシュベアの魔石より小さいが何か違う。
(これは、スキルが添付されてますね)
添付?スキルが?よくわからない。
(魔石の中にスキルが入ってるということです、どうでしょう新たにスキルを手に入れませんか?)
ほうほう、この魔石を使えば新たにスキルが手に入るとな、早速やってみよう!
私は魔石に魔力を流し込む、すると魔石の魔力が代わりに流れ込んでくる。
(・・・解析「影魔法」を手に入れました)
うぉー!影魔法をゲットしたぜ!!私は小躍りして歓喜する、森の仲間達も何故か喜んでいる。
戦いの後、私はゲートチェイサーによって倒れ魔物達を埋めてあげる。そして、大爆発によって荒れてしまった大地に花魔法を使って一面を花畑にした。
前世からの慣習なのか、死者を弔ってあげたいと思ってしまう。森の仲間達も静かに佇んでいる。猪よ!今だけは許してやる。
さてと、目的を達したから帰ろうかと思けど、なぜか森の仲間達もついて来る。
はて?なんででしょう?
(名実ともにこの森のボスと認められたのでしょう、よかったですね、森の女王様です)
こんな小物女王様は嫌だよ!
私は近くにいるアッシュベアにボスを譲り帰ろうとするがやはりついて来る。何故だ?女王なのに全然命令を聞いてくれない。
(一体、従僕魔法で従属化して代わりにリーダーをさせるのはどうでしょう?)
うん、いいね!やってみよう!
(同じ属性は猪と狼とモグラ、あとトカゲです)
うん、害獣の猪、モグラは却下、トカゲは過去にいじめられたからなぁ。なんだ、最初から狼さん一択じゃん!
とりあえず群れのリーダー狼に聞いてみる。
「あなた、私と契約する?」
理解しているのか?尻尾をブンブン振っている。
(同意を得ました、契約をします)
(解析・・・影魔法を与えることで進化します)
おっと、スキル授与で進化ですか?リーダーだからね!強くあれ!
影狼
種族:影狼
所属:ラヴィリスの従僕
LV:18 HP:115 MP:90
力:38 魔力:48体力:20 知力:40 速さ:68 運:23
スキル:
毒牙、集団戦、隠密、地属性魔法、影魔法、
おお!フォレストウルフから進化してる!
「よしよし、じゃあ皆を解散させて!」
「ウォン!!」
すごい!一吠えで森の中に帰っていく!よしよし、良くやった!
さて私も帰ろうか・・・んっ?狼さんキミも早く帰りなよ。
(森の代表としてラヴィリス様について来るようですよ?)
え?なんで!困るよ?
「ハウ!」
狼さんは私の小さな影の中に潜り込んだ、そして嬉しそうに鼻だけ出す、なんて器用な奴だ。
こうして私にまた新しい従僕がついてきた。
ー???ー
精霊女王イデア・マザーより緊急報告!
ーーゲートが破壊されR0026チェイサーとのリンクが切れました!
ーーーなんだと?何があった!
ーーー魔物の中に非常に知能が高く、群勢を率いる高位魔物がいたようです。
ーーー映像は?
ーーー解析中、姿は見えませんが、高度な魔法を使うようです!
ーーー姿を見せない魔物か、危険だな。
ーーー定例会にて議題に出します。
ーーーああ、頼む。
ーーーまさに見えない怪物・・・何かの前兆なのか?
モニターを見て何も無いところから次々と高位の魔法が放たれる、その光景に戦慄を覚える。
ーーーおまえはいったい何者なんだ!!




