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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
八章 絶海のアルカトラズ編
184/499

184.お宝!お宝!お宝!

「どうやらこの剣は光剣イクシオンというモノみたいです」

 私の鑑定結果を告げる、全員やっちまったって顔をしている。


「どうしてここで伝説の神器の名が出てくるのだ?」

 ハズリムさんが頭を抱えている。


「とりあえず、はい、ベルベレッサさん」

「・・・は?」

 私じゃ宝の持ち腐れなのでベルベレッサさんに渡す。

「えっ?は?なぜ私に?」

 なぜか困惑顔をされる、

「いえ、私は使えませんし、いらないですから」


・・・何でだろう、皆の視線が痛い。


 ポンと後ろからハズリムさんがベルベレッサさんの肩を叩く、

「なっ、退屈せんだろ?」

 ハズリムさんの満面の笑みにベルベレッサさんは顔をひくつかせている。


 気を取り直して次は宝箱だ!

(罠等はありませんね)

 ここで罠があったら鬼畜すぎだろう。


 開けてみると大きな箱の中に、いくつかの金属製のインゴットがあった。

「これは黄金!!」

 早速シャンティさんの目が金色に輝いている、私は他の金属も見てみる。

「見たことない金属だね」


(ミスリル銀ですね、それとオリハルコン、飛空石ですね)


 これは当たりなのか?


「白いのがミスリル銀、黄色いのがオリハルコン、青いのが飛空石みたいです」


「「「はあっ!?」」」


 何か驚きが凄いのだけど?

「・・・これは凄いのですか?」

 私が尋ねると皆が興奮気味だ!

「ミスリル銀なんて超希少金属だぞ?名剣とかに少しだけ混ぜて使われるくらいだ、オリハルコンなんて物は伝説上の金属だから実在するとは思わなかった。そんなもの加工が出来る者なんていないぞ!?」

 ベルベレッサさんが呆れている、どうやら凄い物のようだ。


「あのっ、ラヴィリス様!」

 リプリス姫が意を決したように私を見る、

「この飛空石、どうか私に譲ってもらえないでしょうか?」

 そう言えば、前にサンクリスで飛空船が破壊されたんだったな。


「はい、どうぞ。私はいりませんし」


・・・あれ?誰も喋らなくなったぞ。


「あっ!私が勝手に決めてはいけませんでしたね、皆さんよろしいですか?」

 この宝箱は皆で手に入れた物だった。

「いえ、そうじゃ無いと思いますよ」

 ハズリムさんが私にツッコミをいれる、よく分からないが私は何かが間違っているらしい。


 まあ、気にしてもしょうがない。インゴット以外ないか宝箱の隅々まで確認する。すると奥の方に目立たないように小さな袋が隠してあった。


・・・これは怪しい。


 やはり小袋はマジックバッグになっており、中を取り出すと豪華な装飾の施された指輪ケースが出てきた。


 これは期待大だ!


「凄い!エンゲージリングです!しかも3つも!!」

 私は物凄く興奮している、しかし皆の反応は薄い、

「・・・あれ?凄くないです?」

 皆の反応に私は心配になってきた。


「いえ、その、ラヴィリス様は普通にエンゲージリングを作ってますので。つい」

 リプリス姫とテルーさんが顔を見合わせている、2人ともこの価値にピンと来ないようだ。


「そっ、そうですけど、天然のエンゲージリングですよ?中に召喚獣がいるんですよ?自立しているんですよ!凄くないです?」


 まあ、2人とも普段からつけているから珍しくないかもしれないが。


 もういい!鑑定してみよう。



リング・オブ・ファイア

契約者: 火精獣サラマンダ

概要: 宝珠の中に火精獣サラマンダが内封されている。


 これはメアリーさんに持ってもらおう、彼女の苦手な魔力制御をこれで補えるぞ。



リング・オブ・サンダー

契約者: 雷龍ヴァリドュ

概要: 宝珠の中に雷龍ヴァリドュが内封されている。


 雷属性のエンゲージリングだ。これは帰ったらゼル君にあげよう。



リング・オブ・アース

契約者: 地底竜クエレブレ

概要: 宝珠の中に地底竜クエレブレが内封されている。


 やった!お目当ての物かもしれない!私は嬉しくて小躍りしていまう。

「ラヴィリス様?」

 アイネちゃんが困惑しながら私に声をかけてくる。


「あっ、ごめんなさい、つい嬉しくて」


 誤魔化し笑いをしながら、早速エンゲージリングに魔力を通してみる、

「出てきて、クエレブレ!!」

「グルワァ!」

 おお!無骨なフォルムの翼竜が出てた。解析通りに地底湖に住む大地属性の翼竜だ!


 ついに念願のフライトユニットを手に入れた!


 嬉しくてなって頭をさするとゴツゴツした皮膚がより愛おしい。嬉しそうに喉をコロコロ鳴らしているのも可愛らしい。


 そうだアイネちゃんとも契約しておこう!

「えっと、私とも契約するんですね」

 指輪をつけてもらい魔力を覚えさせる、嬉しそうに頭を擦り付けてくる、

「これは・・・ゴツカッコ可愛いい!!」

 嬉しそうにゴツゴツした頭をさすってあげる。


「戻って」

 そう言うとクエレブレは指輪の中に戻っていった。皆が唖然として見ている。

ほら、ようやく凄さを理解したようだ。


「ハズリムさん!」

 私がテンション高めに声をかける、何故かビクッとされてしまった。

「これをゼルさんに渡して下さい!雷龍ヴァリドュが入ってますから必ず役に立つはずです!」

 黄色い宝珠がついた宝石箱を渡す、

「雷龍ですか、そりゃまた凄い」

 不思議そうに指輪を眺めている。


「次はメアリーさん!」


「えっ!?はっ、はいっ!?」

 メアリーさんにサラマンダのエンゲージリングを渡す、

「これに魔力を通して下さい」

 恐る恐るメアリーさんがエンゲージリングをつけて魔力を込める、

「かっ、可愛い・・・」

 いまいちアイネちゃんの美的センスは分からない。小型のトカゲのような竜がメアリーさんの肩に乗っているのを見て目を輝かせている。

 一方のメアリーさんは何が起きたか分からず不安そうにキョロキョロする、するとサラマンダが尻尾で頬をペチペチし始めた、


「うわあっ!びっくりした!!」


 自分の肩にトカゲが引っ付いているのにようやく気づき、驚いて尻餅をついてしまった。




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