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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
八章 絶海のアルカトラズ編
181/499

181.宝の守護者 その2

「気をつけて下さい!強敵です!!」

 私が最大限の警戒を促す、

「お姉様!」

 アリエッタも解析したのだろう、顔が強張っている。


「出し惜しみなしです、全力で行きます!」


「キャスト!」


「ジオグラフィックバトン」


「大殲斧デイルズハーケン!」


 巨大な戦斧を召喚し、全力でぶん投げる!


 ドオォォン!


 デイルズハーケンが直撃した手応えがあった、土煙の中で盾を構えたディヴァイン・ガーターがいた。


 今度はディヴァイン・ガーターが行動に移す、剣を構えて、タメを作る。そして神速の突きが私を襲う、


 ガキン!


 それに対してハズリムさんが横から割って入る、そして剣を滑らすようにしてカウンターで切り払う、


 ガッ!


 盾でそれを防ぎ、そのまま盾でカウンター気味に殴りかかる。

「アースランス!」

 ハズリムさんに攻撃しようとする隙をついて魔法を放つ、


 ガギッ!


 アースランスが直撃するが意に介さず、強引に盾の軌道を変えて私に攻撃しようとする、だがその時には私は脱兎の如く距離をとっている。


 チャンスだ、私に気を取られている!


「上段振下ろし一閃・兜断ち!」

 ハズリムさんがその隙を見逃すわけがない、すかさず必殺の剣戟が放たれる!


 しかしディヴァイン・ガーターは超反応で盾で滑らせるようにして見事に防ぎ、そのまま距離を取る、

「やりおる!」

 その鮮やかな技術にハズリムさんも驚いている。


「ブライトライザー!」

 距離をとられてもベルベレッサさんは追い討ちを忘れない、光の剣がディヴァイン・ガーターを直撃する、しかしそれも盾で防がれてしまう。

「凄まじいな、強敵にも程があるだろ!」

 ベルベレッサさんまで舌を巻いてしまった。


「ステイルアップ!」

 アリエッタの補助魔法が全員にかけられる、とても体が軽くなる、

「スピードと防御力を上昇させました」

 それを受けテルーさんが弓を放つ、同時にプーちゃんも風の圧縮弾を放つ、アリエッタの補助魔法のおかげでスピードが更に上がっている!


 ガッ! ゴッ!


 テルーさんの弓矢は剣で弾かれ、プーちゃんの風の圧縮弾は盾で防がれた、

「やはり、あの盾が厄介ですね」

テルーさんが率直な感想を述べる。


「なら双方向からの連携攻撃だな」

 ハズリムさんの言う通り、こっちの方が人数が多いんだ、基本通りでいいはず!

 呼応するようにハズリムさんとベルベレッサさんが左右から挟み撃ち体勢にはいっている。


(危険です!ディヴァイン・ガーターのスキルに一騎当千があります。1対多数に長けてます)

カガミンから警告がする!間に合うか!?


「気をつけて下さい、一騎当千のスキル持ちです」

 しかし、私が叫んだ時にはすでに遅かった。


 ハズリムさんの剣戟を紙一重で避けて剣を振り上げ、反対にいたベルベレッサさんに対して振り上げの反動を利用して反対の盾でベルベレッサさんを殴りつける。

 ハズリムさんの左腕が切り捨てられ、ベルベレッサさんは盾で殴られて吹っ飛んでいた。

「エアクッション!」

 アリエッタが咄嗟にベルベレッサさんを空気の層を作って壁への激突を防ぐ。


 いけない、追撃がくる!


 ディヴァイン・ガーターはベルベレッサさんに向けて走り出している。

「炎装!ファイアスリーブ!!」

 メアリーさんがいち早く反応して火炎魔法を放つ、ディヴァイン・ガーターは盾で防ぐと後退する。

 近くにベルベレッサさんがいるが、どうやらリプリス姫がすでに水の結界を張っていたようだ。


「ナイス!」

「イェイ!!」


 メアリーさんとリプリス姫がハイタッチする、その隙にシャンティさんが治癒魔法でベルベレッサさんを回復している。


 うん、いい連携じゃないか。


 ハズリムさんは左腕だったのが幸いした、神樹の部分だったのですぐに腕を生やす事ができる。

「ハズリムさん!アイネちゃん!」

 私は2人を呼ぶ、そして神剣ソハヤとダイツーレンを渡した。

「大魔法を盾で防がせます」


「ハイ!」

「分かった!」


 これだけで私の意図を汲み取ってくれた。

 デイルズハーケンはどうしても体の小さな私では扱い辛い、仕方なくキャストを解除する。


 私は大地の記憶を辿る。


・・・やはり貴方がいた。


「ジオグラフィックバトン!」


「深淵の魔王!」


「レヴィアタン!!」


 幾何学模様の魔法陣が私を中心に何層にも形成され、それぞれが乱回転する。

 そして光の中から龍の姿が浮かび出す。


「また会えた」


 レヴィアタンの姿は下半身が龍で上半身が人間の男性だ、身体中に刻印が刻まれており、禍々しさが際立っていた。


「魔王レヴィアタン!私に仇なす敵を討て!!」


 私が命じるとレヴィアタンは雄叫びをあげながら魔法陣を形成する。


 禍々しい光熱弾が練り上げられる。


『ガアァァ!!』


 ディヴァイン・ガーターもレヴィアタンの魔法に気づき盾を構える、


「勝負だ!」


 高速の光熱弾がディヴァイン・ガーターに襲い掛かる。


 ドゴォォォン!!!


 凄まじい爆炎に包まれる、まだ気配がある!

「ハズリムさん!アイネちゃん!」


 私が叫ぶ前に既に2人は走り出していた。


「やああぁぁぁ!」

 アイネちゃんがダイツーレンに魔力を込めて渾身の力で振る、


 ガッ!


 やはり盾は健在だ、ダイツーレンでも防がれてしまう、


「逆手斬上げ・極、飛翔斬月!」


 ほぼ同時にハズリムさんが反対側から斬りかかる、


 ガキンッ!


 ディヴァイン・ガーターは剣で防ぐ、そこに割り込むように正面から物凄いスピードで近づく影が走り込んできた!


「さっきはよくもやってくれたな!」

 怒りに満ちた笑みを浮かべたベルベレッサさんだ!


「ライトニング・ストラトス!」


 閃光の連続突きがディヴァイン・ガーターに何発もヒットする!

 あまりの威力にディヴァイン・ガーターは後方に吹き飛ぶ、


「テルー、よく聞いて、力を込めすぎず、薄く弓矢に浸透させるイメージよ」

 アリエッタの虹の翼が広がる、

「はい!」

 力強く弓を引く、


「天空魔法、覇穹!!」


 テルーさんから放たれた虹色の流星は目にも止まらない速さでディヴァイン・ガーターを貫く!

 盾と金属の腕が宙を舞う、なんていう出鱈目な貫通威力だ!


「くそ!頭を狙ったのに避けされた!」

 それでも悔しがるテルーさん、さっきので勝負をつけたかったようだ。


 盾を破壊という当初の目的は達したが、こちらの被害も大きい、

「テルー、早くこっちに来い!」

 シャンティさんの大声が飛ぶ、どうやら今の魔法でテルーさんの腕が上がらないようだ。


 ディヴァイン・ガーターは片腕ながら立ち上がり、再び剣を構える。まだやる気マンマンのようだ。



 くそ!大技1発当てた後、皆でボコボコ作戦は成功したけど、何か失敗した気分だ。






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