表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
二章 リントワース編
18/499

18.「薬聖」アイネ・リントワース誕生!その1

 またシェイク地獄をやらないといけないのか。


 頭をかかえて苦悶する。

(2日ほど連続で振れば完成ですよ)

 おいぃ!そんな簡単に言うなよー!!


 ここはアイネちゃんの自室のベッドの上、1人悶えてジタバタしていた。

 うふふ、ふかふかのベッドでいい匂いがするよ、可愛いらしい年相応のお部屋です!女の子の部屋、ぐふふ。


(現実に戻ってきて下さい!)

 ゴキ!


 久しぶりにカガミンパンチを喰らったよ。


「ラヴィリス様、失礼します」

 部屋にアイネちゃんとリマさんが入ってきた。リマさんが何かワゴンを引いている。

 わ〜い!お菓子だぁ。貴族っぽいオシャレなお菓子がトレイの上にのっていた。

 ただ、もどかしいことに、とても美味しいのに一欠片でお腹一杯になってしまう。でも、お残しは断罪されるべき悪行!いったいどうすれば・・


(ならば、ワタクシの中に入れておけばいかがですか?時間経過がないのでいつでもどこでも出来立てが食べれますよ)


 カガミン最強説っ!


 私は食べかけのお菓子をカガミンの中に入れようとすると何故かアイネちゃん達に止められてしまった。

「ラヴィリス様!食べきれないのなら残しておいて下さい!言ってくださればすぐにご用意いたします」

 えぇ、そんなもったいないことできない。


 取り上げられたお菓子を恨めしく見ているとリマさんが荷物を取り出す。

「ラヴィリス様専用のティーセットをご用意いたしました」

・・・金持ち恐るべし!オモチャじゃなく、ちゃんとした小さな磁器製ティーセットだよ!いつの間に用意していたんだろう。

「あと、お召し物も用意しました。そのドレスを洗濯しますので着替えて下さい」

 ああ、このために服を買ったのね、素直に応じて服を脱ぐ。


「ダメよ!こちらのドレスの方が良いです!」

「いえ、今日のラヴィリス様はこちらの方がお似合いです」

・・・何を言ってるんだこの2人は、私は近くにあったドレスを着る。

「「あ〜、そんな〜」」

 残念そうな2人を尻目に専用カップに淹れてもらった紅茶を飲む。おぉ、とても美味しい!!


 さてと、一息ついたところで薬の材料を探しますか。

「リマさん、薬の材料を探したいので食糧庫に連れて行ってくれませんか?」

「食糧庫ですか?」

 首を傾げるリマさん、関係なしに私はエプロンのポッケにダイブする。この場所がフィットして居心地が良くなってきた自分がいた。羨ましそうなアイネちゃん、やってあげたいけど貴女のドレスにポッケはないでしょ!


 食糧庫につくがアイネちゃんも入っていいの?お嬢様なのに?

「おおぅ、こりゃすごい!さすが貴族、沢山の備蓄がありますね」

 ちなみに私はもう姿は隠してない。ホランドさんのはからいで私のことは厳密にするようにと、この屋敷の人に通知してある。なので館内に限り姿を消さなくて良いのだ。

 ただ、何故かメイドさん達に生温かい目で見られるのは何故だろう?


 早速この中から栄養価の高い野菜をチョイスする。こういう時にカガミンの「鑑定」は便利だね。次は薬材を見に行こう!薬材はあまり備蓄はないようで大したものはなかった。どうしよう・・・

(花魔法で薬草に変化してもらってはいかがでしょうか?)

 ナイスアイデア!

「リマさん、花壇とかありますか?」

「ハイ、当家自慢の花園があります」


 花園には色とりどりの花が咲いていた。

「お嬢様、今日はどうされたんで?」

 庭師のニール爺さんに「はじめまして」と挨拶をする。

「本当に妖精さんを連れて来たんですな、初めて見ましたわ!長生きするもんだ!」

 もの珍しそうに私を見る、人の良さそうなお爺さんがニコニコしている。


「魔法で花を薬草にしようと思うのですが、分けてもらえないでしょうか?」

「えっ?花を薬草に?いっ、いや役立ててもらえるなら使って欲しいが・・・」

 用件を伝えると非常に驚かれた。どうやら花魔法も珍しい魔法だったようだ。


「ではこの一画を使わせてもらいます」

 できるだけ目立たない場所を選ぶ

「花魔法!薬化の花束!!」

 魔法をかけた花の色が変わる、全員がその変化に驚く。私はそれを謝りながら全部引っこ抜いていく。

「次は調理場に行きましょう」


 調理場につくと調理人さんやメイド達に手伝ってもらい材料を洗ってもらう。そして大鍋にぶち込んで煮出す。料理長さん達は興味津々だが、ぶっちゃけ味なんて知らないよ?これが美味しかったら奇跡だよ!

 私はずっと付きっきりで鍋の中身をかき混ぜる。こればっかりは薬聖のスキルを持つ私がやらないといけないらしい。



 作業は続きすでに深夜になったいた、1人調理場で鍋をかき回していると、寝間着姿のアイネちゃんがこっそり入って来た。

「どうしたのですか?こんな夜中に?」

「いっ、いえ、全てラヴィリス様にやらせてしまって・・・なんか申し訳なくて、もしかき混ぜるだけなら私でもできるかと思って」

 うん、やっぱアイネちゃんはいい子だね。

「気にしないで下さい。私がやらないと意味がないようですから」


(彼女に手伝ってもらう事は可能ですよ)


・・・へ?なんですと?

(従僕魔法で彼女と契約すれば、ラヴィリス様のもつスキルの内の一つを授与することができます)


 そうなんだ、えっと従僕魔法って?


(ハイ、従僕魔法は契約主に従属させる魔法。制約をかけて命令を強制させることができる。契約する褒美として、双方の同意で主のもつスキルを分け与えることができる。ただし死ぬまで契約を解除できない。またその特殊性から4体までしか契約できず、同調でなくてはならない)


 なるほど、従属の制約はどういう風に決めるの?


(それが双方の同意という事と思われます、軽い制約でも同意の上なら問題ないという事です。また同調というのはラヴィリス様と同じ「地」属性という事です)

 確認しておこう、

「アイネちゃん、貴女が鏡に映るように私の後ろに立ってもらえる?」

「え?はっ、ハイ」


アイネ・リン・リントワース

種族:人間(貴族)

LV:12 HP:78 MP:85

力:25 魔力:42 体力:21 知力:38 速さ:14 運:87

スキル:

地属性魔法、治癒魔法、魔力回復促進、

貴族教育、真面目、


 やっぱり私と同じ地属性だ、でも解析はヤバいわね、個人情報ダダ漏れよ!

 何だよ真面目って、単なるアイネちゃんの個性じゃん!


「アイネちゃん、よく聞いて」

「え?ハイ!」

私の真剣な表情にアイネちゃんは畏る。まあ、これからの労働を考えれば私にとって死活問題だ。

「もし、アイネちゃんがこの薬を作れるようになれるとしたら、やりたいですか?」

 ハッとするアイネちゃんは息を飲み込み、よく考えてから答える。

「やれるのならば。もし、弟子にしてもらえるとならば、やりたいです!」


・・・弟子?なんでそうなる?


「いえ、弟子ではなく従僕魔法で私に従属すれば、私のスキルをアイネちゃんに分け与えることができるのです」

「ええぇっ!そ、そんなことができるのですか!?」



 深夜にアイネちゃんの声が響き渡る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ