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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
八章 絶海のアルカトラズ編
159/499

159.久々の学校

 この国の地方統治について説明する。


 まず4大公爵家だが、それぞれが東西南北の管領として地方の頂点に君臨し、広大な領地と財力を持っている。


 リントワース家やフルート家が属している東部管領区はベルリアル家が治めている。ちなみに海に面していないが、広大な自然が広がり隣国のウォルベル王国との交易が盛んだ。


 南部管領はグランドル家が治めている。前回、ハレルヴィ公国から帰って来た時に初めて入った。温暖で大陸南部の諸国とも交易がありとても栄えていた。


 北部管領はウィリアム家が治めている。寒冷地で山岳地が多く農業には不向きだが鉱山資源が豊富らしい、なので是非一回訪ねてみたい場所でもある。ここには多くのドワーフ族も多く住んでいるようで技術工業が発展していると言われている。


 そして西部管領が大公メルブラント家が治めている。オーレリア海に広く面しており海運交易が盛んだ。また、この国で唯一魔導列車が開通している。

 オルベア神聖同盟とも交易しており、窓口として建国100年記念祭への招待に尽力した事でも有名だ。


 この4家以外にも公爵位はいる、しかしこの4家が別格なのは長い歴史と巨万の富によるものが大きいようだ。


 そう言えばオーレン・ブランドの事はどうなったのだろうか?

「ホランドさん、錬金術師オーレンさんについては何かわかりました?」

 私の問いかけに困った顔をする。

「それが行方が分かっておりませぬ、現当主の大公様にベルリアル様が尋ねてましたが知らぬ存じぬでして・・・」


 ホランドさんも首を傾げる、義親子でも仲が悪いのだろうか?


「するとウィリアム様まで怪しんでしまったので収拾がつかなくなってしまい、その話は流れてしまいました。もしかすると今後はベルリアル様独自に調査されるかもしれませんな」

 ウィリアム家の当主という事はベリーサさんと王妃の母親に当たる人だ。「鬼薔薇」の異名を持つ人だが、どんな人なのだろう。

 まあ、結局はオーレンさんの件はハズリムさんとゴメスさんに任せるしかないか。

 明日からアイネちゃん達は学校が始まる、何か分かれば連絡が入れてくれるだろう。



 翌日。


「それではラヴィリス様、行きましょう!」

 久しぶりの学生寮という名のマンションを後にした。

 リマさんとマキシムが私達を見送ってくれる、この後は習慣のマキシムと買い物がてら散歩をするとのことだ。


 道中でテルーさんとアリエッタと合流し一緒に向かう。アリエッタはタナさんの手作りポーチの中にピッタリ収まっていた。

 第2学年になった2人、どうやら今回は同じクラスのようだ。というか遅刻組は全員同じクラスにまとめられたようだ。

 このクラスの担当はシェリア先生だ。甥っ子のゼル君は明らかに嫌そうな顔をしているが、これは学園長のシェルさんがやり易いように小細工しているのが分かる。つまり、問題児を1箇所に集めて監視しようという事だろう。


「リントワース、フルート、テルーの三名は授業後に学園長室まで来るように」


・・・早速シェルさんに呼び出されたようだ。


 チラッとアリエッタを見ると全く動かない、どうやら熟睡しているようだ。テルーさんと目が合うと苦笑いをしている。

 まあ、私も人の事を言えない、しっかり睡眠学習してしまった。


 学園長室に入ると既にゼル君とシェリア先生が待っていた。

 私達がソファーに座ると、アリエッタがシェリア先生に挨拶をする、私で既に耐性ができたのだろう普段通りのクールビューティーな受け応えをする。

 そして遅れてリプリス姫がやって来た、皆と同じ制服姿の彼女は本物の美少女だ。


『ラヴィお姉ちゃん!』


 フローネがリプリス姫のエンゲージリングから出て来て私に抱きつく、そしてアリエッタを見つけると今度はアリエッタに抱きつく。


 うん、うん、元気そうで良かった。


「今日の授業お疲れ様です。久々なので大変だったでしょう。それで今回呼び立てた件ですが」

 シェルさんが学園長モードだ、生徒の皆は真面目に聞いている。

 シェルさんの言いたい事は単純だ、あまり妖精の力を使わないようにという釘刺しだ。

「ただでさえ特殊な力なのと、貴女達4人娘は他の生徒とのレベルがかけ離れているため気をつける事!」

 シェルさんが力を込めて力説し、メアリーさんを睨む。


「は、反省してます」

 メアリーさんが凹んでいる、彼女は私達が居ない時にやらかしてしまったらしい。


「リプリス様も気をつけて下さいよ」

 シェルさんが睨むと狼狽えてそっぽを向く、するとリプリス姫の頭を両手で鷲掴みにして強引に視線を合わせる。


「いきなり問題を起こすとは、本当にいい度胸してますよね!?」


・・・学園長圧が凄い。


「う、うう、ごめんなさい」

 学園長モードのシェルさんは王女にも容赦ないようだ。その圧力にリプリス姫は泣きそうになったいる。


「何をしたんですか?」

 小声でシェリア先生に聞いてみる、

「同年にメルブラント様の御息女がいるんですが、何やら挑発されたみたいで」


 あれ?メルブラントの御息女なら従姉妹同士じゃないのか。


「エルヴィン王子の事もありまして、最近ギクシャクしているみたいです。まあ、メルブラントの方が一方的に・・・ですけど」

 シェリア先生が困った顔をしている。そしてシェルさんの説教は延々と続いている。



果たして今日は帰れるのだろうか?



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