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ショートショート5月~

歩道橋

作者: たかさば
掲載日:2020/05/09

毎朝、娘と一緒に、少し遠いところにある大型公園へと、ウォーキングをしている。

行って帰って、ちょうど一時間。

歩数にして8000歩。

健康的な運動に、ちょうどいい時間と、歩数。


今日も、いつもの道を歩いて、公園へ、向かう。


行く途中に、幹線道路を跨ぐ歩道橋がある。


ここを通って、公園に向かうのが、いつものコース。


片側4車線の車の行き交う様子を、上から見下ろすのが、地味にお気に入りだったりする。


「あれ、靴がある。」


昨日はなかったはずだ。


歩道橋の中ほどに、一足の靴が落ちている。


まあまあ綺麗な紐靴が、少しだけ乱雑に落ちている。


何でこんなところに。


「ええ、こんなところに、忘れるか?普通…。」


「よっぽどドジなんじゃないの、ははは!」


大声で、靴の持ち主を、ディスる。


「それ、僕のですけど!!!」


なんと、歩道橋の向こう側から、人が!!!


はあ?!何この人!めっちゃ危ないじゃん!!


良く見ると、荒縄?を手に持っている。


ああ、歩道橋の修理の人だな。


「ご、ごめんなさい。修理ですか?朝からお疲れ様です。」


「…どういたしまして。」


いささか憮然とした様子で返事をすると、また歩道橋の向こう側へ消えた。


そそくさと、歩道橋をわたり終わる。


「もう!!あんなところで作業するとかさあ!!」


「つか、作業中って書いとけよ!!」


「なんかさ!あの人めっちゃ怒ってたね!!」


「あんたがひどい事言うからじゃん!!」


「お母さんだってひどかったし!!」


「何だと!!失礼なやつだな!!」


「あんたがだってば!!!」


大喧嘩をしながら、ふと、わたり終わった歩道橋を、振り返る。


あれ?


「ねえ、あの歩道橋、誰も、いなくない・・・?」


今、作業中なんじゃ、なかったっけ・・・?


「え、ちょっと!!やだ!!!」


こっち側に、いるはずの人が・・・いない?!


「怖いこといわないでよ!!!」


「た、確かめに、行ってみよう・・・。」


慌てふためいて、歩道橋に、戻る。



す る と 。



歩道橋の上には、何も、残っていなかった。



「ぎゃあああああああ!!!」


「ちょっとぉおおお!!置いてかないで、よおおおおおお!!!」



わめき声を上げる私たち。


急いで歩道橋を駆け下り、家までダッシュしようと…あれ。


歩道橋横の小さな公園のトイレから、さっきの無愛想な人が、出てくる。


「何だ!作業が終わったから、帰ってただけじゃん!」




「何だ、ばかばかしい!!おどろいて損しちゃったじゃん!!」


「あんたがあわてるからじゃん!!」


「親ならもっと落ち着いたらどうなのさ!!!」


「子供のほうこそ!!!」



ドハデにケンカをする私たちは。


後ろを振り返ることなく、家路に、着いた。




もしかして。


振り返っていたら。



そこには誰も、いなかった、なんて展開が、あったかもしれない。


…まさか、ね。

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― 新着の感想 ―
[一言] まさか…! いや、生きてる人間様だと思いたい。 
[良い点] 楽しいです。ギャーギャー賑やかですね。 [一言] 常識的には普通の作業員なんでしょうけど……
2020/05/09 23:19 退会済み
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