LAST:魂は時空間を超えて……!!
ゲームウォーリアーシリーズ初の外伝、この物語も今回の32話を持ちまして全巻の終わり、従いまして外伝もお別れの時が参りました!
そして、最後には意外なサプライズも待ってますよ! 最後の最後までお楽しみにください!! ではッ!!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――――空・海・森に混沌の墓地。異世界・オリジンゲームワールドにて繰り広げたゲーム戦士達のガチンコ勝負。
4つのうち3つはシャッフルオールスターズに軍配が上がったが、最終決戦である剣VSマンドラのカードバトル『アメイジング』。結果は引き分けという結末に終わった。
しかし今の剣とマンドラには既に心のわだかまりは無かった。本気のゲームを通じて過去を乗り越え、未来に突き進む決心をした二人に勝敗などは要らない。
力を全て出し切った彼らは大の字になって仰向けに倒れ、青く澄んだ空を見上げて清々しい表情。
ゲーム終結と同時に兄と共に戦った妹の魂と、時空間を超えて馳せ参じた聖剣の姿は無かったが、戦い終えた二人には必要の無いものであった。
そんな二人の決闘を最後まで見守ったのはみのり。後にエレメンタルナイツの案内の元に辿り着いたシャッフルオールスターズの仲間全員と邂逅。
マンドラのお陰で傷も汚れも消えていたみのりは、ケロッとした純粋な笑顔で心配する仲間に返す。その後はレミに抱き着かれるやら髪ワシャワシャされるやら。
―――時間と空間を超えて、仮想空間のルーツ『オリジンゲームワールド』で繰り広げたゲームバトル。この結末を持って、全ての戦いは終わった……!!
▶▶▶ NEXT▽
―――時空間を何度も転移し、所々ガタが出来ていた宇宙船『S.D.M.S-アルファ号』の修理をルーラの手によって完了し、いよいよエレメンタルナイツ達との別れの時が来た。
「本当に、皆様には大変御迷惑をお掛けしました。でも貴方達のお陰でマンドラさんの心も救われました。本当にありがとうございます!」
ディーナも人一倍マンドラを気にしていたのか、多大な感謝の意を込めて剣達に礼をする。
「救ったってか、みのりを返したのとゲームしただけやけどな」
「確かに。だが本当にゲームしてて凄く清々しい気分だった。ありがとうな剣!」
雨降って地固まる。炎の海を起こす程に白熱したゲームを終えていつの間にやら仲良くなった剣とマンドラ。硬い握手を交わす。
「これで心置きなくこの地でゲーム戦士をやれる。もう一度やり直して、使命を果たしてみせるさ」
「良かったです、本当に! 私達も色々と良い勉強になりました」
異世界を超えて絆を造り上げたのは剣らだけでは無かった。穂香とレミは道中ディーナとの恋バナで盛り上がり意気投合、豪樹とノムさんは先程のレトロ筐体の洞窟をきっかけにレトロゲーム談話してくうちに打ち解け合い。
更には槍一郎とシルヴィーに至っては、『アメイジング』にて槍一郎が切り札として使っていたカード《シルヴィー・テンペスター》と同一人物である事を知り、彼女も『気楽に行こうよ人生〜♪』なんてお気楽な話で盛り上がっていた。倭刀に至っては下着姿になっていたシルヴィーにちゃっかりフォト撮ったのがバレて百叩きにされた、とかとか。
「…………マンドラくん、皆も、また会えるかな?」
みのりは寂しげにマンドラ達の別れに対し『さよなら』は言わず、再会を心待ちにする。しかし……。
「……残念だけど、それは無理よみのりちゃん。元々時間と空間を超える旅はおいそれと出来るものじゃないの。今回は貴方達が旅する仮想空間のルーツに辿り着けたけども、この無数の異世界がある平行世界で一度同じ次元に再び赴く事は非常に難しいわ」
つまりは、そのゲームワールドのルーツである異世界にゲーム戦士が辿り着けた因果こそが奇跡に等しい事。いくら時空間の衛生管理教授が“ルーラ”であっても“テレポ”であっても、一度行った異世界に行けるとは限らないのだ。
(私の名前とそれ、関係あります?)
しかし巡る因果は糸車な世の常。平行世界とゲーム戦士の関わりには時空間をも超えた共通点があった。
「あ、そうそう! 貴方達とマンドラ達には会えないけれど、PASだけは貴方達の世界の何処かで覚醒している戦士が必ずいるって、研究には出てたわ」
「……というと?」
具体的な説明はマンドラから剣達に話した。
「つまり、俺のPASである『サラマンダー』は剣達の世界にも同じく使っているゲーム戦士が居るって話だ。俺だけじゃなくてシルヴィーやディーナやノムさんのも全部。もしかしたら俺達みたいにあっちでも四大精霊PAS同士でチーム組んでるかもな!」
時代も空間の流れも異なる異世界に、唯一繋がっていたのはゲーム戦士の魂・PASであった。
とかく剣達の生きる世界の時代は『超次元ゲーム時代』。ゲームという繋がりがあれば何れは彼らの言う四大精霊PASを持つゲーム戦士と会える事も難しくはない。……という事は?
「待てよ? もしかしたら俺のPASの『ロングソード』もオリジンゲームワールドで覚醒してた戦士が居るって事じゃないか?」
逆算思考で意外な閃きを見せる剣。してマンドラ達の答えは?
「ロングソードのPASを持ったゲーム戦士……、俺達の世界に居たか?」
「今の時世では存在しませんが、かつて大昔のオリジンゲームワールドにて混沌の地に光をもたらした騎士のゲーム戦士が、貴方と同じPASをしたと伝えられています」
「マジかよ、あっちでも騎士が」
エレメンタルナイツのブレーン・ディーナがその答えを出した。すると後からドンドンと情報がマンドラ側から溢れ出ていく。
「そーいやその騎士には最愛の姫が居たって話じゃぞ?」
「あっ、シルヴィー知ってる知ってる! 書籍によればその姫って凄くピュアで優しくて……、丁度みのりちゃんみたいな性格してたって話よ!」
「えっ、私?」
とノムさんやシルヴィーの伝えにみのりも関連してた事にびっくり。更に追い打ちを掛けるようにマンドラも、
「そーいや……、みのりの胸奥に微かにPASの波動が見えたような。何か鍵を掛けられてる感じだったが」
(私にも、PASが……!?)
マンドラから告げられたサプライズな真相に困惑するみのり。そして桐山剣もこのオリジンゲームワールドの自由を取り戻したと言われる伝説の騎士と同じPASを持っていた事に戸惑いを隠せない。
時空間の異なる平行世界とはいえ、彼らには何やら更に深いベールに包まれた秘密があるのかもしれない。
今回の物語ではまだ明かせないが、再び来るであろう仮想空間のゲームワールドの冒険とシリーズを追っていくうちに、その真実に辿り着く時が来るだろう。それはまだまだ先のお話である。
「……でも私は、また会えなかったとしてもマンドラくんや皆の事、絶対に忘れないよ!」
「勿論俺達もだ! 達者でな、みのり。元の世界に帰ったらうんと剣に甘えてやれ。それと……」
みのりとの挨拶を交わすマンドラ、今度は剣に近づいて1枚のアメイジングカードを手渡した。
桐山剣の切り札、《サラ・チャンドレイユ》だ。
「―――剣、今度はお前がちゃんと守ってやれよ。みのりに限らず、そこにいる仲間も、これから出会うであろうゲーム戦士全員の魂も、全てを守り抜くゲーム戦士になれ! 俺からの約束忘れるなよ!!」
「言われるまでもねぇよマンドラ。大事なもんを死ぬ気で守らにゃ、切り札騎士の名が廃るぜ!!」
握手の代わりにガツンッと互いの拳をぶつけての誓いのサイン。心做しかマンドラの拳は熱した鉄のように熱く、剣の拳は何物よりも硬く感じていた……!
「「たとえ時間も空間も生きる世界が違ってようとも……、俺達ゲーム戦士の絆は永遠に不滅だッッッ!!!!!」」
▶▶▶ NEXT▽
――『S.D.M.S-アルファ号』は、2号機である『ベータ号』よりも大型の戦艦。ルーラは剣たちを乗せたベータ号を搭載させ、アルファ号を操縦する形で元の世界へ送還すべく離陸した。
マンドラ達もアルファ号に乗り込み、時空間転移した幾つもの世界をもう一度旅して自らが起こした時代の混乱を修正すべくルーラと管理調整に向かう形で禊をする事になった。
ベータ号よりも高性能で造られたアルファ号はあっという間に成層圏を超えて、ゲーミングカラーなオリジンゲームワールドに別れを告げる。
まさか仮想空間・VRMMOである筈の『ゲームワールドオンライン』にモデルがあったとは、実在する異世界があったとは剣達は思いもしなかっただろう。
しかしこれは剣達7人、シャッフルオールスターズだけが巻き起こした奇跡の因果。この冒険は誰も信じてくれないだろうが、彼らの魂にはしっかりとセーブデータが残っている。
その心燃えるゲームの記憶を噛み締めつつ、今は剣達に再び時間と空間を超越した異次元の旅を楽
「着いたわよ! 貴方達の住む世界に帰って来たわよ!!」
「早ぇな!!」
ルーラの操縦でいとも簡単に到着してしまったようだ。何はともあれこれで7人全員が元の世界に戻って一安心。あとはマンドラ達と別れをする悲しい場面になってしまうのは心残りだが……あれ、ちょっと待った。
『この無数の異世界がある平行世界で一度同じ次元に再び赴く事は非常に難しいわ』
ってルーラさん言ってましたよね? ではアルファ号の密封された船内から窓を開いたその光景は……?
『炎の◯マーーー!!』
『ゲーム拳必殺・五十◯打ーーー!!』
『月面宙◯り!!!』
『阿修羅・乱◯打ちーーー!!!』
どっかで見たことあるような必殺技、それに赤いキャップと出っ歯、相手はゲーム拳使いの拳法少年の異星人ゲーム戦士同士が月面のテッペンでファミコン勝負するというカオスな風景。
「…………あれ、ここ超次元ゲーム西暦0051年の2月1日の夜で良いんだよね?」
「「「「「「「んな訳あるかァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!」」」」」」」
辿り着いたと思いきや大ハズレ。幾千の異世界に時空間転移する事は本当に大変な事だと思い知らされたシャッフルオールスターズ。
エレメンタルナイツも知ってはいたが、それまで剣達と話す時間が出来て丁度良い。また再び剣達の世界に時空間転移する一分後まで到着するまでは半年は掛かったとか、掛からなかったとか。それはまた読者の皆様のご想像にお任せするとして。
――――時間も空間も乗り越えて、異世界のゲーム戦士達と絆を紡いだシャッフルオールスターズのちょっとした物語。
長らく申し上げて参りましたゲームウォーリアー外伝・全32話、延べ二ヶ月間に渡る更新にも関わらず一読致しました方々に感謝を述べつつ、本日のゲームを持ちまして大団円、全巻の終わりッッ!!!!!
【ゲーム・ウォーリアー外伝1・親友助けにゲーム戦士・ゲームワールド時空間転移!! 対戦相手は四大精霊……ってマジかよ!? THE END】
―――――確かに、幾千の平行世界に幾多のゲーム戦士が居たとしても、継承されるはゲーム戦士の魂・PAS。
マンドラ、シルヴィー、ディーナ、ノムさん。四人のエレメンタルナイツの四大精霊のPASを持つゲーム戦士が桐山剣らの時代に居たとしたら、間違いなく超次元ゲーム時代に波乱を巻き起こす戦士になっていたであろう。
……いや、既になろうとしていた。
超次元ゲーム時代に生きる人々の地底に存在する空間、【アンダーグラウンド】から……!!
「――――さーてと、今日も『A.I.M.S』の実況でもやりますかな……お?」
その地底空間に生きる一人の男、黒ベースに赤い炎をイメージしたキャップと薄手のジャンパーを着て、飄々とした青年が道端に落ちていたアメイジングカードを拾う。
そのカードの名はなんと、《マンドラ・チャンドレイユ》。更にカードを拾った男もマンドラそっくりの無愛想かつ端正な顔つきの二枚目。
そして彼の胸奥に眠るPASに、サラマンダーの炎が揺らいでいた……!
「………これは、ちょっとしたお守りだな。大事にすりゃ良い事ありそうだ!」
――――そう、彼がマンドラ・チャンドレイユのサラマンダーの魂を受け継ぐゲーム戦士!
名を【火野暁人】、通称『ファイア・キッド』と呼ぶ!!
RRRR……!!
その時地底にて彼のプレイギアが鳴り響く。
『おいキッド! 何処ほっつき歩いてんだ、早くランクマッチに来い。もうアリスもツッチーも来てるぜ!』
「あっ、いけね! アイツラと約束してたんだ! 今行くぜ」
―――自由とユーモアを愛する男・キッド。そして彼と共に退屈も吹っ飛ぶゲームに挑む仲間の元へ、ゲームの敗北者達が追いやられた地底空間を後にする!
「さ~てと、今日はどんな魅せプレイを配信でやってやろうかな〜?」
時は『超次元ゲーム時代』、ゲームと共に生き、それを背に戦うゲーム戦士達が織りなす壮大なる物語。
今ここに、時代と共に駆け抜けるゲーム戦士達の二つのストーリーが、始まろうとしていた!!!!
▶▶▶ NEXT GAME STORY▽
☆切り札騎士・桐山剣の物語
『極限遊戯英雄譚 ゲーム・ウォーリアー』
★地底の救世主・火野暁人の物語
『ELEMENT◇TRIGGER’S』
▶▶▶ WHICH DO YOU CHOOSE...?《貴方はどちらを選ぶ?》▽




