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あべこべ世界へようこそ!  作者: 吉武 止少@8/29「捨てられ社畜」モンスター文庫より発売!


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番外編・ハッピーハロウィン

時間軸がはっきりしていないので番外編にしました。

30分で書いたから矛盾とか誤字とか変な描写多いかも。推敲とか一切してません。ぎりぎり間に合って良かったよ。

時間があったらやるのでご容赦ください。


※本日2話目です。読み飛ばしにご注意……いや、ほぼ一話完結だし読む順番関係ないか。

 朝。

 登校しようと玄関を出たら、光さんが待っていた。

 ぺこりと一例する光さんはいつも通りビシっとしていてカッコ良かった。

 が、いつもなら後部座席のドアを開けてくれるはずの光さんはにっこりと笑って、


「暦さん、ハッピーハロウィン」


 言われて、今日がハロウィンだってことに気づいた。

 いつもかっちりしているのですごく意外だったけれど、たしかに元の世界でも女の人ってこういうイベント好きだったし、光さんも女性なんだな、と感じる。


「ハッピーハロウィン、光さん」


 挨拶を返すと光さんは手を差し伸べてきた。


「トリックオアトリートですよ、暦さん」

「へ? あ、そっか」


 俺は馴染みがないから忘れてたけど、ハロウィンでは「お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ」って言って、子供が大人からお菓子を貰うのが本来のイベントなんだっけか。

 とはいえお菓子なんて持ってない。


「えっと、ごめんなさい。持ってないです」

「だと思いました。ハロウィンをダシに不埒なことをする輩が現れないとも限りませんので、こちらをお持ち下さい」

「えっと、これは?」

「飴ですね」


 光さんが後部座席から取り出したのは、洋服とか買うときに詰めてもらうような、大型の紙袋だ。

 中にはぎっしりと個包装の飴が入っているのが見えた。


「とりあえずこれを渡せばイタズラをする言い訳はなくなると思います」

「……必要ですかね?」


 正直かなり重そうだから持ち運びたくないんだけれども。


「ええ。ハロウィンは高確率で男性が狙われます。もちろん身体的接触が第一目標ですが、お菓子を渡すだけでもかなりの割合の女性が満足するので、自衛のためにもお持ち下さい」

「えっと。ちなみに俺の方から『トリックオアトリート』って言って回避するってのはどうですか?」


 俺のセリフに光さんはブラウスの第一ボタンを外し、


「イタズラしてくださるんですか?」

「……ごめんなさい」


 からかわれていると分かっていても謝るしかなかった。

 光さんは俺に飴入りの紙袋を渡すとブラウスのボタンを元に戻した。


「分かっていただけて何よりです。それじゃあ、練習しましょうか」

「……練習?」

「はい。『トリックオアトリート』と言われた際にスムーズにお菓子を渡すための練習です。私が実際にねだってみるので、渡してください」


 言われた通りに飴を渡したが、腕の角度やら振り抜く速度などにこだわりがあるらしく10回以上やり直しをした。

 光さんのプロ魂って本当に妥協しないからかっこいいよなぁ。


***


 飴玉!

 ご主人様から手ずから渡してもらった飴玉!

 これを見てるだけでもブシャア不可避!

 くくく……わざわざもっともらしい理由をつけて練習してもらった甲斐があったわ。

 勢い余って10回以上やり直しを要求しちゃったけど、ご主人様ったら純真だから真面目に取り組んでくださったわ!

 ああもう、この仕事に就いて良かった!

 この飴玉、家宝にします!


***


「トリックオアトリート!」


 教室に入るなり、このみ先生が手を差し出してきた。

 っていうか俺の身体にダイブするかの如き速度で突っ込んできたんだけど。

 これそのまま押し倒したりお触りする気満々だよな。


「はい、どうぞ」


 しかし光さんときっちり練習した俺に死角は無いのだ!

 さらっと避けて飴玉を投げるように渡す。

 このみ先生は両手をがばっと広げていたので額で飴玉を受け止める羽目になったけれど、まぁ自業自得だろう。


「うう……! 唐突に襲えばイケると思ったんですけど、ガードが硬いですねー」


 若干恨みがましい目で見られたけど、襲うって言っちゃったよこの人。

 マジで何でこんなのが教師やってられるんだろうか。


「えっと、暦くん、おはよう」

「あ、時津さんおはよ。飴玉、要る?」


 とりあえず配る。


「ありがとう! 家宝にするね!」


 するな。

 原価一個10円以下だよ?

 っていうか買ってきたの光さんだし本当に渡しただけだし。

 突っ込むべきか悩んでいると、クラスの女子が時津さんの後ろに並び始めた。


「暦くん……」

「あ、はい。一人一個ね」


 期待のこもった目で見られたので飴玉を渡す。

 いや、もうこれハロウィン関係ないよね?

 単純に飴玉を配る会になってるよね?


 なんて思っても突っ込めるはずもなく、クラス全員に飴を配った。ちなみに山本さんには妹さんの分、ってことで二個渡しておいた。夏希がお世話になってるし、このくらいは良いよね。

 ちなみに全校生徒に配るような事態にならないよう教室からはできるだけ出ないように過ごしたんだけれど、帰り際にはぎっしり詰まった紙袋がスカスカになっていた。

 解せぬ。


***


 夜。

 なんとなく気疲れしてしまったので部活も休む旨をみみ先輩にRINEで送ってそのまま帰宅した。

 夏希が部屋でガタガタやっていたけれど、声だけ掛けて自分の部屋に引っ込む。


「あー、しんど」


 トイレの行き帰りだけでどれだけの人に声を掛けられたんだろうか……心なしか飴を渡していた右腕もだるい気がする。

 ベッドに身を投げだして右腕を軽く揉んでいると、とんとん、と部屋がノックされた。

 十中八九夏希だろう。


「おにーちゃん」


 案の定、透き通ったきれいな声で呼びかけられた。


「入って良いぞ」

「うん」


 何となく緊張したような声の夏希はドアをゆっくりと開く。

 そこに居たのは、


「!!!」


 ミニスカの黒いワンピースに身を包み、紫と白のボーダー柄ニーソを履いた夏希だった。頭には三角のとんがり帽子をかぶっている。

 コスプレだ。

 魔女っ娘のコスプレである。


「どう、かな?」


 恥ずかしそうに俺を伺う夏希。

 超かわいい。

 うん。

 超かわいい。

 大切なことだから2回言った。


「すっごい可愛い」


 思わずストレートに伝えれば、夏希は顔を赤く染めながらも手を差し出してきた。


「トリックオアトリート、おにーちゃん」


 やばい可愛すぎる……。

 ん?

 ちょっと待てよ……?


「ごめん夏希。お菓子ないんだ」

「ぁぅ」

「……イタズラ、する?」

「ばかっ!」


 夏希は真っ赤な顔をさらに赤くして出ていってしまった。

 くそー。夏希にイタズラとかされるのは大☆歓☆迎だったんだけどなぁ。

 いやしかし恥じらう夏希は可愛かったなぁ。

 よし。

 もうちょっとイジめてくるか。

 思い立ったが吉日、夏希の部屋へと突撃する。


「夏希、トリックオアトリー……」


 着替え中でした。


「入って来ないでっ! いくら相手が女だからって、はしたないよおにーちゃん!」

「ご、ごめんっ!」


 必死に謝るけれど俺の脳内には焼き付いた映像が静止画状態で延々と上映されていた。

 眼福過ぎる……上下揃ってリボンのワンポイントが可愛い感じでした。

 その後、真っ赤な顔でそっぽを向いた夏希は不機嫌そうにしながらもお菓子を渡してくれた。

 どうやら俺のためにわざわざ用意してくれたらしい。

 可愛らしい包装用紙に赤リボンまで掛けてあって、本当に楽しみにしていたんだな、とちょっと申し訳なくなる。

 明日にでも何か買ってきてあげよう。

 ちなみに貰ったときに、


「別にイタズラの方でも良いんだけど」


 って伝えたら脇腹にぐーパンチが飛んできた。

 可愛かったけど結構痛かったです。


 プレゼントの中身が何だったかは確認出来てない。

 何故なら家宝として机の上に飾ったままだからね。

猫耳とか犬耳も好きだけどケモ耳はホルスタイン系アイドルのウシ耳がマイブームなので今回は魔女っ娘にしました。ニーソックスで飯が美味い。

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