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新人王宮警護官に極甘紅茶。

本当にどうしたらいいんですかみゅー。

メルティウス殿下に求愛されるなんて…無理みゅー。


外に出る許可を無理矢理もぎ取ったですみゅー。


みんなすでにメルティウス殿下の想い人扱いですみゅー。

やめて欲しいですみゅー。


うちは一応王都のはしっこにあります、でも田舎ですみゅ。


久しぶりの実家の中庭はこじんまりしてて落ち着きますにゅ。

「あら?悩み事?リン。」

ニコニコ笑いながらお母さんが隣に座った。

テーブルに持ってきてくれたお茶を置いてくれた。

「お母さん、私、どうしたらいいのかわからないみゅ。」

お茶に砂糖をいれながら言った。

「いいじゃないの、どっちを選んでも良い身体の美丈夫よ。」

お母さんがにやにやしながらいった。


黒い髪を顎のラインで切り揃えたお母さんはいつでも明るい…そして筋肉好きだ。


「そう言う問題じゃないみゅー。」

私は砂糖をいれ続けて言った。

家はお母さんがグーレラーシャ人じゃない関係で砂糖は別いれなんですみゅー。

「そんなにいれていいの?」

お母さんが自分の無糖のお茶を飲みながら聞いたですみゅ?

「うにゅー?うにゅー!」

お茶グラスに砂糖が山盛りですみゅー。


「おお、お帰りリン、なにうにゅうにゅいってんだ?」

お父さんが中庭に入ってきましたみゅー。


お父さんは典型的なグーレラーシャ人で赤毛を一本ミツアミにしていますみゅ…ってこの砂糖どうしたらいいですみゅー。


「お帰りなさい、リューさん。」

お母さんがそう笑った。

「ただいま、レン。」

満面の笑みでお父さんが言った。

「リューさんもお茶飲む?」

お母さんがそういってたちあがったところでお父さんがお母さんを抱き上げた。

そのままキスしましたみゅー。


グーレラーシャ人夫妻の子供としては日常茶飯事なのでいいですみゅ。


「オレはレン不足だ、今度一緒に戦場にいこう。」

お父さんがお母さんを熱く見つめて言ったですみゅー。

「あら?そうなの?でもリュラガウスが春休みに入るのよね。」

お母さんがニコニコ言った。

リュラガウスは傭兵学校に通ってる弟ですみゅー。

将来はガイウスギルド管理官長みたいな傭兵になりたいと高等鎌士(コウトウレンシ)を目指して修練していますみゅ。

「寮から帰ってくるってことか?」

お父さんが情けない顔をしたですみゅ。

「ええ、傭兵学校からかえってくるわよ…迎えにいこうかしら。」

お母さんがにやにやしながらいった。

若い筋肉が見られるのよねってお母さんが呟いた。


「おい、まったく筋肉はオレだけにしておけよ。」

お父さんがますます情けない顔をしたですみゅー。

「うふふ、本当にリンとリューさんはよくにてるわね。」

お母さんが楽しそうにお父さんの頬を撫でた。

「そうかよ…おい、それ飲むのか?」

お父さんが私の手元を見つめていった。

「みゅー。」

口にそのまま運んだお茶は砂糖がざらざらしていますみゅー。


紅茶風味の砂糖ですみゅー。


「お前…そんなに悩んでいたんか?カイ坊を絞めてやるからまってろ!」

お父さんが眉を吊り上げて言った。


カイ坊って…まさかカイレウスの事?知り合いなんですかにゅ?


「リューさん、メルティウス殿下も絞めないとね。」

お母さんがニコニコ恐ろしい事をいったみゅ。

そんな無理ですみゅ。

王宮警護官に逮捕されますみゅー。


「お、おいそりゃどういう意味だよ。」

お父さんがたじろいだ。

「あら、今、リンに求愛してるのはメルティウス殿下とカイレウスさんですもの、平等に絞めないとだわ、リューさん。」

お母さんがますますニコニコした…筋肉と筋肉のぶつかり合いねって呟いてる。


「…ま、まあ様子をみる…。」

お父さんがそう言いながらお母さんを抱き込んだ。

「やっぱりリューさんの筋肉が一番落ちつくわ。」

お母さんが嬉しそうに笑った。

「そうかよ。」

お父さんもそう言いながらもお母さんにキスしたですみゅー。


「いざとなったら私達はいつでもあなたの味方よ、だから王子様でも貴公子様でも好きなように振ってらっしゃい。」

お母さんが真剣な眼差しでいってくれたみゅ。

「うん、ありがとうですにゅ。」

王子様振ったら…王宮警護官ではいられないですみゅー。


もしかしたらグーレラーシャにも居られないかもですみゅー。


あれ…もしかして私…カイレウスがやっぱり好き?

だからメルティウス殿下を振る算段してるんですかにゅー?


「まあ、いざとなりゃつてをたよってシュホリド耕作国にでも一家で移住するか?」

お父さんが軽く言った。

シュホリド耕作国でお父さんは若い頃お仕事をしていたそうですみゅ。

そこのおじいさんおばあちゃんがよく美味しいお野菜送ってくれますみゅ…そう言えばリンちゃんこっちにおいでっていってくれてましたみゅー。

それもいいです…王宮警護官やめたくないですみゅー。

「あら、農業に光る筋肉もいいわね。」

お母さんがうきうきいってお父さんと私はずっこけたにゅ。


自分の気持ちにうそをつかないですみゅー。

でも、お母さんの呑気さにすくわれたきがしたみゅ。


その日は夕飯までうちにいて王宮に帰ってきましたみゅ。


めずらしくサリアノーレ先輩が王宮警護官の東詰め所にいましたみゅ。

いつもは配置に近い王太子殿下の部屋に近い詰め所に居るのに…どうしたんですかみゅー?

「おはよう、リンちゃん。」

サリアノーレ先輩が声をかけてくれたですみゅー。

「おはようございます。」

私はきちんと小豆色の長衣が乱れてないか確認しながら答えたですみゅ。

「おい、お前が来るとろくでもないさっさと王太子殿下のところにいったらどうだ?」

オプディア先輩がそういって業務日誌から顔を上げた。

「あら、ピアセウス、私のせいじゃないわよ、殿下が可愛い黒髪の乙女に恋してため息ついてるから回りが騒がしいだけよ。」

サリアノーレ先輩がニコニコといった。

今日も白銀の髪の毛のミツアミがきちんと結われていて有能な王宮警護官ですみゅー。


サリアノーレ先輩は優秀なので王太子付きの王宮警護官の一人なんですみゅー。


く、黒髪の乙女って私のことですかみゅー?


「黒髪の乙女はこれから国王執務室の方の警護だよ、オプディアも一緒にね。」

ニフィロ主任が勤務配置表の改定版らしきものを持ってきて言った。

「ニフィロ主任、それはどこからの命令ですか?」

固い表情でオプディア先輩が聞いたですみゅ。

「もちろん国王メリリノア陛下直々だよ、頑張ってね、サリアノーレ君が今、届けてくれたんだ。」

ニフィロ主任がにっこり笑った。

「お前…お前が未来の国王陛下の伴侶様…この国大丈夫かよ。」

オプディア先輩が頭を抱えたですみゅー。

そんなの大丈夫じゃありませんにゅー。


「あら、先代…先先代の国王陛下の伴侶様は異世界人ですもの大丈夫よ。」

サリアノーレ先輩が笑った。


全然大丈夫じゃないですみゅー。

きっと失敗しまうみゅー。


「とってくわれないから大丈夫ですよ。」

ニフィロ主任がニコニコ言った。

早くいけということらしいですみゅー。

「メルティウス殿下には食われるかもしれないけどね。」

サリアノーレ先輩が呟いた。


みゅーく、食われたくないですにゅー。


「あきらめていくか新人。」

オプディア先輩がため息をついて立ち上がった。


…む、無理ですみゅ。

私…カイレウスの事が…。


「お待たせしてはいけないよ。」

ニフィロ主任のやさしい言葉が今日はなぜかおいつめられますみゅ。


オプディア先輩が顎で行くぞと言うしぐさをしたですみゅ。

分かりました…観察されてきます…そして王太子殿下にふさわしくないと言う太鼓判をもらうですみゅー。

がんばりますみゅー。

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