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58話 プレゼント

俺は見慣れた部屋に横たわっていた。


……暗い。視界が遮られている。どうやら電気がついていないらしい。


しかし、電気を付けようと体を動かしてみるもビクともしない。恐らく拘束されているのだろう。


それから数分、俺が何度か体を動かしたせいか、物音が響いたようで、玄関の方から足音が聞こえてくる。


「……ん、あれ? 起きた?」


俺は慌てて、声のする方へ顔を向ける。


「──っ月城?」


俺が目を向けた先には、嬉しそうに微笑む月城の姿があった。


……俺は確か、月城のライブを見に行って、その後、芽衣とあって、それから……。


「おい月城?! 俺はなぜ拘束されているんだ?!」


「ゆーくんってば、とぼけてるの? 誤魔化せると思ってるの? 私以外の女と連絡先交換して、バレないとでも思ったの?」


月城は、殺意が剥き出しの目で俺を見つめている。


ということは、月城が俺と芽衣とのやり取りを知っている……? どこかで見ていたということか? おい、コイツは一体どこまで抜かりないんだ。


しかし、これが月城にバレてしまったからには、この状況にも頷ける。


すると、月城はため息混じりに再び口を開く。


「……私、悲しかったんだよ? せっかくゆーくんが私のモノになりつつあったのに。あんな泥棒猫に奪われるなんてたまったもんじゃない! って思ったら体が勝手に……」


「芽衣、芽衣はどうした!?」


俺は咄嗟に俺と一緒にいた芽衣の心配をしてしまう。


もしかすると、もしかするかもしれない。


なんて考えていると、月城は再び殺意剥き出しの目を向けてくる。


「はぁぁ、ゆーくんはあの女の心配するの? …………でも、大丈夫だよ。少し眠らせただけ」


と、不貞腐れたように月城はそう言うが、本当に眠らせただけなのだろうか。


……何か危ないことをしていないといいのだが、そんなこと今の俺には知る由もない。


それに、こんなに頑丈に拘束をされていたら身動きのひとつも取れやしない。


ひとまずコレをといてほしいのだが。


「あ、ああ。そうか。とりあえず俺の拘束をといてくれないか? これじゃあ、ちっとも動けない」


と俺が言うと、月城は心底不思議そうな表情を浮かべて、口を開く。


「だーめ。ゆーくんは私との約束破っちゃったんだから、信用できないよ。そんな状況で拘束なんて外せるわけないでしょ! もー、ゆーくんったら! 天然っ♡」

「……でも安心して! 今日からはずーっと私がお世話してあげるねっ♪」


俺は唖然としてしまう。俺の拘束を外す気は毛頭ないということか?


しかし、月城はそんなこと気にも止めずに話し続ける。 


「ふふ。そして、今日はゆーくんに誕生日プレゼントを用意してるの! 言ったでしょ! ゆーくんの誕生日は盛大に祝うって!」

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