60話 桜子ですけど、一考の余地がありそうな気配がします
調子に乗ってもう一話書いてみた♪
1939年12月28日
【トルコ東部で大規模な地震が発生!】
そういえば、トルコの東部やイランの辺りも、日本と同じく地震の多発地帯でしたね。
そしてこの時期に、トルコで巨大地震があったようななかったような?
しかし、二~三万人が亡くなった地震は確かに、これぐらいの時期に発生していた記憶が朧気ながらもありますので、もしかしたらこの地震がそうなのかも知れません。
トルコは親日国と言われていますし、ソ連とはロシア時代から不俱戴天の間柄なのだから、日本とトルコは同じくソ連を仮想敵国としてますので、トルコとの友情を深めておくことは、後々の為にも良さそうな気がしますね。
でも、この前に地震があったチリと同じく、トルコって遠いんですよね。トルコに海路で行く場合だと、マラッカ海峡、インド洋、スエズ運河、地中海、ボスポラス海峡。
こんな感じで、太平洋を横断することになるチリと同じぐらいの距離になってしまうのですよ。
つまり、日本からだとトルコまでは、1万7千kmの航海となるのです。とても同じアジアに属しているとは考えられない距離だと思います。
まあ、アジアという括りが大雑把で適当すぎるとも言えるのですが。
それよりも、今の季節は冬です。トルコは北半球にあるのだから、トルコも当然ながら冬です。
これは早急に毛布に食料と医薬品を送らなければ、寒さとかの二次被害で亡くなる人が増えそうな気がしますね。
トルコの周辺の国々で、トルコに援助できる余裕のありそうな国などパッとでは思い当たりません。
ギリシャ、ブルガリア、ルーマニアなどは、トルコと仲が悪そうですしね。
当然ながら、ソ連もですけど。
でもこれらの国々は、オスマントルコの時代があるから、仕方ないのかなぁ。
ある意味、トルコの自業自得なのかも知れませんが。
アラブに植民地や属国を持っているイギリスとフランスは、ドイツと戦争中ですし……
トルコを援助できそうな国力がある国で、周辺国で残っているのは消去法で探してみても、イタリアぐらいでしょうか?
イタリアにでも声を掛けてみるか? 目立ちたがり屋のドゥーチェのことだから、案外トルコの支援をやってくれそうな感じがしますし。
あー、でも、ロードス島の辺りって、イタリアとギリシャとトルコとで、領有権で揉めていた気もしましたね。ダメじゃん!
結論、イタリアもあまり当てには出来なさそう……
でも、一応は声を掛けても損はありませんので、期待せずに結果を待ちましょう。
「イタリアも協力してくれませんか?」とか、上目遣いに猫なで声でジェンティルウォモさんに声を掛けるだけならタダですしね。
【トルコの東アナトリア地方で大規模な地震が発生した模様。情報が錯そうしており、詳しい情報が入り難い状態になっている。しかし、首都のアンカラでもかなりの揺れを感じたので地震の震源地では、相当大きな揺れだったのだと想像できる。
また、東部の街エルジンジャンと音信が不通になっており、現地の様子が心配される。欧州では戦争中だが、今回の地震の規模から予想される被害状況を鑑みれば、国際社会からの支援が必要な可能性が極めて高い】
21世紀の情報が発達した時代とは違って、この時代では電話と無線ぐらいしか情報伝達の手段がなかったのでしたね。
だから、インフラが未熟な地方で災害が発生しても、首都に詳しい情報が届けられるまでには、かなりの時間が掛かったりするのも、致し方なしなのでしょう。
それはそうと、トルコに対しての支援の呼びかけをしなければ!
また、私の精神をガリガリと削ることになりそうですが……
『トルコの地しんで、亡くなった人にたいして、あいとうのまことをささげます。また、ひさいした人にたいしては、国さい社会からのしえんの手がさしのべられることを、ふじのみやさくらこは、きたいします!
ついしん…… わが大日本てい国も、こらいから地しんが多いですから、つね日ごろから、地しんへのそなえをしておきましょう。そなえあればうれいなしとか、昔のえらい人もいってましたよ?』
『藤宮桜子内親王殿下からのメッセージをお伝えしました。時刻はまもなく、午後七時になります。こちらはJ-AK、日本放送協会東京第一放送です』
うん。またピエロの役を演じ切ったよ…… 私、頑張った。
これで、今年のノーベル平和賞は、桜子ちゃんで決まったも当然でしょう。
【藤宮様の優しきお言葉に対して、全国から賛同の声!】
いやー、そんなこともあるよ。まあ、そうなるように仕向けたのですけどね!
【日本各地で広がるトルコ支援の輪!】
音頭を取ったといいますか、振り付けをしたのは私なんですけど、なんといいますか、日本人って本当に右に倣えが好きな民族だよね……
集団行動が好きな民族性なのだと、つくづく実感させられるよ。
まあ、私は集団行動って苦手なんですけどね!
しかし、ここまでとは。これは、ちょっと私の想像以上の動きですよ。
でも、日本各地の支援は、どうやって支援するつもりなんでしょうかね? トルコは地中海側で、日本からは約1万7千kmも離れているのですよ? ほぼ地球の裏側に近い距離なのですから、遠すぎますよね。
国際赤十字を通しての支援とかでしょうかね? それとも、トルコはイスラム教の国だから、赤新月社になるのかな?
赤新月社ってもう設立されてるのかな?
【空母加賀が、艦載機の代わりに支援物資を載せて、トルコに向けて横須賀を出港!】
は……?
そうくるとは、私にも予想外だったよ。
でも、チリ地震の時の赤城という前例がありますので、少しだけ想像はしていたけどさ。
これはもしかしたら、海軍の中で、「この前は赤城を出したのだから、今度は加賀の番だ!」とか、そんな感じの綱引きでもあったのかも知れませんね。
それにしても、加賀の母港って佐世保の気がしたんだけど、違ったかな?
まあ、支援物資を一番多く蓄えているのが横須賀だったので、横須賀まで回航してから支援物資を積み込んで、それから出航したのかも知れないですね。
トルコまでの航海日数は、18ノットで二十日ぐらいでしょうか?
地震発生から一か月近く経ってから到着する救援に、どれだけの意味があるのかまでは分かりませんけど、やらない善よりやる偽善ということです。
特に、こんな殺伐とした世の中ですから、なおさら偽善でもやらないよりはマシな気がしますしね。
それに、世界が戦争中だからこそ軍艦の平和利用は、なおのこと日本の国際貢献として、良いアピールになるはずですしね!
【トルコの地震被害に対して、イタリアが支援を表明! 日本と協力して事に当たるとのこと】
は……?
これこそ、本当に予想外だったよ!
この世界のイタリアは、アルバニアにも侵攻してませんし、一体全体どうなっているのでしょうかね?
もしかして、ドゥーチェが本当に寛容さと友愛にでも目覚めてしまったのでしょうか?
だとしたら、フランスへの宣戦布告はイタリアにとって最終的にはマイナスになると、サービスで言ってあげておいた方がいいのかな?
連合国イタリアの可能性が出てきたのかも知れません。
まあ、寝返り裏切り上等のイタリアですから、枢軸で参戦しても不利になったら連合に寝返るんですけれどね。
でもそれでは、最後にはドゥーチェが吊るされてしまうんだよなぁ。
ムッソリーニって、ファシストの生みの親とか言われてますけど、私的にはドゥーチェって、なんとなく憎めない感じの人柄の気がするのですよね。
まあ、私はドゥーチェには会ったことないし、前世でのHoIマスかなんかに私が毒されているだけなのかも知れないけど。
イタリアのマフィアが大人しかったのも、鉄道の遅延が少なかったのもドゥーチェの時代だけみたいですし、割とちゃんとした為政者をやっていたのではないのかな?
戦略的にみても、イタリアが枢軸に加わらないメリットって結構あると思うのですよ。
まず、地中海が安全に航行できる。これ大事ですよね?
スエズ運河も安心ですし、地中海にロイヤルネイビーを張り付けなくて済むので、浮いたリソースを大西洋に振り分けられるのだから、U-ボート対策も多少マシになります。
また、イギリスはアフリカでイタリアと戦わずに済むのだから、陸軍にもリソースを取られないから、その分で海軍と空軍も多少は強化できるはずであります。
チェンバレンとイーデンが、もう少しイタリアに飴を与えてくれてたら良かったのに、そう思わなくもありません。
イタリアの連合国側での参戦、もしくは最低でも局外中立って無理かな?
今さらだけれど、改めて一考の余地がありそうな気配が漂ってきた感じがします。
お父様に相談してみましょ♪
今度こそ次話は未定…




