表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第五部完結】1万5千PV突破 勇者パーティーをリストラされた俺(モブオ)はC級スキルをどんどん集めて、ざまぁ無双する。  作者: 虫松
第二部 出会い・成長編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/55

第6話 評価が追いつかない

掲示板には、簡素な依頼書が貼られていた。


《ウルフ五体の討伐》


危険度:低

報酬:少額


モブオとモモは、依頼書を剥がし、

その日のうちに仕事を終えた。


五体。

無駄なく、確実に。


炎で動きを封じ、

空振りの拳で制圧する。


派手さはない。

だが、失敗もない。


翌日、二人はギルドへ向かった。


受付の前。

依頼達成の報告。


職員は、淡々と確認する。


「……確かに、ウルフ五体ですね」


刻印石に記録された討伐証。

数は合っている。


「報酬はこちらになります」


銀貨が、机の上に置かれる。


以上。

それだけだった。


評価板が、書き換えられる。


・スキルランク:C

・実績:地味

・危険度対応:低


変わらない。


何も、変わっていない。


モブオは、内心で思う。


そりゃそうだ。


ギルドの評価基準は、明確だ。


高ランクスキルを使ったか。

派手な戦果を上げたか。

危険な依頼をこなしたか。


C級だけで倒したウルフ五体は、

「予定通り」の範囲でしかない。


ギルドの奥から、笑い声が聞こえる。


「なあ、見たか?」

「C級だけでやってるってさ」


「無理だろ」

「いずれ詰む」


冒険者たちの視線が、ちらりと向けられる。


期待も、警戒もない。


ただの嘲笑。


モモは、一瞬だけ肩をすくめた。


以前なら、俯いていた。


だが今は、違う。


「……別に、いいです」


小さく、笑う。


「私たち、数字の外にいますから」


モブオは、少しだけ目を細める。


数字の外。


評価表に書けない。

制度が測れない。


それは

弱さではない。


「行こう」


二人は、ギルドを後にする。


背中に向けられる視線を、

もう気にしなかった。


彼らはまだ、知らない。


評価が追いつかないのではない。

評価のほうが、追いつけないのだ。


そしてそれは、

いずれ“無視できない異常値”として、

世界に露見する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ