カースと神々
翌日の昼休み、早速私は図書室で神について調べてみた。
確かに多い。火の神一体何人いるんだよ! いや、何柱と言うんだったか?
何しろダブりが多いのだ。
火と空の神とか、火と山の神とか、空と大気の神とか、空と雲の神とか、煙と雲の神とか。
一部だとこんな感じだ。
誕生と安産、カーリーティ
成長と健康、ヴィルーダ
学問と知恵、ミネルヴァート
武芸と戦い、アーレース
芸術と芸能、テープシコレ
音楽と楽器、チャールベリ
月と運命、ヴァルナダーナ
火と熱、アグニアーマ
水と雨、サラスヴァトゥ
木と植物、トールカン
鍛治と武器、ケルニャータ
土と豊穣、デメテーラ
太陽、パイローナ
死と再生、トリローヌ
砂と飢餓、イワスヒーダル
鉱物と岩石、エウブレーラ
財産と商売、ヘルメネース
恋愛と結婚、ユガーノートゥ
縁切りと別離、ヤーキンカーラ
海と嵐、ネプトゥス
山と森、シャルマーシャ
夜と眠り、ワリエカトル
空と大気、オーテノス
時と宿命、クロノサティン
呪いと祟り、カースプローラ
ローランド王国の守護神、ディオアンヘル
覚えられるかー!
多分これで一割ぐらいだろう。これに異名を含めたらとんでもない数になる。
さらに祝福を貰うためには各神ごとの祈りの言葉がある。神父さんなんかはそれらを全て覚えているのだろうか。毎日どれかの祈りの言葉を唱えておけば、どれだけ祝福を貰えるんだ。
「アレックスちゃんは欲しい祝福とかあるの?」
「そうね、魔法の神、トトーラ様の祝福なんか欲しいわね。週に一回は祈りの言葉を唱えているわよ。」
週に一度? そんなんで貰えるのか?
真言百万遍って言葉があるが、さすがにそこまでやったら貰えそうな気もする。
「その祝福はどんな効果があるの?」
「魔力量を高めてくれるらしいわ。どのぐらい高まるかは本人次第だとか。」
「へー、それはいいね。」
しょぼいな。もっと特殊な魔法が使えるようになったりしないのか。大人になって魔力が上がらなくなったら欲しいかも知れないが。
めぼしい祝福があったら百万遍チャレンジしてみるのもいいかも知れないな。
さあ午後からの授業もがんばろう。
神から限られた者だけがいただける祝福を『しょぼい』などと感じる者が百万回唱えただけで貰えるものなのだろうか?
全ては神の気まぐれ次第なのだろう。
そもそもそんな野郎が百万回も根気が続くものなのだろうか。




