番外編 双子と次男が釣りをする話
お久しぶりです
また番外編です
「ヴァイにい」
「ヴァイ兄さん」
とツヴァイの部屋にフントとフィーアが入ってきた。
突然の出来事にツヴァイは顔色一つ変えずに
「どうしたんだ?」
と答えた。
「ヴァイ兄さん、釣りに行きましょう」
「そういうのは、兄さんに頼め」
「アイにいは、どっか出掛けてるから今日はヴァイにいなんだよ」
兄が出かけてることを思い出して、ツヴァイは尋ねる。
「それで、何を釣りに行くんだ?」
「うーんとね、リヴァイアサン」
そのフントの一言でツヴァイは口に含んでいた紅茶を全て吹き出した。
「なに考えているんだ」
「フィーアがリヴァイアサンの蒲焼き作りたいとか言い出すから、つい」
「なので行きましょう、ヴァイ兄さん」
「少しは他国のことも考えろ。一部地域では、リヴァイアサンは守り神として神聖な存在なんだ、それを釣り上げて蒲焼きにでもしたら戦争が始まってもおかしくないからな」
とツヴァイの説明に対し、フィーアとフントは不満そうな顔をした。下の子には甘いのがアーサリオン王家の特徴。ツヴァイは呆れながらも、
「まぁ、釣りぐらいだったら付き合ってもいいぞ」
「きゃー、ヴァイ兄さんツンデレ」
「やめようかな」
「ごめん、許してヴァイ兄さん」
慌てて、フィーアは謝った。
「まぁいい、何を釣るんだ」
「じゃあ、カイオ●ガ」
「ポ●モンはこの世界にはいない」
ちぇーとフントは拗ねる。ツヴァイは外に出てないのにもう疲れた。
■■■
「ふー、着いたね。さぁ、ヴァイ兄さん、フントさっさと釣ってきなさい。釣ったらすぐに調理してあげるから」
結局、3人は町外れの湖に来ていた。
「ねぇヴァイ兄、ギャラ●ス釣れるかな」
「ポ●モンの事は忘れろ」
「ちぇー」
1時間後、ツヴァイは悩んでいた。
「釣れない、フントは既に10匹釣っているのに1匹もつれてないなんてどういうことだ」
「ヴァイ兄、それは釣りレベルがたりないんだよ」
「この世界にレベルという概念はない」
ツヴァイの正論にフントは答える、
「どちらかと言うと熟練度だよ」
「なるほどな」
それからさらに30分後、ツヴァイの竿が強く引っ張られる。
「きたぞ、待って待て。めちゃくちゃ引っ張られる」
「ヴァイ兄、僕も手伝う」
2人が引っ張り岸に現れたのは、なんと3メートル程の魚だった。
「ほう、これは調理のしがいがあるね。まかせてよ」
とフィーアは料理をはじめた。
30分ほど経つとフィーアが料理を作り終えて、彼女の周りには色とりどりの魚料理があった。
「美味しいよ、フィーア」
「うめぇぞ」
「ふふん、でしょ。この天才料理人フィーア様にかかればちょちょいのちょいよ」
とフィーアは胸を張った。
「それでこれなんの魚なんだ?」
とツヴァイは訊ねる。
「わかんない」
「おう……」
フィーアの返しにツヴァイはちょっと心配になったが、この後も3人の時間はゆっくり過ぎていくのであった。
ちょっとこの作品の更新をしばらく止めさせてもらいます。今日投稿した新作とは別に書きたい作品があります。そっちが落ち着いたら、残りの婚約者編をまとめてあげようかなと思います。それでは、新作の方もよろしくお願いします。




