introduction
婚約者との初顔合わせは、旧魔王軍が作った3つの空中要塞の1つ、第一空中離宮ユピテルにて行われる。こう言ってみるととても立派な要塞のように聞こえるが、戦争終結後の両親の意味不明な改装により二階建ての家と庭があるだけになってしまい結構こじんまりしてる。
中に入るには、王が管理する、それぞれ3つずつある鍵でしか入れない。いかなる魔法や物理的な侵入を許さないことから、機密性の高い情報のやり取りには、もってこいで他国との対談やその他密会などで用いられる。
そんな空中離宮が用いられるという事から、異国の姫が婚約者なのではとか思いちょっとドキドキしてきた。
そんな事を思いながらタキシードに身を包み父の部屋に向かった。今回、空中離宮に行くのは、俺、父、ロゼッタさんに俺のお付としてペテロを加えての4人だ。
「よう、アインさっさと行くぞ」
と父の部屋に着くと、父は鍵を掲げ鍵の中に入ってる空間魔法を発動させ俺達は、ユピテルに移動した。
ユピテルに着くと青い空に気持ちよく吹く風と手入れが行き届いた一面緑の芝でできた庭の組み合わせがとても綺麗だった。
庭からユピテルにある唯一の建物、ユピテル邸の中に移動すると
「ソル様、アイン様。それに従者の御二方、ようこそ第一空中離宮ユピテルへ」
と迎えに来てくれたのは、中年の魔族の男性。彼は第1空中離宮ユピテル管理者ジウスだ。離宮は、昔の母直属部隊の人達がそれぞれ管理人をしている。ジウスもかつての戦いでは、迅雷のジウスとして有名だったらしい。
「ゼクスも御苦労」
「いえ、大したことではございません。もう、皆様お揃いですので応接室にどうぞ」
「分かった」
俺達は応接室の中に入った。
「すまない、待たせてしまって」
と父が入った後俺が入ると。
「へー、これが私の婚約者なのね。とんだちんちくりんね」
「ひぃー、第一王子様が私の婚約者なんですかー!」
2人の少女がいた。




