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転生令嬢ヴィルミーナの場合  作者: 白煙モクスケ
第1部:少女時代

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88/336

9:3

大陸共通暦1767年:ベルネシア王国暦250年:初冬。

大陸西方メーヴラント:ベルネシア王国:クェザリン郡。

――――――――――――――――――――

 クェザリン郡では、代官の嫡男アルブレヒトや同じく出征した若者達の帰還が大いに祝われた。


 そして、ここ数年消息不明だった代官次男坊レーヴレヒトの姿に皆が驚き――若い娘達が黄色い歓声と悩ましげな吐息をこぼす。

 なんせレーヴレヒトは涼しげな優男の美青年に成長していた。しかも、イケメンを見慣れた貴族令嬢達ですら舞い上がってしまう色気を持っている。騒がれない方が難しい。


 兄アルブレヒトの方は父譲りの精悍な面差しをしていて、軍礼装姿で軍馬に騎乗した姿はまさに若武者だった。次代の頭領として頼もしささえ感じる。


 無論、中には不帰の者もいるわけで、帰還者達の中に親兄弟我が子がいない者達は悲しみを強くする。

 戦争とは勝っても、全員に喜びをもたらさない。


 代官屋敷が見えてくると、レーヴレヒトは酷く落ち着かない気分になってきた。なんせ4年振り、それもつい最近まで音信不通の4年振りである。どんな“出迎え”を受けることやら……


「兄上。なんか急に帰りたくなくなってきました」

「泣く子も黙る特殊猟兵が情けないこと言うな」

 アルブレヒトは弟の泣き言を笑い飛ばし、ぽんぽんとレーヴレヒトの肩を叩く。

「大丈夫だ。父上も母上も喜ぶ。それにまあ、俺の嫁も紹介せんといかんしな」



 そうして、兄弟は代官屋敷の正門をくぐった。

 代官屋敷正面玄関前へ出迎えに現れた家族――父ゼーロウ男爵は息子達の帰還を喜び、母ゼーロウ男爵夫人は涙ぐみ、レーヴレヒトが初めて顔を合わせる兄嫁は一直線にアルブレヒトへ駆け寄り、抱き着いた。


 父が代表して言った。

「おかえり、アルブレヒト。それに、レーヴレヒト」


「はい、父上。それに、母上。無事に帰ってこれました。お土産付きで」

 アルブレヒトは嫁を抱きかかえつつ、レーヴレヒトを示した。

「ただいま帰りました。父上。母上」

 レーヴレヒトは照れ臭そうに微笑む。


 4年振りの帰宅だ。


              〇


 帰宅祝いの宴会は家族だけで。

 家人達もこの日は早々に休みを与えられた(家人達も出征した身内が帰ってきたのだ)。


 ウン年振りにゼーロウ男爵家の家族が揃い、新たな家族も増えた宴席は和やかに賑わった。

 長テーブルの上にたくさんの料理が並ぶ。

 厚切りの豚ステーキは塩レモンソース。揚げジャガイモと茹で白アスパラがどっさり。エンドウ豆の煮込みスープ。自家製ピクルスとザワークラウト。クリームクロケット。ワインの白と赤。


 レーヴレヒトは故郷の、実家の味を堪能する、も、んん? と眉根を寄せた。

「当家の料理はこんな味でしたっけ? とても美味いんですが、なんか記憶と一致しないというか」


「記憶や思い出は美化されるそうだぞ。軍ではどんなものを食べていたんだ?」

「正式に軍務へ就いてからは現地人と同じ食べ物ですね。体臭とかを現地人に似せるために食べ物から合わせる必要があったんです」

 レーヴレヒトは父へ応じつつ、ワインの注がれたグラスを傾ける。

「あとは任務中に食べる携帯口糧と……その辺にいる生き物ですかね」


「ちょっと待て、レヴ。その辺にいる生き物ってなんだ」

「そりゃまあ、トカゲとかカエルとかバッタとか。目の前にぽっと出てきた奴を捕まえて、そのまま口に」

 レーヴレヒトがさらっと兄へ答えると、その隣の義姉が目を白黒させた。


「え? ……え? それって、トカゲやカエルやバッタを生きたまま、食べた?」

「敵勢力圏内でいちいち料理してられませんから、基本は生ですね。いやあ、慣れるまでは何度も腹を壊しましたよ」

 ははは、と笑うレーヴレヒトに、家族は目を瞬かせる。


「そうだよなあ、特殊猟兵は精鋭だからな。苦労も多いよな……」

 同情気味の眼差しを向ける兄。憐憫の視線を送る義姉。唖然とする母。瞑目する父。

 あれ? 軍ではよく受けたんだけどな? 小首を傾げるレーヴレヒト。


「これは、大丈夫か? そこらで虫を捕まえて食ったりしないか?」

「……仕込みなおしましょ」

 父と母が声を潜めて真剣に話し合う。


「それで」と気を取り直した兄が尋ねる。「いろいろ勲章をぶら下げてるんだ。手柄話があるんだろ?」

「まあ、食事時にはあまり適した話でもないので……それより、俺が参加できなかった兄上の結婚式の話を聞かせてください」


 レーヴレヒトが話を振ると、どういう訳か、皆揃って、くたびれ顔やげんなり顔や渋面を浮かべた。特に義姉が酷い。スンッと完全な無表情になった。

 どうやら楽しい話が聞けそうだ。


                 〇


 兄嫁であるマルガレーテは旧姓をデア・マルトラワースという。

 実家マルトラワース家は王国北東部国境近辺に領地を持つ伯爵家で、王家直参貴族ではなくベルネシア王国に臣従した外様貴族だ。


 この時代のベルネシア王国で自領を持っている貴族は極少数だった。王家直参の貴族はもちろん、王族すら自領を持たない。基本は王家直轄地の代官として領地を預かる。その領地の規模は爵位の格と家の功績に比例する。

 なお、領地持ちとはいえ、外様は直参より法的特権が少ない。領地を持たない持てない直参組の不満を減らすための措置だ。


 そんな外様貴族マルトラワース伯爵家には、長女マルガレーテの他に兄が二人いる。マルトラワース伯爵と兄達はマルガレーテを目に入れても痛くないほど可愛がっており、王立学園でゼーロウ男爵家長男との恋愛が発覚した際、それぞれが戦刀を担いで飛び出そうとした、なんて逸話がある(同じくシスコン兄貴を持つデルフィネの将来もこうなりそうだ)。


 両親と兄達から愛されて育ったマルガレーテは、朗らかでお淑やかな娘だった。一歳年上のゼーロウ男爵家嫡男アルブレヒトと大恋愛の末に婚約し、マルガレーテの学園卒業と共に結婚した。政略など抜きの恋愛婚である。


 田舎男爵の倅如きに娘をやれるか、と息巻く父と兄達を説得したのは、マルガレーテの母マルトラワース伯爵夫人である。


 娘を愛する母親でありつつも、怜悧な貴族婦人である伯爵夫人は、懇々と夫とバカ息子達を説き伏せた。

 冷徹にゼーロウ家の情報を分析した彼女は、ゼーロウ家が王妹大公家と親密であること、王妹大公令嬢の事業を請け負って裕福であること、マルガレーテが嫁ぐことで王妹大公家とコネを持てるなど、この婚儀の利を説いた。

 伯爵は不満を抱きつつも、当主として怜悧な判断を下して妥協した。バカ兄貴達も渋々納得した。


 で。


 伯爵一家は鬱憤晴らしとばかりに、ド派手な花嫁行列を為してクェザリン郡へ乗り込んだ。

 これに発奮したのが、ゼーロウ男爵家の親戚衆(多くは平民の富裕層となっている)だった。親戚衆は「派手な真似しおってからに、負けてなるものか」と、急遽、披露宴で牛の丸焼きを作るやら、酒を樽で振る舞うわ、吟遊詩人やら演奏家やら搔き集めて大合唱するわ……


 酔っぱらった男衆が腕相撲大会を始めるわ、王妹大公令嬢が郡の技術者達に詰め寄られるわ、ドレスを汚されたと大騒ぎする婦人方が続出するわ、迷子が泣き叫ぶわ……


 挙句に、べろんべろんに酔ったマルトラワース伯は号泣しながら「やーだーやっぱりグレーチェンを嫁に出したくないぉ~~」と喚き散らすわ、シスコン兄貴達が新郎のアルブレヒトとその父ゼーロウ男爵を酔い潰させてゲハハハと爆笑するわ……


 もはや結婚式というより単なる宴会だった。それも、後々語り継がれるような大どんちゃん騒ぎだった。その後始末の大変さも、長く語り継がれることになった。


 ちなみに、この結婚式の有様に最も憤慨したのは、花嫁のマルガレーテだ。

 大事な結婚式が壮絶なバカ騒ぎになるわ、新郎のアルブレヒトが酔い潰れて初夜を一人寝することなるわ、翌日も翌日で誰も彼もが二日酔いでまともに動けないわ、で散々だった。

 おかげで、今も結婚式の話題を出すと表情が凍り付く。


           〇


「残念だな。是が非でも参加したかった」

 話を聞き終えたレーヴレヒトは食後の御茶を啜りながら、楽しそうに微笑む。

「笑いごとじゃありません」とマルガレーテは唇を尖らせ「本当に大変だったんですから」


「これは失礼を。しかし、義姉上の御実家はともかく、うちの親戚衆はよくもまあ、そこまで羽目を外せましたね。母上は止めなかったので?」

 水を向けられた母がむすっとした面持ちで唸る。

「……母でもどうにもならぬことがあるのです」


 父が後でこっそりとレーヴレヒトに教えた内容によれば、母の実家セーレ家から参加した親族が騒ぎにノってしまい、母はその対応で手いっぱいだったらしい。

 なんとまあ、楽しい宴だったようだ。レーヴレヒトは参加できなかったことを改めて残念に思う。一生からかうネタに困らなかったろうに。


「安心しろレーヴレヒト。お前が結婚する時も同様の大騒ぎにしてやる」

 兄が呪いをかけるように言った。声色はマジだが、面持ちは笑っている。


 それは怖い、とレーヴレヒトは笑った。破天荒だった結婚式に思うところはありそうだが、楽しい思い出なのだろう。兄の屈託のない笑顔を見たのはいつ以来だったか。義姉との結婚で随分と人柄が柔らかくなったのかもしれない。

 なんとなく、家に帰ってきたんだな、とレーヴレヒトは実感した。


            〇


 楽しい食事の時間が終わり、兄夫婦は代官屋敷離れへ向かう。

 父に誘われ、レーヴレヒトは私室へ足を運んだ。


 歴代当主が使ってきたこの部屋は、基本的に家族と本当に極近しい者しか入れない(家族すら立ち入らせない当主も居た)。


 立場がある人間は所作や言葉遣い、服装に持ち物、果ては住居、部屋まで見定められる。

 たとえば、質素すぎる部屋では『調度品に金を回す余裕もないのかよ』と侮られるし、かといって余人が期待する代官像から逸脱した内装では『大丈夫かよこいつ』と不安不信を招く。


 そんな当主の私室は、壁の棚に鉱物のサンプルがたくさん並んでいた。父は若い頃に領地を富ませるヒントを求めて土壌研究に手を付け、鉱物の魅力にハマったらしい。様々な鉱物のサンプルや原石、結晶などが丁寧に飾られている。


 父は大きなデスクの前に椅子を置いてレーヴレヒトを座らせると、自身はデスクの席についた。大きな引き出しから蒸留酒のボトルとグラスを二つ取り出す。高級酒だった。


 ツマミはないが、と父が保湿箱を取り出す。外洋領土産の細巻きだ。

「そうだ。父上にこれを差し上げますよ」

 レーヴレヒトは軍服のポケットから乳白色の美しい煙草ケースを取り出した。

「大冥洋海竜の牙で作られた品です。本当はゼーロウ男爵家の家紋を入れたかったんですが、まあ、それは郡の職人に依頼してください」


「どうせなら家紋を入れてから持ってくればよかろうに」

 苦笑いする父はたばこケースを嬉しそうに受け取った。


 父は細巻きをくわえ、魔導術で火を点した。深々と吸い込み、ゆっくりと紫煙を吐き出す。

 レーヴレヒトも父の用意した細巻きをくわえて火を点ける。これはまた高い酒ですね、と言いながら用意された2つのグラスに蒸留酒を指2本分注ぐ。


 二人はしばし何も言わず、紫煙を嗜みながら琥珀色の蒸留酒を嗜む。淡い灯りの魔導灯が時折、ふらりと揺れた。


「この音信不通の4年間、母さんは随分とお前を心配していたぞ。ヴィルミーナ様も随分とお前のことを気にかけていらした」

 おもむろに切り出した父へ、レーヴレヒトはバツが悪そうに応じた。

「言い訳すると、軍機を守っていただけなんですが、どうも要領が悪かっただけなようで。ヴィルミーナ様にもたっぷり叱られました」


「お前は昔から恐ろしく切れる時もあれば、とことん抜けている時もあるからな」

 父は苦笑いをこぼし、ふ、と真顔になる。

「二人の我が子を揃って戦場に出すことには……正直、堪えた。レーヴレヒト。俺は戦争に行ったことが無い。幸いにして、俺の世代は国境の小競り合いしかなかったからな。戦場へ駆り出されることもなかった」


 大陸西方メーヴラントにおいて、戦争や叛乱、一揆は風物詩で『日常』だった。

 それでも、外洋進出が始まって以来、少なくともベルネシア本国は国境周辺の小競り合いとモンスター禍くらいしか経験していない(現国王の弟はその小競り合いで命を落としたが)。


 外洋進出以前は軍だけでは対処しきれず、軍事教育をろくに受けていない貴族子弟や平民を徴兵し、戦場へ送りこむような戦いを幾度か経験している。

 そういう意味では、此度のベルネシア戦役はまさに久々の総力戦だった。


「父上。戦争なんて領内で行われるモンスター駆除や山賊討伐と大差ありませんよ。いや、友軍の支援がある分、戦争の方が楽かもしれない」

 レーヴレヒトはさらりと告げ、蒸留酒を舐めた。

「軍隊暮らしは恐ろしくもあり、興奮を覚えることでもあり、苦しく悲しくもあり、楽しく面白くもある。存外に俺の性に合ってました」


「母さんの勧めは正しかったか」

 紫煙をくゆらせ、父は息子に尋ねる。

「これからどうするんだ? 負傷したと聞いたが、予備役に編入されるのか?」


「いえ、任期が残っていますから、しばらくは軍隊暮らしが続きます」

 レーヴレヒトは家族に死にかけたことを伏せていた。兄にもちょっと負傷したとしか言っていない。心配させたくないというレーヴレヒトなりの気遣いだが……。


 そして、レーヴレヒトは思い出したように、

「あ。そうそう。忘れてました」

「ん? なんだ?」

 片眉を上げた父へ言った。


「ヴィルミーナ様と婚約することになりました」


「ほう。そうか。それは……」

 父は首肯し、ん? と眉根を寄せた。

「ちょっと、待て。誰と誰が婚約するって?」

「俺とヴィルミーナ様です」

 レーヴレヒトはしれっと応じて蒸留酒を舐めた。


 父は目を白黒させ、顔を赤く青く変化させた後、

「それを早く言わんか―――――――――――――っ!!」


      〇


 翌日。

 朝食が済むやいなや、ゼーロウ男爵家家族会議が催された。当然だよなあ?


「現地人の嫁と子供を連れて帰ってくる方がまだマシだったな……」

 父ゼーロウ男爵は目元を覆って嘆く。


「御縁自体はありがたいけれど……話が大きすぎる……」

 母ゼーロウ男爵夫人は額を押さえて嘆く。


「あの、アル様。これはいったい……」

 兄嫁は事態が呑み込めず夫に問う。

「ヴィルミーナ様は王妹大公令嬢だ。当然、男爵家のウチとは家格が釣り合わない。レーヴレヒトは一旦、他家と養子縁組して婿入りすることになるだろうが、ヴィルミーナ様は自身も大資産家で大実業家だ。いろいろ政治が絡む。もちろん当家も無縁ではない。つまり―――」


「これから目の回るような事態が生じるということだ」

 父は深々と嘆息を吐いた。


「じゃあ、結婚しないで内縁関係にでもとどめます?」

 しれっとレーヴレヒトが恐ろしいことを言った。


「バカなこと言ってるんじゃありませんっ! そのような不義理で不道徳な関係が許されるわけないでしょうっ!!」

 母が角を生やしそうな勢いで憤慨する。

「だいたい、ユーフェリア様が許すわけありませんっ!!」


 母の指摘を聞き、父がハッとしてレーヴレヒトへ尋ねる。

「そうだ。ユーフェリア様はこのことをご存じなのか?」


「まだ正式な話ではないので、御挨拶には伺っていません。まずは父上と母上に話を通しておこうかと。まあ、ヴィルミーナ様がお伝えしてるでしょうが」

 レーヴレヒトがさらりと回答する。


「だよなあ……アルブレヒトの嫁取りも大変だったが、レーヴレヒトの婿入りはそれ以上だな……」

「四年も音信不通でようやく帰ってきたと思ったら、大公令嬢様と口約束で婚約したとか……この子は本当に……」

「お前は想像の斜め上の騒ぎを起こす奴だな……」

 アルブレヒトも両親同様に頭を抱えて唸る。


 家族が頭を抱えて唸る様に、レーヴレヒトは『なんか大変なことになったなあ』とどこか他人事のような感慨を抱きつつ、

「ふむ」

 懊悩する家族を見回して小さく頷き、微笑んだ。

「まあ、そう慌てなくても、すぐに挙式、ということにはなりませんて。婚約したとして、2、3年は様子見になると思いますよ」


「どういうことだ?」「説明なさい」

 訝る両親へレーヴレヒトは首肯し、

「ヴィルミーナ様は今、事業を軌道に乗せるためにてんやわんやですし、俺も軍の再建に合わせてどこへ配属されるか分かりません。またぞろ外洋領土巡りかもしれないし、南小大陸の戦に派遣されるかもしれない。俺の任期明けまで式は先延ばし、ということもありえますよ」

 言った。

「場合によっては、任務中に戦死ということもあり得ます。この間も死にかけましたしね」


「不吉なことを言うんじゃ……待ちなさい。死にかけた?」

 母が眉目をキリキリと吊り上げ、

「レーヴレヒト。母は何も聞いてませんよ」

 知っていて隠していたのか、と言いたげにアルブレヒトを睨む。


 ぎょっとしたアルブレヒトは慌てて首を横に振った。

「隠してない隠してないっ! 俺も初耳ですっ! おい、レーヴレヒトッ!」


 レーヴレヒトは自身の失言で事態を悪化させたことに気づき、他人事のように呟く。

「あちゃー」

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[一言] >同様の大騒ぎ とてもできそうにありませんね…(震え
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