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転生令嬢ヴィルミーナの場合  作者: 白煙モクスケ
第3部:淑女時代

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305/336

21:8a

大変お待たせして申し訳ありません

大陸共通暦1785年:王国暦267年:夏

大陸西方メーヴラント:ベルネシア王国:リュッツェン市

―――――――――

 世界初のモータースポーツレース――歴史的大イベントが開催されているリュッツェン市は、朝早くから騒々しかった。


 特に、優勝候補の一角であるステラヒール社のスタッフが逗留している宿は、大騒ぎだった。

叩き起こされたエルンスト・プロドームは寝間着姿のまま宿のサロンへ連行され、

「ベンソン君が動けんというのは、どういうことだねっ!」

 事情を聞かされて大仰天していた。


 いよいよ蒸気自動車レースが催されるこの朝、ステラヒール社のドライバーを勤めるミック・ベンソンがえらいことになっていた。


 主任技師のカーヤ・ストロミロや開発管理責任者のシモン・フランソワ・ディメなどサロンへ集められたステラヒール社の面々が互いに困り顔を見合わせる。


 そして、責任者としてシモンが代表して口を開き、

「今説明したまんまです、社長。最初は深酒でもしたのかと思っていたんですがね」

 周囲を見回してから大柄な体を縮めるように小声で告げた。

「医者に診せたところ、命に別状はないようですが、とてもレースに出られる状態ではないと……どうも一服盛られたかもしれんそうです」


「――――なんだと?」

 予期せぬ剣呑な報告に、エルンストは目を剥いた。衝撃な事実に怒気を発散させ、瞬時に権謀術数を解する沈着な経営者に立ち戻る。

「間違いないのかね?」


 山賊染みた顔一杯に困惑と憔悴を湛え、シモンは首肯する。

「医者がヤブな可能性はあっても、嘘をつく理由はありません」


「私の大事な“祭り”に水を差すどころか、氷塊をぶち込んで来た奴がいる訳か」

 エルンストは静かに怒気を発しながら、脳裏でこの舐めた真似をしそうな奴の心当たりを探す。真っ先に挙がった名前が腐れ婿のベン・ルダーティンだったことは言うまでもない。


 しかし、シモンが想像した名前は違ったらしい。

「……白獅子ですかね? ウチの優勝を阻むために」


 ヴィルミーナが耳にしたらブチギレそうな言い掛かりである。が、濡れ衣を掛けられるくらいには後ろ暗いところがあることも、また事実。弁護しておけば、“それでも”白獅子はまだマシな方だ。大勢を失業させ、路頭に迷わせ、死に追いやり、ついには国すら滅ぼしたが、“それでも”、マシな方だった。


 エルンストは大きく頭を振り、シモンを窘めるように語る。

「ディメ君。確かに白獅子は毀誉褒貶の激しい組織だし、よくない噂も少なくないがね。ヴィルミーナという人はお祭りごとでこんな野暮な真似をするような淑女ではない。迂闊な発言は控えたまえ。こういう無粋なことをするのは……」


 不愉快な婿の忌々しい面が脳裏をよぎり、エルンストは仏頂面を浮かべた。

「……犯人捜しは後でも出来る。今はドライバーの代役だ。くそぅ。この事態は想定してなかった。予備のドライバーを用意してない」


 その発言は少し実情と違う。ステラヒール社はレース用マシン『MkⅡ・ドンダー』の開発に金をぶっ込み過ぎて予備ドライバーを雇い、育成する余裕がなかった。

 まあ、良かった探しをするなら、自動車黎明期はレースドライバーも素人に毛が生えた程度の腕前だということ。この時代のレーサーに求められる資質は運転技術の高低や優劣ではなく、下手したら死んじまう代物に乗り込む勇気の有無だ。


 シモンは太い腕を組んで唸り、

「連れてきたスタッフ内で、ベンソンのように白獅子やイストリアのドライバーと競り合える技術がある者となると……」

 サロンの隅に控えていた仄かな薄褐色肌の美少女へ目線を向ける。釣られるようにエルンストや他のスタッフ達、カーヤの目線がイネス・バラーサに集中した。


「っ!? み、皆さん、なんで私を見てらっしゃるんですか?」

 あまり物怖じしない性格のイネスも、切羽詰まった大人達の余裕のない目線を浴び、腰が引けた。なんだかんだ言ってもイネス嬢はまだ若い乙女。このような状況でも平然としていられるような、どこかの大公令嬢みたいな図太い心胆を持ち合わせていない。


「……たしかに、イネス嬢は何度も試験運転に参加しているが、可能なのかね? MkⅡはかなり尖った性能のマシンだぞ?」

 エルンストがシモンへ問う。


 ステラヒール社はなんだかんだ言って組織規模も稼ぎもまだまだカツカツだった。そのため、いろんなところで節約――ケチっていた。その節約術の一環として、開発車輛の試験者は専属テストドライバーではなく、開発スタッフや社内の従業員が多かった。


 中でも主任技師秘書兼侍女のイネス・バラーサは北洋貿易商事が紹介しただけあって有能で物覚えも良かったため、頻繁に試験運転や試験走行に駆り出されていた。まあ、これは『女性運転者』の視点や意見も欲した、という理由もあるけれども。


「社の試験場では、なんだかんだでベンソンに次いで運転時間をこなしてますな」とシモン。

「イネスならドンダーを預けられる」とカーヤ。

 他のスタッフもうんうんと首肯していた。日頃のきっちりした仕事振り(主にカーヤの世話)を見ているためか、非常に信頼が厚い。


 気づけばとんでもない大役を任されそうになっており、イネスは顔を蒼くして悲鳴を上げる。そりゃ秘書仕事やメイド仕事や寝室の“お勤め”は十全にこなせる。ちょっとくらいなら護衛紛いの荒事も出来る。技能と経験に自信もある。

 だけど、この大舞台でレースドライバーをやれ、というのはいくらなんでも――


「む、無茶ですっ! 私は秘書兼侍女に過ぎませんっ! 無理を仰らないでくださいませっ!」

 もっともな意見である。が、


「イネス。私は常に可能なことと実現できることしか言わない。私が乗れるといったなら、イネスはあのマシンを乗りこなせる」

 カーヤはイネスの目を真っ直ぐ見つめて告げた。

「だから、乗りなさい」


「無理ですっ!」

 イネスはぶるぶると首を横に振りながら拒絶。予期せぬ大役を前にビビりまくっていた。


「ディメ君。本当にイネス嬢ならば、扱えるのかね?」

 エルンストがイネスの搭乗を本気で検討し始め、

「無理です無理ですっ! エルンスト様、無理ですからっ!」


「運転自体は問題ないです。ただ、マシンの性能を十全に引き出してレースが出来るかと言われたなら――」

「イネスは出来る」

 若干の不安を口にするシモンと、言葉尻に自身の意見を重ねるカーヤ。


「出来ませんってば!」

 ついには泣きが入っちゃう混血乙女。可愛い。


「イネス」

 カーヤはイネスの許へ歩み寄り、愛らしい細面を両手で包み、柔らかく語りかけた。

「私は貴女を心から信用し、信頼し……愛してる。だから、貴女には出来ると言っている。貴女の能力と実力があれば、あのマシンを完璧に走らせられる。だから、乗りなさい。乗って、イネス・バラーサの名前を歴史に刻んできなさい」


「おだててもダメですよぉ」

 半ベソを掻いてイヤイヤと身悶えするイネスちゃん。可愛い。


 美女と美少女のやり取りを見たエルンストは、いつもの道楽家気質を強く強く刺激され、決断した。どうせ伸るか反るかの大勝負を挑むつもりだったのだから、これもまた一興。


 敗れた時はせいぜい自分が泥を被り、世間から彼女達とスタッフを守れば良い。だが、勝った時はいったいどれほどの衝撃を世間に与えるだろうか。


 外洋領土出身の混血少女が世界初のモータースポーツ大会(しかも陛下御観戦の天覧大会)で優勝したら。


 エルンストは内に渦巻く熱と魂から込み上がる昂奮に思わず勃起しかけた。汚名や非難を被るリスクを考慮しても、挑むべき大博奕だ。

「不本意極まりないだろうベンソン君には悪いが……私はこの歴史的大勝負の機会を得られたことを、神に感謝しているよ」


 経営者はにんまりと悪戯坊主みたく笑い、制作監督者へ問い質す。

「ディメ君。レース開始までにマシンを彼女に合わせて調整できるかね?」


 シモン・フランソワ・ディメは道楽者の上役に苦笑いしつつ、スタッフ一同を見回した。どいつもこいつも腹を括った目をして、心底楽しげに笑っている。

「是が非でも間に合わせてみせましょう。ストロミロ女史にも手伝ってもらいますが」


「当然」

 カーヤは半ベソ顔のイネスの銀髪を慈しむように撫でながら即答した。女性的現実主義から歴史的大博奕にロマンなど見出していなかったけれど、自分の愛おしい乙女が大勝負に臨むというのに、自分が関与しないなどあり得ない。


「よろしい。よろしい。諸君、とてもよろしい。大いによろしい」

 エルンストは両腕を大きく伸ばし、戯画的に言葉を紡ぐ。

「私は大会本部にドライバーの変更を申告しにいく。必ず飲ませるから作業を始めたまえ」


「社長」スタッフの一人が言った「イネス嬢のために女性用の運転服が必要です」

「――ああ。そうだな。せっかくの大一番だ。ぶかぶかの男物では格好がつかないね。しかし、どうしたものか」

 思案顔を浮かべたエルンストへ、別のスタッフが注進。

「たしか、ロートヴェルヒのブースで女性用運転服が展示されていました。それを譲ってもらって我が社の社章とロゴを縫い付けましょう。急拵えですが、無いよりマシです」


「分かった。そちらも私が交渉してくる。そうだ、この街にも針子はいるだろう。金幣でビンタしてでも連れてきたまえ。イネス嬢の晴衣装だ。急拵えとはいえ無様なものは着せられん」

 エルンストはすっかり意気軒昂になった面々へ発破をかけた。

「さあ、諸君。取り掛かれっ!」

『おおっ!!』


 吠える面々の中で、イネス・バラーサは半ベソ顔で嘆く。

「私の意見はぁ?」



 で。



「なるほど。そういうことでしたら、特例として認めましょう。書類上の手続きはこちらで処理しておきます。ロートヴェルヒ社にも私共から御社に便宜を図るよう要請します」

 本大会の実行委員長を務める白獅子財閥大幹部、側近衆“隻足の山猫”マリサリス・ヴァン・ネスケンは日頃と打って変わって、見事な淑女振りで急な来客と用向きに対応した。


「感謝する」とエルンストは安堵の息をこぼし「では、また後程」

 他にもやるべきことが山積みのエルンストは早々に退室しようとするも、


「プロドーム殿。これは大会実行委員長ではなく、白獅子の者として確認したいのですが……」

 マリサに呼び止められ、エルンストは足を止めた。

「何かね?」


 瞬間。マリサは淑女の皮を脱ぎ捨て、爪牙を剥いた山猫のような目つきになった。

「小娘を乗せて挑むなんて……あんた、白獅子をナメてんの?」


 凄まじい殺気に、この場に同席していた部下や関係者がゾッと顔を蒼くする。

 商いをしていても、白獅子側近衆は皆、面目を重視する御貴族様の生まれだ。ナメられる、ということがDNAレベルで我慢ならない。特に、敬愛するヴィルミーナと大事な仲間達と共に築き上げた白獅子をナメられたなら、マリサはとても冷静でいられない。


「誤解されているようですな、マリサリス婦人」

 危険な爪牙に晒されながら、エルンストは心底満足げに口端を吊り上げ、朗々と謳う。

「彼女は小娘ではないっ! イネス・バラーサは我が社が自信を持って搭乗させる世界初の女性ドライバーだっ!! そちらこそナメないでいただこうかっ!!!!」




 ホテルにて、娘のジゼルと共に本日の礼装を選んでいたヴィルミーナに、御付き侍女メリーナが小声でステラヒール社のドライバー変更を報告した。

「マリサ様からは以上です」


「ふむ……年若い女性運転手に変更か。道楽者らしい大胆な挑戦ね」

 ヴィルミーナはくすりと小さく微笑み、

「私達の大事な催し物に無粋な真似をした慮外者がいる、か」

 愛娘が自身の御付き侍女と共にあーでもないこーでもないとドレス選びをする様を柔らかく見つめながら、


「その慮外者を捕らえたところで、どうせトカゲの尻尾なのでしょうけれど、」

 メリーナにのみ聞こえるよう告げた。氷より冷たい声で。

「見つけ出して“適切に当たる罰”を与えなさい。私の意向がトカゲの耳目へ届くように」

「御意のままに」とメリーナが頷く。


「ママ? どうかしたの?」と勘の良いジゼルが不安げに問う「お仕事?」

 ヴィルミーナは娘を不安にさせたことを反省しつつ、改めて笑みを作り直した。

「大会のことでちょっとね。大丈夫、今日はジゼルや皆と一緒に過ごせるわ。さ、ドレス選びをしましょう。両陛下や王子方と御一緒だから素敵なドレスを選ばないとね」


「うん!」

 愛娘の笑みは大輪の花のようだった。


       ○


 ドムネル=ニムハウゼン湖沼地帯の森林内。ニーヴァリ独立機動戦隊の野営拠点。本部付き中隊が警備する指揮所にて、

「翼竜騎兵の空中偵察によれば、敵の増援はまだドムネルブルクに達していないと」

 副官にして内縁の妻であるエルデガード・フォン・ノイベルク大尉が作戦地図を示しながら言った。


 清潔さとは無縁の過酷な最前線暮らしなのに、エルデガードはいつもと変わらず美しい。ラインハルトはいつも不思議で度々どうやっているのかと秘訣を尋ねるも、『女は魔法が使えるのよ』とはぐらかされている。


 ラインハルトは愛する女の美貌を密かに楽しんだ後、作戦地図を見下ろして呟く。

「敵の動きが鈍いな」

「鈍さで言えば、こちらの後続も似たようなものですがね」

 付き合いの長い最先任下士官の准尉が疲れ顔でぼやく。


 ラインハルトの独立機動戦隊はあくまでクロブコフ少将が率いる第23歩兵師団の先鋒に過ぎない。ドルネルブルクまでの道を切り開き、同地に橋頭保を築くまでがラインハルトの任務であり、橋頭保を維持し、秋季ないし冬季の攻勢起点とすることは、師団本隊無くして不可能だった。


「本隊がトロ臭いことはともかく、補給が遅れていることは不味いですな」と准尉。

 装甲トラクターには燃料が要る。馬ならばその辺の村や集落で飼い葉を調達することも出来たが、アルグシア連邦内でトラクター用液体燃料の現地調達は事実上不可能だった。

 一応、白獅子の技術者からは『最悪、魔晶油でも動きます』と言われているが、その魔晶油すら調達が困難極まるし、苦労しいしいで入手した魔晶油では、エンジン出力が低下してしまう。


 補給の遅れで整備部品が不足していることも不味かった。整備兵達が臨機応変の才を発揮し、配管をむりやりバイパスしたり、不足部品を金属片から部品の自作をして無理やり引っ付けたりしていた。あるトラクターは冷却器がイカレたため、魔導術兵が氷系魔導術で氷を張りつけて無理やり冷やしている有様だった。


 加えて、敵の抵抗も激しく、何より厭らしくなってきた。

 迂回できない場所に急造ながら兵力を集中した防御陣地が作られ、機械化車輛が走行可能な道路には嫌がらせの障害物が据えられ、爆発物や落とし穴などの罠が仕掛けられている。


「ベルネシア傭兵達が言ってますよ。まるで67年のクレテア軍になったみたいだって」と准尉。

「67年……? ああ、ベルネシア戦役ね」とエーデルガルトと呟く。


 ベルネシア戦役はカロルレン軍内で大いに研究された。対外諜報活動までして情報収集に勤しみ、20万余のクレテア軍を打ち破ったベルネシア軍の戦術や戦略を調査、研究した。まあ、その成果は本来の目的――領土獲得戦争――に用いられず、第一次東メーヴラント戦争の防衛戦に費やされたが。


 当時、ベルネシア軍が取った戦略は単純だ。強固で柔軟な複線塹壕帯で敵を受け止めて出血を強要し、敵の補給と兵站を締め上げる。金満国家らしい火力主義と豊富な航空戦力、後詰の強力な外洋軍があってこそ実現できた戦略だ。


 それに、敵の補給と兵站を締め上げる、というのは口で言うほど容易くない。主戦線を超えて敵の後背を突くことがどれほど難しいか、軍事を齧った者ならアホでも分かる。


 ベルネシアにはこの難問を成し遂げる実力と備えがあったから勝ち、カロルレンには無かったから第一次東メーヴラント戦争であれほどの犠牲を払った末に敗れたのだ。


 では、アルグシアはどうか?

 ラインハルトは考える。

 戦争全体の推移から見て、アルグシア軍はベルネシアのような持久防衛戦略を取っていない。これは間違いない。緒戦のプリンス・アドルフ要塞線を始めとする旧カロルレン領攻防戦で見せたアルグシア軍の動きは従来の会戦主義的運動戦。決戦による敵野戦軍の打破で戦争の勝敗を決しようとしていた。春の南北二正面攻勢もこの傾向に準拠していた。


 だが、とラインハルトは無精髭の浮いた顎を撫でながら、思考を続ける。


 この作戦が始まって以来、感じる違和感。いつか自分がエーデルガルトへ言ったこと――『悪知恵の働く敵がいる』が脳裏をよぎる。

 悪知恵と評したが……この敵はこれまで戦ってきたアルグシア軍人より賢く、冷徹だ。兵士の『消費の仕方』をよく心得ている。


 そんな敵の動きが鈍い?

 あり得ない。


 狙いはこちらの突出に合わせ、こちらの補給遮断か? 

 いや……我々の位置とニムハウゼン屈折部に展開している戦力と配置から考えて、こちらの背後に兵力を回すことは正面戦力の不足を招く。ドムネルブルクを危険に晒しては本末転倒だろう。

 狙いは何だ?


「戦隊長。間もなく出撃予定時刻です」と従卒が声をかけた。

 ラインハルトは小さく頭を振る。所詮、自分はいち戦隊長に過ぎない。戦略の判断はおろか作戦全体を指揮する立場にない。

 自分は与えられた任務をこなし、作戦を成功させるための現場監督だ。


 やるべきことに集中しよう。

「出撃は予定通り。今日明日がこの競走の山場だ。気合を入れろ」

 ラインハルトは言った。


 敵より早くドムネルブルクへ到達出来るかどうか。

 そこに全てが掛かっている。この作戦の成否も。

 自分達の生死も。





 いよいよ東西の異なる競走の幕が開かれる。

これっぱかしの文章に何日……

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― 新着の感想 ―
[一言] やったー!イネスちゃん、可愛い!!
[良い点] あらら…エルンストの娘婿、白獅子の尾を踏んでしまった?いや、そうとも限らないか?白獅子ファンの暴走、賭け金のオッズ操作etc…真実はレースの後で? [気になる点]  キハールを車体に乗せて…
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