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【12/1より第二部第五章更新開始】天衣無縫の勝負師は異世界と現実世界を駆け抜ける 〜珈琲とギャルブルをこよなく愛する狂人さんはクラス召喚に巻き込まれてしまったようです〜  作者: 逢魔時 夕
第一部第四章「傲慢で敬虔な異世界人達に捧ぐ王教滅亡曲〜ルーグラン王国聖戦戦争篇〜」

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死霊術師・細石照の最期 後篇

 中京都のかつて尾張と呼ばれた地域――その一角にある大きな丘に建てられた百合薗邸。

 百合薗グループの総本山と呼べるこの場所には邸宅の他に、図書館や研究施設、宿舎など様々な建物が乱立している。

 最早一つの街と呼ぶべき百合薗圓を頂点とするこの百合薗グループの拠点は統括と呼ばれる幹部達によって纏められた職員達によって完璧に管理されていた。


 百合薗グループの最高幹部と呼ぶべき統括は忍統括、科学統括、執事統括、侍女統括、庭師統括、料理統括、司書統括の七人が存在する。


 一人目は百合薗圓の懐刀であり、常に歴史の影で暗躍してきた忍の一族、常夜流の現当主である常夜月紫。

 忍統括として多くの常夜流の忍び達を束ね、百合薗グループの防衛と諜報任務を一手に引き受けている。


 二人目は同じく百合薗圓の懐刀であり、月紫共々百合薗圓を黎明期から支えた最初の三人の一人にも数えられる化野学。

 科学統括を引き受ける彼は表向き私立大学の学長と附属病院の病院長を務めつつ、その裏で多くの弟子達と共に危険な研究の数々を行っている。反物質爆弾の製造にも成功しており、百合薗グループの中で最も危険な人物といっても過言ではないだろう。


 三人目は百合薗邸の男性使用人を統括し、百合薗家唯一の家令でもあるセバスチャン・鷹栖(たかす)

 日系イギリス人で長らく伯爵家に仕えていたが、その家が十年前に断絶してしまい、職を失ったために伯爵家への援助をしていた百合薗グループ総帥を頼って大日本皇国へ帰国。その後、百合薗邸の執事統括に任じられ、名門貴族に仕えた使用人のノウハウを使用人達に教えている。


 四人目は百合薗邸の女性使用人を統括し、侍従長の役職を与えられている狐崎(こざき)舞雪花(まゆか)

 侍女統括に任じられている彼女はなんと雪女と九尾の妖狐のハーフであり、真っ白な髪からぴょこんと生えた特徴的な狐耳と深雪のような美しい白銀の尻尾を持つ。

 鬼斬に追われ、大きく消耗して傷だらけの銀色の小さな狐になっていたところを圓と月紫に保護されて傷の治療をしてもらったこともあって二人に大きな恩義を感じている。その一方で出会った瞬間から珍しい雪女と九尾の狐のハーフである舞雪花に生体実験をしようとしていた學にはトラウマを植え付けられて苦手意識を感じている。

 二人への恩返しのためにセバスチャンに師事して一流の侍女に相応しいほどの教養と技術を身につけており、努力の人という呼び名が相応しい淑女だ。


 五人目は財前(ざいぜん)黎牙(れいが)

 庭師統括を務める彼は元々は花屋の息子だったが、父親が裏の家業として暗殺者をしていることを知ってしまい、花屋の家業を継ぐタイミングでその裏の家業も父親から継ぐことになったという異色の経歴の持ち主である。

 変装術に長けた『死神』の通り名を持つ暗殺者の父から技術を叩き込まれた彼は二代目『死神』として多くの暗殺任務を成功させてきたが、百合薗圓暗殺依頼を受けた際に人生で初めての暗殺任務の失敗を経験し、その後、取引を交わして百合薗グループの庭師として働くこととなった。

 花屋だった経験を活かして庭師として活躍しつつ、その裏で百合薗グループを狙う者達を処分する暗殺者の仕事もしており、彼の部下には前歴が暗殺者だった者も多い。その死体は処理されてから肥料でして使われており、百合薗邸の草花が美しいのは特別な肥料のおかげでもある。……勿論、こまめな手入れのおかげということもあるが。


 六人目は小此木(おこのぎ)雅美(まさみ)

 料理統括である彼女は室町時代より美食を探求し続けてきた食の名門小此木家の分家筋の生まれで幼少の頃から美食を叩き込まれてきた。

 家の方針として「究極の美食の探求」というものがあったが、優秀な本家の者達や分家の兄弟達のようにその糸口を掴むことすらできず、長い間停滞に悩んでいた。そんな中で究極の神の舌を持つ百合薗圓と出会い、彼の援助を得て少しずつ進むべき道を見つけつつある。

 なお、その腕は既に同じ分家の兄達はおろか本家の者達すら上回っているのだが、当の本人は全く気づいていないようだ。


 七人目は蛍雪(けいせつ)(しおり)

 司書統括である彼女は本が好きで以前は図書館の司書として働いていたが、電子化の波により図書館が減らされることになり、職場を失って彷徨っていた。

 そんな中、多くの蔵書を抱えつつも自分だけでは物理的な時間の問題で管理が難しく困っていた圓が司書の募集をかけ、その募集に応募したことで運命的な出会いを果たし、その能力を買われて百合薗図書館の初期司書メンバーの一人に選ばれ、その後順調に出世を果たして現在に至るという訳である。


 統括達はそれぞれの分野のエキスパートと呼べる存在だが、その中で外敵への対処が可能な戦闘員となると忍統括とその配下、庭師統括とその配下、科学統括の化野學、侍女統括の狐崎舞雪花といったごく一部に限られる。

 大日本皇国で最も敵に回してはならない戦力と言われるが、決して全員が武闘派という訳ではないのだ。


 そのため、侵入者が百合薗邸敷地内に現れたという報告が庭師統括から上がった際、百合薗邸で暮らす者達の中で大半を決める非戦闘員達は避難行動を取った。

 その行動は迅速なものだ。

 百合薗圓が強い影響力を持つため、彼の存在を疎ましいと思う者も多い。そのため、襲撃を受けることも珍しくはなく、避難行動も必然的に磨かれていったのである。


「……敵は一人のようですね。ここから狙撃で狙いますか?」


 スコープを付けたライフルで襲撃犯に照準を合わせつつ黎牙は無線で圓に指示を仰いだ。


『いや、あれはボクの客だ。対処もボクがすべきだからねぇ。……他の戦力も武装を解いてもらいたいかな?』


「……ああ、例の爆破事件の被害者の娘ですか。異世界帰りとはいえ流石に過剰戦力ですね。でも、ボス自らお出迎えってのはどうかと思いますよ。万が一……はないでしょうけど」


『――ッ! 圓様に万が一のことがあってはなりませんわ! 私もついて行きます!!』


『まあ、月紫さんもそう言うよねぇ。……ボクとしては月紫さんが傷つくことの方が辛いんだけど。でも、気持ちは嬉しいし、同行してもらおうかな? ただ、ボクが許可を出すまで動かないように』


『……承知しました』


『化野さんと狐崎さんも待機しておいてねぇ』


『――勿論そのつもりです。あれは、圓様のお客様ですからね。ああ、人体実験のために生かしておいて頂けると……』


『尊厳的にそれはないかな? というか、普通に殺すつもりだからねぇ』


『……細石照さんは被害者、父親の罪は父親のもので彼女とは本質的に無関係です。彼女を殺すことには反対です!!』


『狐崎さんは優しいねぇ……でも、彼女はボクの命を狙ってきている。命を奪おうとするのであれば命を奪われる覚悟をしなければならない。それも承知で彼女は来ているんだ。……それに、ここで殺さない選択肢を選んだところで拗れるだけだ。彼女が両親の仇であるボクを許すとも思えないし、ここで殺すのが一番後腐れがないと思うんだ。互いにとってねぇ』


『……しかし、今回の件、照を討伐してもまだ問題がありますよね。照は犯人が百合薗圓様だと知る由もない筈です』


『まあ、情報提供者がいるとすれば元クラスメイトの庚澤無縫かな?』


『――ッ! あの男、圓様に恩義があるというのに!!』


『まあ、彼にも事情があるんだろうねぇ。……クラスメイトに恨みがある彼がまさか協力するとは思っていなかったけど。それに、ボクに苦手意識があるみたいだったし、どういう風の吹き回しだろうねぇ。……正直、この国の要である彼との敵対はしたく無かったけど、それなりの報復はしないとねぇ。……まあ、でも、その前に彼女の対処だ』



「やあ、初めまして……細石照さんだねぇ?」


 常夜月紫を伴ったゴシックロリィタを纏った少女と見紛う少年と相対し、照の顔が真剣味を帯びる。


「単刀直入に聞くわ。私のお父さんを……細石敏行を新澄社のビル諸共爆破した犯人は門無平和の仮名を使っている化野學で、その彼に指示を出したのが百合薗圓、貴方であることに間違いはないわね」


「ああ、その通りだ。……正直に答えたんだ。教えてくれるかい? 君にその事実を教えたのは誰だ?」


「――それを言うつもりはないわ。私はここで貴方を殺す! もし、私の力が及ばなければ、私は殺される。どちらにしろ口を割るつもりはないわ。……父は過度な取材をしていた。その事実に間違いはないわ。その結果として、多くの人を苦しめたかもしれない」


「よく分かっているじゃないか。いいかい、記者というのはね、ペンという凶器を使う殺人者になりかねない存在だ。ペンは時に剣よりも強い。記者の書く記事によってバッシングを受け、生活を破壊され、命を落とすものもいる。特権を与えられ、記者という存在は増長し過ぎている。彼らは理解すべきなんだ。自分達の持つ力の強大さを。ペンの力を。――緊張感というのは大切だと思わないかい? 自分が無責任に書いた記事が簡単に人の人生を終わらせるように、記者の存在を邪魔だと思う者によって簡単に命は奪われる。巫山戯たことを書けば、殺されるんだ。これくらいの緊張感があれば、巫山戯たゴシップを生み出す土壌を無くせるだろう? この辺りで肥大化し過ぎたメディアの力を削ぐべきだと判断して実行した。その判断に間違いは無かったと考えている。彼らにも大切な家族がいただろう。その子供達に罪はない……だが、その程度の犠牲は致し方ないものだ。というか、彼らが記事を書いた結果、その周辺の人々の生活を破壊することへの良い皮肉になっているとすら思っているよ。さて、復讐者殿。君はボクを殺す気なんだろう? ならば、望み通りサシで相手をしてあげようじゃないか。もっとも、君に負けるほどボクは弱くはないけどねぇ。――己が命を賭けてかかってきなよ!!」


「――お父さんとお母さんの仇、必ず取ってみせる!! 亡者の夜行(ガイスト・パレード)!!」


 死霊術師(ネクロマンサー)の力を用いて照は大量の亡霊を召喚する。

 異世界から帰還後、多くの古戦場を巡って集めてきた怨霊達は照の強大な死霊術師(ネクロマンサー)の力で実体化するほどの力を得ていた。


「なかなか強大な力だ……ボクが鬼斬の技を習得していなかったら対処が厳しかったかもねぇ」


 双剣を鞘から抜き去り、翼のように構えた圓が神速の斬撃を放つ。

 逢坂詠の斬撃に匹敵するほどの不可視の斬撃――その剣に乗せられた覇霊氣力は照が嗾けた怨霊達を切り裂く。


 まさかこれほどあっけなく亡霊達を倒されるとは思ってもみなかった照は一切の抵抗もできないまま圓の放った斬撃によって命を掠め取られた。

 彼女の目から急速に光が失われ……大きく喀血して絶命する。


 父と母の仇への復讐のために数週間を費やした照――その末路は呆気ないものであった。


「圓様、侵入者の死体はどうしますか?」


「目を輝かせないでよ!! 流石に人体実験は許さないよ!! それは尊厳を踏み躙り過ぎている。――黎牙さん、彼女の死体を新澄社のビルに捨ててきてくれない?」


「承知致しました」


「……圓様の提案も随分と悪辣だと思いますけどね」


 黎牙が顔色一つ変えずに圓の依頼を引き受ける中、常識人寄りの舞雪花は悪意ある提案に何とも言えない顔になった。



「――番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします! 本日、焼け跡となった新澄社のビルの屋上で遺体が発見されました。胸に深々と刀傷を刻まれた女性は警察の発表によれば、新澄社ビル爆破事件の被害者で、異世界に召喚されていた細石照さんだったとのことです。警察はビル爆破事件との関連があると見て引き続き捜査を続ける方針です。以上で臨時ニュースをお伝えしました」

◆ネタ解説・二百三十七話(ep.238)

・百合薗圓の幹部達

 「百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜」と本作では並行世界ということもあって、幹部陣が大きく異なっている。

 忍統括  常夜月紫→常夜月紫

 科学統括 化野學→化野學

 執事統括 柳影時→セバスチャン・鷹栖

 侍女統括 陽夏樹燈→狐崎舞雪花

 庭師統括 斎羽勇人→財前黎牙

 料理統括 高遠淳→小此木雅美

 司書統括 蛍雪栞→ 蛍雪栞


 柳影時は本作にて殉職していることが作中で語られている。

 陽夏樹家も瀬島一派がいないため生存しているため百合薗圓を頼ることがなかった。

 高遠淳は専門学校時代の高遠の同期で親友だった犀川晋史がこの世界にいなかったため料理人としての方針の違いから挫折をすることがなく料理人として大成できた。

 斎羽勇人は描かれていないが、妹が死ぬこともなく復讐心に囚われずに生きているのだろう。彼については作中で唯一触れていないため、どこかで触れたいとは思っている。

 唯一、財前黎牙のみが「百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜」に登場しており、斎羽勇人の師匠及びカッペ=マージェストの転生者であることが語られている。彼の着想元は松井優征氏の漫画『暗殺教室』に登場する二代目『死神』だったりする。勿論、並行世界においては前世の記憶はない。

 残るセバスチャン・鷹栖、狐崎舞雪花、小此木雅美は枠を埋める形で登場させた本作オリジナルのキャラクターである。圓ちゃんの世界に果たして彼らはいるのだろうか?


・「目を輝かせないでよ!! 流石に人体実験は許さないよ!! それは尊厳を踏み躙り過ぎている。――黎牙さん、彼女の死体を新澄社のビルに捨ててきてくれない?」

 「百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜」に投稿した本作投稿を記念する「【新作投稿記念短編 霧宮篠歩SS】東匠泉高校の六人組〜二つの世界を繋ぐ物語〜」の最終描写を意識したもの。

 前者の「切り刻んで鮫の餌にでもしてしまえばええんちゃうか?」と同様に無慈悲で後味の悪い終わり方が気に入っている。


◆キャラクタープロフィール

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・セバスチャン・鷹栖(たかす)

性別、男。

年齢、四十一歳。

誕生日、四月二十二日。

血液型、A型RH+。

出生地、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、グレーター・ロンドン、シティ・オブ・ロンドン地区。

一人称、私。

好きなもの、特に無し。

嫌いなもの、特に無し。

座右の銘、特に無し。

尊敬する人、特に無し。

嫌いな人、特に無し。

職業、執事。

主格因子、無し。


「百合薗グループの最高幹部・執事統括を務める男。日系イギリス人で長らく伯爵家に仕えていたが、その家が十年前に断絶してしまい、職を失ったために伯爵家への援助をしていた百合薗グループ総帥を頼って大日本皇国へ帰国。その後、百合薗邸の執事統括に任じられ、名門貴族に仕えた使用人のノウハウを使用人達に教えている」

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狐崎(こざき)舞雪花(まゆか)

性別、女。

年齢、二十八歳。

誕生日、一月十六日。

血液型、A型RH+。

出生地、山形県。

一人称、私。

好きなもの、大福アイス。

嫌いなもの、特に無し。

座右の銘、特に無し。

尊敬する人、百合薗圓、常夜月紫。

苦手な人、化野學。

職業、侍女。

主格因子、無し。


「百合薗グループの最高幹部・侍女統括を務める女。雪女と九尾の妖狐のハーフであり、真っ白な髪からぴょこんと生えた特徴的な狐耳と深雪のような美しい白銀の尻尾を持つ。鬼斬に追われ、大きく消耗して傷だらけの銀色の小さな狐になっていたところを圓と月紫に保護されて傷の治療をしてもらったこともあって二人に大きな恩義を感じている。その一方で出会った瞬間から珍しい雪女と九尾の狐のハーフである舞雪花に生体実験をしようとしていた學にはトラウマを植え付けられて苦手意識を感じている。二人への恩返しのためにセバスチャンに師事して一流の侍女に相応しいほどの教養と技術を身につけており、努力の人という呼び名が相応しい淑女である」

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財前(ざいぜん)黎牙(れいが)(並行世界/大日本皇国)

性別、男。

年齢、二十八歳。

誕生日、十一月二十四日。

血液型、B型RH-。

出生地、三重県。

一人称、俺。

好きなもの、土いじり、肥料作成。

嫌いなもの、特に無し。

座右の銘、静かなる暗殺。

尊敬する人、初代『死神』。

嫌いな人、特に無し。

職業、庭師。

主格因子、無し。


「百合薗グループの最高幹部・庭師統括を務める男。元々は花屋の息子だったが、父親が裏の家業として暗殺者をしていることを知ってしまい、花屋の家業を継ぐタイミングでその裏の家業も父親から継ぐことになったという異色の経歴の持ち主である。変装術に長けた『死神』の通り名を持つ暗殺者の父から技術を叩き込まれた彼は二代目『死神』として多くの暗殺任務を成功させてきたが、百合薗圓暗殺依頼を受けた際に人生で初めての暗殺任務の失敗を経験し、その後、取引を交わして百合薗グループの庭師として働くこととなった。花屋だった経験を活かして庭師として活躍しつつ、その裏で百合薗グループを狙う者達を処分する暗殺者の仕事もしており、彼の部下には前歴が暗殺者だった者も多い。その死体は処理されてから肥料でして使われており、百合薗邸の草花が美しいのは特別な肥料のおかげでもある」

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小此木(おこのぎ)雅美(まさみ)

性別、女。

年齢、二十七歳。

誕生日、三月三日。

血液型、AB型RH+。

出生地、京都府。

一人称、私。

好きなもの、特に無し。

嫌いなもの、特に無し。

座右の銘、心温まる食事。

尊敬する人、特に無し。

嫌いな人、特に無し。

職業、料理人。

主格因子、無し。


「百合薗グループの最高幹部・料理統括を務める女。室町時代より美食を探求し続けてきた食の名門小此木家の分家筋の生まれで幼少の頃から美食を叩き込まれてきた。家の方針として『究極の美食の探求』というものがあったが、優秀な本家の者達や分家の兄弟達のようにその糸口を掴むことすらできず、長い間停滞に悩んでいた。そんな中で究極の神の舌を持つ百合薗圓と出会い、彼の援助を得て少しずつ進むべき道を見つけつつある。なお、その腕は既に同じ分家の兄達はおろか本家の者達すら上回っているのだが、当の本人は全く気づいていないようである」

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蛍雪(けいせつ)(しおり)(並行世界/大日本皇国)

性別、女。

年齢、二十五歳。

誕生日、十一月一日。

血液型、A型RH+。

出生地、中京都。

一人称、私。

好きなもの、本、司書の仕事。

嫌いなもの、本を乱雑に扱うこと。

座右の銘、特に無し。

尊敬する人、特に無し。

嫌いな人、特に無し。

職業、司書。

主格因子、無し。


「百合薗グループの最高幹部・司書統括を務める女性。本が好きで以前は図書館の司書として働いていたが、電子化の波により図書館が減らされることになり、職場を失って彷徨っていた。そんな中、多くの蔵書を抱えつつも自分だけでは物理的な時間の問題で管理が難しく困っていた圓が司書の募集をかけ、その募集に応募したことで運命的な出会いを果たし、その能力を買われて百合薗図書館の初期司書メンバーの一人に選ばれ、その後順調に出世を果たして現在に至る。並行世界の彼女とは異なり薙刀の心得はない」

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