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三百四十六話


「なんだこの姿はよ」

「わかんね。エミールらしさが無くはないけど変わった姿になったな」

「でもなんか……不思議としっくりくる感じがするんだな」


 エミールからするとそんな悪くない状態なのか。

 とりあえずステータスを確認してみよう。


 宿主 迷宮種エミロヴィア Lv?

 所持スキル いばらの魔女 貝の守護者 インセクトグロウ 家収納 伸びる舌 潜水 吸盤 水攻撃無効 打撃耐性(大)魔法耐性(大) 毒無効 言語理解 動体視力 潜伏 毒生成 毒使い 自動回復(大)魔力回復(大)水魔法適正 水魔法威力増加 殻籠り ブレス 世界の断片 巨大化 合唱 結界 魔法反射膜 鈍器使い シェルシールド防御 強酸 柔軟 再生力


 なんだろ……防御系?

 前二つに比べると防御が非常に高め、だけど総合的にはやや強めな形のバランス型だ。


「こう、防御系としか言いようがないスキルばかり持ってる。貝の守護者だとさ」

「貝なんて持ってないだろ。いや……デリルインってあのイモガイみたいな迷宮種だったな。ヤドカリみたいに貝の形をした物を装備するのが前提じゃねえか」

「今は木箱で代用してる感じだNE!」

「な、なんだな?」


 ニュッとエミールが被っていた木箱の中に器用に体を全部入れる。


「あ、なんかすごく安心するんだな」

「殻籠りって能力だと思うぞ。魔法反射膜は俺もやったことがあるな」


 使い方がわかるのでエミールに説明すると展開できた。

 意識して魔法を弾けるんだ。


「鈍器使いはまんまだけど貯蔵が家収納に変わってる」

「ユキカズの兄貴、オデが被っている箱の中が広くなってるんだな」

「ん?」


 っと、確認に箱の中を確認すると木箱の中につながるようにそこそこ広い空間が出来上がっているようだった。

 アパートの個室くらいあるだろうか?


「それってどうなっているっきゅ?」

「こうなっているんだな」


 箱から出たエミールが箱を持った状態でラウに確認してもらう。

 するとラウが箱の中へと入って行ってしまった。


「ラウー?」


 ムーイも箱の中に体を入れるとそのまますっぽりと入り込む。


「だ、大丈夫なんだな?」

「大丈夫みたいだぞー中に入れるなー」

「どんな構造してるんだこりゃ」


 ムーイがラウを抱えて中から出てきた。


「あれだ、アイテムボックス的な能力だな。ここまで出来るのは中々ないんじゃね」

「まあ、俺も物をどこかに収納できるし、聖獣共を座と言う空間から目で見えるようにしてるからそういった空間を生成する能力ってのはわかる」


 魔物になってから備わっている能力なんだけどさ。生きている物は入れられないはずなのだけどエミールのは生き物でも入る収納能力か。

 しかも体を一部、箱の中に入れることで縮尺を小さく出来るぞ。

 ラウ位の大きさまで縮められる。

 体を小さく見せるってのは場合によっては便利だ。


「で、結界」

「なんだな」


 パッと周囲に俺も展開しようと思えばできる障壁が生成される。

 柔軟は既に箱に籠るでわかっている体の不自然な柔らかさで、再生力は自動回復と重複……タフなのが強みの進化だろう。


「オデ……この進化、すごく肌に馴染むんだな」


 エミールが感動と言うか目をキラキラさせている。

 お気に入りのルートを見つけたって感じかな?

 確かにエミールってフレーディンと一緒に居た頃は的と言うか耐久が仕事で、身を守りながら必殺の植物攻撃が基本だった。

 本人の戦い方からして好みなんだろう。

 しかもエミールとしての要素はしっかりと残されているし、シンプルだ。

 魔法系の仙人はいろんな魔法が使えるし雲で飛べるし魔具の作成も出来るが、その分やることが多い。

 近接は素早い剣技、自己ブーストによる攻撃が主題だけど早すぎてしっくりしない。

 で、耐久は文字通り耐えてその間に力をためて反撃。守り主体で守りたい相手は殻と言うか家収納の中に入って貰っておく。


「おそらく大きな貝をどこかで確保でもして装備する事で運用する形態なんだろうな」

「作るかー? 貝の形に土を捏ねれば出来るぞーデリルインの持ってた奴みたいで良いなら金属でも良さそうだなー」


 ああ、ムーイならそういったのを簡単に作れるもんな。

 硬さ重視で作ればかなり強固な守りを維持できる。


「後で作っておくといいかもな」


 貝の守護者はエミールからすると馴染む進化らしいし、お試しが出来てよかったな。


「ほかにもバリエーションはあるだろうけど大まかにエミールだけでもこんな進化が出来るって事だ」

「ユキカズの兄貴、ありがとうなんだな。勉強になったんだな」

「どういたしましてっとね」


 近接、後衛、守護か……使いこなす時が来るのかわからないけれど迷宮種とはこんな生き物なんだとわかった気もする。


「ムーイ、これで良いのか?」

「ん? まだやってないのがあるぞー」

「何を?」

「ユキカズがエミールを巻き込んだ変身」


 ああ、そっちね……。


「ユキカズの兄貴がムーイの姉貴に寄生してやった変身なんだな。オデでも出来るんだな?」

「出来なくはないと思うけどこっちの変身は種類が膨大で全部やるほどの魔力が俺には無い」


 そんな空撃ちをするのはあまり推奨できないんだが……。

 俺の持っている迷宮種の因子に始まり、フュージョン、聖獣たちや異世界の戦士たちの力も絡めようとしたら出来る。


「とはいえ……実験は大事だからなんとなくでやるぞ」


 えーっとエミールを触媒にEX変身を意識すると因子選択画面が選べる。

 まずは鉄板の『フュージョン』、ムーイとは別にシナジーはある。仲間に寄生した状態での変身はこれを使用するのが効果が高い。

 次の因子は何が良いかな。フレーディンを使ってやりたくなるが……怖がっているからカーラルジュで、フレーディンだとどうなるのかとか実験したくなるけど消費する力を考えるとポンポン出来る事じゃない。

 あ、よくよく確認するとフレーディンが持っていたラウを操った力の源の名前がわかるようになってる。

 俺の成長もあるのかな。

 最後は……。


『ヴァイリオみたいに呼び出せるのか!?』

『私だ!』

『いや私をだな!』


 聖獣たちを呼び出すにはムーイじゃないと無理、だなぁ。意識だけ呼び出してエミールの体に降臨は出来そうだけどさ。

 一部攻撃方法を授けられるのか?

 エミールの資質的に水とか毒が相性良いだろう。

 そういえば聖獣が守っていた都市に聖獣を祭る祭壇があってそこでペリングリの祭壇で因子が得られたんだっけ。

 座に戻ってるけど根性で俺に因子を与えた。


『む……では捕らえられているアイツが向いているだろう』

『く……』

『歯がゆいものだ』


 フレーディンの力の源の影響でヴァイリオもローティガも反応を見せてるけど、コストが大きい。

 なんて見てると……バルトの内部に入り込んだ際に入手した因子とエミール自身の因子が反応している。

 とりあえず今回はエミールを選ぶ。


『フュージョン』『カーラルジュの源』『エミロヴィアの因子』


 輝石回路が迸り、俺の尻尾がブワッと膨れ上がってエミールを包み込む。


「な、なんだな!?」

「ムーイの時とは動きが違うんだなー」


 ムーイの体って俺の力をダイレクトに反映して姿を変えてくれるけどエミールはまた別だからだろう。

 俺の尻尾と言うか体がエミールを包んで、どっちが寄生しているかわかったもんじゃない感じに形を変えていく。

 そうしてバキンと魔力膜を破いて出たのは……猫目で耳が生えたモサモサのエミールだった。


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