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百四十八話


「たー!」


 バキャ! っと良い感じにムーイの拳がリードグレイジャイアントクラブの強固な殻にヒビを入れる。

 まあ……ムーイの方がまだ強いんだろうな。


「てい!」


 殴りから立て続けに俺が教えた蹴りが入り、ムーイは距離を取って飛び上がりながら踏みつける。


「――!?」


 たまらないとばかりにリードグレイジャイアントクラブがよろめいたが引かないとばかりにハサミを盾にしてムーイの猛攻を耐える。

 直後、視線がわずかに俺に向いた。


 ああ、くるな……。

 ブっと! リードグレイジャンアイントクラブが俺目掛けて針を飛ばしてきた。

 カニなのに針を飛ばしてくるとか……とは思ったけれど生憎とこっちも多少距離があったので避けた。


「ユキカズ! 大丈夫か!?」

「平気平気、どんだけ距離が離れてると思ってんだよ」

「よかった! よくもユキカズを狙ったなー!」


 あ、ムーイが怒った。プンプンと怒ったムーイがリードグレイジャイアントクラブに殴りかかる。

 バキバキとどんどんリードグレイジャイアントクラブの全身はボロボロになって行き、がさがさと地面に急いで潜り込んだ。

 で……土煙がズモモモっと……逃げていく。


「あ! まてー! うわ!」


 ムーイが追いかけるのを読んだとばかりに地面からハサミを突き上げられ、ムーイが飛び上がった。

 ドスンと尻もちを……わークレーターが出来てる。

 ムーイの体重……。


「待て待てー!」


 ダメージを物ともせずムーイは地面を潜って姑息な攻撃をするリードグレイジャイアントクラブを追いかけて、ハサミが突き出すタイミングでジャンプしてハサミを踏みつけてへし折る。


「ギィイイイイイ!?」


 あ、痛みで悶絶してリードグレイジャイアントクラブの動きが地中で止まる。


「これで、とどめだ!」

「ギ――」


 へし折られたハサミではなく腕の方を掴んで地中から強引に引きずり出したムーイはトドメとばかりにそこから飛び上がってドスーンと地面に叩きつけを行い……リードグレイジャイアントクラブは絶命した。

 ぐびっと俺達に経験値が入る感覚がする。


「ユキカズやったぞー!」

「ああ、相変わらずムーイは強いな」

「えへへーもっと褒めて良いんだぞ」

「ムーイすごいなー」

「わーい」


 おだてりゃって奴だとも思うけど適当に褒めると不機嫌になるので思った範囲で褒める。

 で……リードグレイジャイアントクラブを倒した経験値とかの話なんだが……正直に言って強さのわりに経験値は美味しくない。

 その肉とか殻の方がそれなりに価値のある品だったりする。

 俺の飯として一部持ち帰る事にするか……ムーイはカニに関しちゃあんまり好みじゃないんだけどさ。


「よーし! 次に行くぞユキカズー」

「ああ」


 と言った様子で俺達は探索をしていった。


「ユキカズーゴートってのとブルファイトは見つかったー?」

「いや……」


 そうして進んで行く中でそこそこ魔物と遭遇したのだけどムーイに話したゴート系とブルファイトは見つかる気配はない。

 まあ……ゴート系は山岳みたいな迷宮などで見かけることが多いしな。

 ブルファイトとかならとは思ったけどこっちも草原とかサバンナみたいな所でよく出会う魔物だ。

 総じて見晴らしの良い所に良く生息している。

 やはり無謀か……しかもメス個体で子持ちを見つけるとかハードルが高いもんなー……。

 なんて感じで川沿いに出た所でふと木を見る。

 なんか木に実ってる? 果物……とも少し違うが。

 あ……これ覚えがあるぞ。

 ダンジョンパームツリーって言う迷宮内で群生する俺の世界で言う所のヤシの実だ。

 こんな所にも生えているのか……そういやヤシの実ってココナッツ……ココナッツミルクってのがあったはずだ。

 もしかしたら味わいが異なるけど代用できるかもしれない。


「ムーイちょっと待ってろ」

「え? わかったー」


 俺はムーイの肩から羽ばたいてダンジョンパームツリーの幹伝いに飛んでいきヤシの実を確認する。

 コンコン……鑑定を作動させて……なんとなーく菓子職人の勘が熟成が進んだ実が好ましいと告げているので熟した実を選んで熱線で繋ぎ部分を焼きながらむしり取った。

 よし!

 そのまま地面に羽ばたきながら降りる。


「ユキカズ、それなんだ? 木の実か?」

「ムーイは知らないか、これはダンジョンパームって言うヤシの実だ」

「果物か?」

「一応果物だな」

「そうなのか!」

「ああ、味は……まあそこまで口に合うかはわからないが試しに食ってみるか」

「うん!」

「あ、これは別に使うから新しく取ってくる。少なくとも幹をたたいてへし折るなんて真似するなよ」

「はーい」


 そんな訳で何個か俺が羽ばたいて採取し、ムーイの元にもって来る。

 ムーイには熟していない奴を持っていくのが良いな。


「いただきまーす」

「ちょっと待て、そのままじゃ食えない」

「あ、やっぱりそうなのか? ボリボリ食うのかと思ったぞ」


 本当、ムーイは無知だから教えないといけない。教えた分だけ学ぶから凄いけどさ。

 菓子も教えたら自分で作るように思えるんだが……まあいいや。


「ちょっと持ってろよー」

「うん」


 ムーイにダンジョンパームを持たせ、俺は目のピントを調節して一点集中の熱線をヤシの実に放って小さな穴を焼き開ける。

 すると内圧の影響か水が少し飛び出した。


「水がびゅっと出たぞ」

「まあそれを飲んでみろ、口に合うかはわからないけどさ」

「え? うん」


 ムーイは言われるままヤシの実の中身の液体を飲み始める。


「んー……ちょっと甘いけどそんなに美味しくない。もっとおいしい果物あるぞー」


 ヤシの実に関するムーイの感想は想像通りだ。

 俺もムーイの飲み残しを少し貰って試食……まあ、仄かに甘い若干ドロッとした……なんだろう? 日本に居た頃に飲んだ事のある何かに似てるけど思い出せない。

 あとで甘酒とか酒粕に似た感じだと気づいたがすぐには出てこない。ソレに別の……こう、ミントっぽい風味が混じった後味だった。

 だから思い出すのに時間が掛かった。


「そう文句を言うなって上手くこのヤシの実を使えばミルクの代用が出来るんだからさ」

「そうなのかー?」

「ああ……日も暮れて来たしそろそろターミナルポイントに寄って一旦戻るか」

「わかったー暗いと見辛いもんなー」


 ムーイは俺より夜目は利かない。鼻というか匂いと物音はわかるっぽいけど。

 と言う訳で俺達は探索を切り上げてターミナルポイントへと立ち寄りターミナルを起動させた。

 地図を確認っと……ムーイのおかげで少しずつ捜索範囲が広がってるぞ。

 問題はどっちに行けばいいのかわからないから拠点を中心とした捜索範囲だけどさ……。

 ムーイの戦闘力を頼りにせざるを得ないので空を飛んで大々的な移動ができないし危険だ。

 俺だけでは調べられる範囲に限界がある。

 さて……。


 リトルフローデスアイ・ソルジャー(兎束雪一) Lv18 EVO・P 2157

 所持スキル 熱線 魔眼 飛行 LGB 分析 分析力向上 変身 熱線威力アップ 飛行速度向上 配下視界共有 変化項目拡張

 Lv?になった時……

 進化条件 Lv18

 人間 ×不可 ▽所持スキル

 分析▽

 変身▼

 フライアイボール

 リトルフローデスアイ

 ウォークアイ

 スラッシュウォークアイ

 肉体

 体 リトルフローデスアイ

 手 リトルフローデスアイ

 足 リトルフローデスアイ


 おー! ギリギリ進化条件を満たせたっぽい。


「ユキカズーどうだー?」

「進化出来るようになったぞ」

「おーユキカズ姿が変わるのか?」

「ちょっと確かめるから待ってろ」

「おー」


 と言う訳で進化項目を確認だ。


 ◆フローデスアイ

 リトルフローデスアイの成体。より強力な熱線と魔眼を使えるようになる。

 進化条件 Lv18


 ◆サーベイランスアイ

 リトルフローデスアイの亜種。壁や天井などにくっ付いて監視し獲物の隙を伺う待ちの戦術を取る目玉の魔物。

 進化条件 Lv18 器用な手先


 ◆??? 進化条件未達成

 ???

 進化条件不明


 ◆ゲイザー 進化条件未達成

 フライアイ系の特殊個体。視線を合わせる限り相手の魔法を封じる視線を所持する魔法殺しの目を持つ。短距離空間移動能力と無数の魔眼の使い手。魔力で浮遊するため、羽は退化している。

 進化条件……Lv50 年齢10歳以上 卓越した魔眼


 現段階で進化出来る項目は二種類か……。


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