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005 旅1

15年6月20日

誤記訂正

魔法陣は適性のある属性の物しか掛けない。 → 魔法陣は適性のある属性の物しか書けない。


15年6月27日

誤記修正多数。

 


 更に半年が過ぎ、木剣ではあるが100回連続で素振りができるようにもなったし、魔法の方も氷属性だけではなく火・水・風・土の基本属性を初め氷・雷・光・闇の上位属性と特殊属性の時空も最低(・・)でも中級魔法は使いこなせるようになった。


 ただ、固有属性は何ができるかわからないので、王立魔法学校の入学試験を受けに王都に行くついでに大神殿で詳しく調べてもらうことになっている。


 それと最近は魔術に使用する魔法陣の作成も覚え始めた。

 武器や防具だけではなく色々なアイテムにはマジックアイテムと言われる物があるが、これは魔法陣により魔術が付与されている物で、俺はこういったマジックアイテムを作る勉強も始めている。


 魔術の基本は魔法陣を書くことだ。

 魔法が使えても魔法陣を書けない者は魔法使いと言われ、魔法陣が書ける者は魔術師と言われる。


 マジックアイテムは広く庶民にも浸透しているので、魔法使いより魔術師の方が色々な意味で重宝されるために魔法使いであっても魔術を覚えることが多いのだ。

 生きていくためには金が要るのだよ。


 魔法陣は適性のある属性のものしか書けない。

 つまり火属性の適性が無い者は火属性の魔法陣を書くことができないのだ。

 これは魔法陣を書く時に魔力を込めなければならないためで、適性が無い属性の魔力を込めることができないからだ。


 アイテム自体は市販の物でも良いが、腕の悪い職人が作った粗悪品では魔法陣を書く時に魔力に耐えられずに壊れてしまうので魔法陣を書き込むアイテムはそれなりの物を選ばなければならない。


 そんな中、俺は入試を受けるために王都に向かうことになった。


 ブリュトゼルス辺境伯家は領都であるブリュンヒルと王都に屋敷を持っている。

 俺は病弱だったために王都より気候が良い領都ブリュンヒルで療養していたのだが、家族は基本的に王都で暮らしている。

 ただ、母上だけは病弱な俺に付き添い領都ブリュンヒルで暮らしているのだが、数年ぶりに王都に帰れるので嬉しそうだ。


 俺には兄が1人と姉2人に妹が1人居るのだが、姉と妹は腹違いで同腹は兄だけだ。

 父上には母上の他に2人の妻が居るのだけど、母上が正妻で他の2人は第2夫人、第3夫人となる。

 運の良いことに男の子供は正妻である母上の生んだ俺と兄上だけで兄上は第一子なので、妻の序列で揉めることはないらしい。


 それと当然のことながら俺は兄妹達の顔を知らない。

 兄上は王立騎士学校を卒業後に準騎士として騎士団に入団し今は正騎士となっているそうだし、長女も騎士団に準騎士として入団しているそうだ。

 次女は王立魔法学校の2期生なので俺が入学すると3期生になるそうで今は寮暮らしをしている。

 妹は王都の屋敷で家庭教師がついて勉強しており、12歳になったら王立魔法学校へ入学させるらしい。


 王都までは馬車で15日ほどと聞いた。

 この旅にはロザリア団長とフェデラー副団長に騎士団員が20人ほど同行することになっている。

 護衛が多いのではと思うが、辺境伯の正妻も居るしこんなものなんだろう。


「クリストフ、準備はできましたか?」

「はい、母上」

「道中、気分が悪くなったら直ぐに言うのですよ」


 この世界に来て1年半以上経つが、屋敷の外に出ることは許されていなかったので、初めての外出が今回の旅になる。

 なので、俺自身も結構楽しみにしているのだ。


 このブリュンヒルは人口も多く発展しているのだが、辺境と言われている。

 その理由はブリュンヒルから王都に行くには山脈越えをしなければならず、険しい山道を3日もかけて抜けなければならないからだ。

 昔は山越えだけで10日ほどかけていたそうなので、道路事情はかなり改善されているようだが、まだ魔物が出ることも多いので定期的に大規模な討伐を行っている。

 しかし、それでも魔物は発生するので安全な旅ではないと言う。


 それに山道でなくても魔物は居るし、場合によっては盗賊が襲ってくることもあるそうだ。


 正にファンタジーの世界である。


 ブリュンヒルを出発し3日後には山道に差し掛かる。

 これまでは魔物や盗賊が出ることはなかったのだが、山に入って直ぐに魔物が襲ってきた。


「ロザリア団長、あれは何と言う魔物ですか?」


「ブラッドウルフです。単体ではFランクの魔物でそれほど強くないのですが、群れで襲ってきますので油断をすると怪我をしますね」


 黒い体毛にシェパードより一回り大きい体で眼が赤い魔物はブラッドウルフと言い、鼻が良く遠くに居ても臭いを追って現れるそうだ。


 そして魔物にはランクがあり、下からG・F・E・D・C・B・A・S・EXとなっている。

 ランクAになると大規模な討伐隊が組織され、Sになると天災級と言われる。そしてEXが現れると人類存亡の危機だそうだ。

 ハッキリ言ってSやEXは戦うより過ぎ去るのを待つ状況になるそうだ。


 現れたブラッドウルフは12匹で騎士団員が危なげなく倒していく。


「魔物には必ず魔結晶があります。討伐してこの魔結晶を抜き取らなかった場合、その魔物は死霊化し徘徊することになりますので、討伐後は魔結晶の回収をします。それと魔結晶はマジックアイテムを作るのに必要になることもありますので、冒険者ギルドや商業ギルドで常時買取を行っています」


 お、やっぱり冒険者ギルドがあるんだ。

 ファンタジー世界には定番だよね!


 

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