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014 謹慎なの?

15年6月27日

誤記修正多数。

 


 入試も終わり俺ははれて自由の身となった・・・わけも無く、父上にメッチャ怒られた。

 どうやら校舎の補修費は学校と父上で折半することで折り合ったようだ。

 ははは、てへペロ。


 と言うわけで今の俺は謹慎中で王都見物に行けないのだ。

 何か理不尽さを感じるが、日頃温厚な父上が怒っていたので従うことにした。


 それと俺を殴ったソバカス豚君は実技試験前に倒れて試験を受けることができなかったらしい。

 そしてブリュトゼルス辺境伯家次男の俺を殴った以上、ソバカス豚君の家柄次第だとは思うが死刑まではいかなくてもそれなりの罪に問えるはずなので、父上は嬉しそうな顔で「そうか」と報告を受けていた・・・裏で何かをしているようだ。


 暇だから以前作ったクッションの生産を進める。

 クッション自体はブリュトゼルス家に出入りしている業者から仕入れて、マジックアイテムとして引き取ってもらうという単純な取引だ。


 この神聖バンダム王国の通貨はセム通貨という硬貨が使われている。

 このセム通貨は中央大陸の全ての国で使われているので何処に行っても両替の必要は無い。

 セム通貨の価値はこんな感じになっている。


 銅貨   1セム

 大銅貨  10セム

 銀貨   100セム

 大銀貨  1,000セム

 金貨   10,000セム

 大金貨  100,000セム

 白金貨  1,000,000セム

 大白金貨 10,000,000セム

 黒金貨  100,000,000セム

 大黒金貨 1,000,000,000セム


 ※通常セムは『S』と表記される。


 1Sが日本で言う10円程度の価値だと思えば良いと思う。

 それと大白金貨以上の硬貨は滅多に使われることが無いらしいので流通しているのは白金貨までが多く、大白金貨以上は極端に少なくなるそうだ。


 で、俺のクッションだが、120セムで普通のクッションを仕入れ、防振・快適効果を付与して1,500Sで業者に卸している。

 ボッタクリ過ぎだって思うかも知れないが、マジックアイテムは暗闇で使うランプでも2,000Sはするのでかなり御値打ちな価格設定だと思うよ。


 既に40個のクッションを卸したが、早速増産の依頼が来るほど売れているらしいので、日産30個のペースで作って卸しまくった。


 こんなことをしていたら当然のことだが父上に知られ謹慎中に何をしていると更に怒られてしまった。

 それに関しては真摯に受け止めるとだけ言っておいた。

 本来の意味とは違う使い方だと思うが・・・便利な言葉だ。


 さて、父上が五月蝿いので業者にはしばらく卸すのを控えると言っておいたが、その結果として父上から生産の指示がでることになった。

 外に出ることができない俺には分らないが、俺のクッションは巷で評判となっており、馬車用のグッズとして売れるだけではなく、椅子に座ることが多い人にも好評を得ている。

 更に評判が口コミでドンドン広がり貴族階級の者まで買いに来る事態になっているそうで、ここで供給を止めては混乱すると業者が父上に泣き付いたらしい。


 そして業者の嘆願に折れた父上から俺に生産の指示が出たということだ。

 それと王侯貴族用の高額クッションも作るように追加の指示まで出てきてしまった。


 そして俺の謹慎処分もいつの間にか解除されて自由にとは言わないが、護衛付きで外出もできるようになっている。


「クリストフ様直々にお越しいただき、申し訳無く思っております」


 今は王侯貴族用のクッションについて打ち合わせをするために出入り業者のゼブラ商会を訪れている。

 俺の横では出されたお菓子を頬張るフィーリアが居る。

 奴隷なのに遠慮なくお菓子を頬張るフィーリアにゼブラさんの顔は引きつっているが、俺は奴隷だからとかそういうのは気にしないし、逆に差別したくないと思っているので俺の横に座るのが当たり前と思っている。

 ただ、父上や家の者の前ではそういうわけにはいかないので控えるようにフィーリアに言っているし、フィーリアもわきまえている。

 ・・・母上は問題ないけどね。逆にフィーリアを横に座らせるような人だしね。


「ゼブラさん、貴族向けのクッションの作成ははかどっていますか?」


「はい、明日には御屋敷へ30個ほどお持ちできると思います」


「その時、ついでにこの品を持ってきてほしいのですが、用意できますかね?」


 俺が差し出したメモ用紙を受け取り内容を確認するゼブラさんは一呼吸置いて口を開いた。

 しかし、エルフってのは美形だね。


「できるだけ魔術付与ができる物ですね・・・分かりました。明日お伺いする時にお持ち致します」


「宜しくお願いします。では、私はこれで、フィーリア行くぞ」


「はい、モキュ」


 お菓子を頬張っていたせいか、返事がおかしいぞ。


 ゼブラ商会を後にして俺たちは王立魔法学校に向かう。

 その前にゼブラ商会で包んでもらったお菓子をフィーリアと護衛の女騎士のプリメラに分け与えておいたのだが、2人とも嬉しそうだ。

 このプリメラの他に護衛が3人いるが、この4人と他に2人が俺の護衛で、6人で交代しながら4人が必ず俺の傍にいる。


 王立魔法学校に向かうのは今日が入試の合格発表の日だからだ。

 普通は親が付いていくらしいが、父上は政務で忙しく母上は体調が優れないということで俺1人で行くことになった。

 1人と言っても護衛の騎士たちやフィーリアが居るけどね。



 

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