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011 天才

15年6月20日

適性の階級について補足説明を少し追加しました。


15年6月27日

誤記訂正多数。

 


 呆然とステータスプレートを見つめる俺を不審に思ったのか主教様が声を掛けてくれた。


「いかがなさいましたかな?」


 これは見せてはいけない気がする!

 どうしよう?!


 ・・・そうか!任意で【体力成長】【魔力成長】【属性適性】【称号】は隠すことができるって書いてあったよな!

 もしかして・・・・・・・・よし、できた!


「クリストフ様、どうかしましたか?」


「いえ、何でもありません」


 白々しく主教様にステータスプレートを見せる。


 ===ステータス===

【氏名】クリストフ・フォン・ブリュトゼルス

【種族】ヒューマン

【性別】男

【生年月日】神聖暦500年1月1日

【身分・職業】ブリュトゼルス辺境伯家次男

【体力成長】普通

【魔力成長】王級

【属性適性】

 無:王級

 火:王級

 水:王級

 風:王級

 土:王級

 氷:王級

 雷:王級

 光:王級

 闇:王級

 時空:王級

【称号】無し

【賞罰】無し



 精霊級だったり神級だったりするステータスを全て王級にできたし、固有は完全に消した。

 更に称号の神子も消しておいた。

 この状態でも明らかにハイスペックなステータスではあるが、本当の内容を見せるよりは良いだろう。


 俺がこれまでに得た知識では勇者でも覇王級が最高なのにそれを超える精霊級や神級なんて知られたら大騒ぎになるはずだ。

 王級なら才能があるで済ませられるような気がする。


 あれ?主教様の手が震えていますよ?


「天才です!」


「え?」


「クリストフ様は魔法の天才でいらっしゃる!」


 何声を荒らげているのこの主教ひと

 王級ってそんなに騒ぐほどのことなの?

 それとも全属性があるから?


 主教の声に後ろに控えていた母上たちがやってきた。そして・・・


「家の子がこんな天才なんて!」


「クリス兄様、凄いですっ!」


「まぁ、まぁ。こんなに王級ばかり、ブリュトゼルス家も安泰ですね」


 王級のほうでしたか・・・やっぱ精霊級や神級は隠蔽して正解だった。

 王級で騒いでいたら本当の能力を見せたらどうなったか・・・


 それとフリージアさん何で安泰なんだ?


「クリストフ様はまだお分かりになっておいでではないようなので僭越ながらこのベートレット・フォン・オイリーが説明いたします」


 あ、お願いします。

 主教様ってベートレット・フォン・オイリーっていう名前なのね。

 てか、領地持ちの貴族なの?


「クリストフ様の【魔力成長】の王級は現在確認されているのがロザリア・フォン・エクセル殿しか居りません。これはこの大陸でたった1人ということです」


 おおぉぉぉぉ、ロザリア団長って凄い人だと思っていたけど、凄いんだ!


「ロザリア殿が現れるまでは数十年も王級は存在しておりませんでした。そして【属性適性】ですが、全属性に適性があり全て王級など過去に存在した勇者様でも有り得ないことです」


 へ、へ~そうなんだ・・・


「一般的に無属性だけの者が7割でこの7割の者は魔法適性が無い者と言われます。そして無属性以外に属性適性を持つ者は3割ですがその殆どは無属性以外で1属性となります。そして複数の属性に適性があっても得手不得手があり全て王級など有り得ないのです!」


 てか、全属性の適性はロザリア団長の水晶で分かっていたし、王級程度なら何人も居ると思っていたけど、王級が幾つもあるのは非常識らしい・・・


「伝承にある勇者様は光属性が覇王級で他の数属性が中級程度だったのです。確かに王級は覇王級より下ではありますが、そもそも勇者様レベルで覇王級が確認できた最高ですし、勇者様でも王級が最高だった事もあります。ヘカート人で王級ならば過去最高ですし、ロザリア殿も氷属性が王級ですが、他は下級や中級だったはずです」


 ということでやってしまったようです!

 てか、主教様はロザリア団長の能力をバラしてもいいの?

 あ、公開されている情報ならいいのか・・・


「え~っと、私はどうすれば?」


「公表すれば騒ぎになるでしょうな・・・」


「屋敷に帰りアーネストと相談しますわ。皆さん、このことは口外しないようにね」


 この後アンの『御心の儀』はグダグダだった・・・アンには悪いことをしたと思う。

 だが、俺はしっかりとアンのステータスプレートを見ているぞ!

 アンは【体力成長】と【魔力成長】共に強で、【属性適性】は雷・無・風・光だった。

所謂トリプルって奴だ。


 4属性なのにトリプルはおかしいって?

 それはね、無属性は全ての人が適性があるので、無属性以外を数えるのが普通なのですよ・・・こんなことを知っていても先ほどの主教様の話のことを知らなかったことで大騒ぎになっているのだけどね・・・


 家に帰ったら父上も大騒ぎしたのだが、俺の情報は国王と最低限必要な者だけに公開することにしたそうだ。

 政治的な話になってしまうので俺のことだけど俺には決定権は無いみたい。


 まぁ、全属性が王級の者など歩く最終兵器って感じらしいから他国とのパワーバランスもあり微妙な話らしい。


 本当は精霊級と神級だって言ったらどうなるかな?


 後で知ったが英雄級や王級が1属性でもあれば秀才や天才と言われるらしい。

 そして帝級や覇王級は過去の勇者レベルで勇者でも覇王級は珍しく過去に何人も存在した勇者でも2人しか覇王級は居ないらしい。

 精霊級・神級は神の域だそうだ。

 ・・・一般的に知られていることだからあまり本にも書いていないことらしい・・・



 

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