竜族の里
冴えない感じのオッサンとカトレアがギルドから一緒に転移したテーブルを挟んで座り、酒を飲みながら話している。
オッサンは、カトレアの生い立ちを聞きながら、笑い、驚き、泣き、時には怒っているが、あの冴えないオッサンって4~5時間前に、凄んでいた一際大きな竜なんだよね…。
どうやら竜族は人化が普通に出来るらしい。
そしてあのオッサン、名前はバランって言うらしいけど、そもそもカトレアの生い立ちから話す必要性はあるの?
ていうか、話が長い!!!!
聞こえてくるカトレアの話から推測するに、まだノーライフキングとして目覚めて第一冒険者と接触する前の話のような気がするし。
長き時を生きる竜種であるこのバランが! とか言ってたのに、墳墓のダンジョンの最下層で数百年も結界に閉じ込められていたと聞いた時、メッチャ驚いて、一人でそんなに長い期間居たらワシなら気が狂ってしまうとか言ってるし。
長い時を生きる竜種って言ってたのに、何感化されてるの?
完全にカトレアの生い立ちを自分に置き換えて聞いてるよね?
もはやカトレアの気が済むまで話は終わらないと、ルイーズさんとドリューンさんは地面に腰を下ろし酒飲んでるし。
リーズは寝てるし!!
夜になったと言うのに話が終わる気配が無い。
月明かりで結構明るいとはいえ良く巨大な骨がそこら中に転がっている場所で平然と酒飲んたり寝たりできるものだと思う。
まあ俺も眠いからもう寝ようかと思ってはいるんだけど、これって朝には話が終わってるのか?
う~ん、分からん!!
もう寝よう。
寝ると決めたらた地面に転がっている石などをどかし、アイテムBOXから寝具を取り出して横になる。
この世界に来てから星が綺麗だと思ったけど、恐らく標高が高いであろうこの場所から見る星も綺麗だ。
手を伸ばしたら届くのではと思うくらいに。
前世では早々拝めない満天の星空だな…。
そう思いながら目を閉じるとそのまま眠りにつく。
どれだけ寝たのだろう、目が覚めたのは朝日が差し込み出した頃だったが、まだカトレアとバランは話している。
リーズはまだ寝てるし、ルイーズさんとドリューンさんは寝具も出さず大の字になって寝てる。
というか酒盛りをしていた2人は泥酔してそのまま寝たと言った感じだろうか。
昨日、竜の群れに囲まれて生きるか死ぬかの瀬戸際状態だったのに、よくその直後に大酒飲んでそのまま寝れるよな。
いや、熟練の冒険者ともなればこのぐらい図太い方が良いのか?
そう思いながらカトレアとバランの方を見ると、どうやら迷宮都市の最下層に着いた所まで話が進んだようでドリューンさんと久々、というか400年以上ぶりに再会した話をしている。
夜通し話してやっとそこまで話が進んだのか…。
途中で寝たから自分との出会いの部分は聞けなかったけど、目覚めて朝食を作り終わったのを見計らったようにカトレアの話も終わったようだ。
「カトレア、お主、苦労をしたんだな~~。 ワシなど400年近くも一人で過ごすなど考えられん、いや想像しただけで気が狂いそうだ。 にもかかわらず正気を保つとは…」
「まあ退屈ではあったけど、毎日のように宝箱が幾つも出てきて、その中にある食べ物なんかを楽しみに過ごしていたから、意外と何とかなったわ」
「何か楽しみを見つけられれば一人でも正気を保てるか…、確かに考えてみれば竜族も皆退屈し、何か面白い事を見つければ飽きるまでそれをやり続けるからな。 そうか…、だがカトレアを解放したカツヒコが転生者と言うのは偶然か? 偶然にしては出来過ぎているようだが…」
「そうね、私もその辺は不思議に思っているわ、偶然といえば偶然、何かに導かれたとしたら何に導かれたのか…」
うん、何故か急に自分の話題になった!!
どう考えても偶然でしょ!!
転生して家を追い出され旅に出たけど近場にハズレダンジョンと言われ弱い魔物しか出ないダンジョンがあれば普通腕試しに探索するでしょ。
スケルトンが赤く角があったり、黒いのが3体並んで向かってきたりとついつい次はどんなネタで来る? って期待しながら下層を目指したのは否定しないけど…。
「まあ、偶然であろうと導かれたであろうと、転生者と言う事は女神に導かれてこの世界にやって来たという事、召喚されたものと違い何か使命があるはずだ、旨そうな飯が出来たようだからそれを食べたら我らの里に案内しよう。 話を聞いた限りではお前達は来るべくしてここに来たような気がするからな」
そういうとバランは早く飯を寄越せと言わんばかりの顔をし手をチョイチョイとしている。
巨大な竜じゃなくただのオッサンだったら自分で取りに来いって言いたい所だけど、見た目はアレでも中身は竜だしな…。
流石に自分で取りに来いと言う勇気がない自分が情けない、いや情けなくないか、普通は大人しく従うよな。
その後起きだしたリーズに加えルイーズさんとドリューンさんも加わり朝食を摂った後、バランの案内で竜族の里を目指す。
というか、歩いて4時間程の歩いたら普通に見えて来た。
意外と近くにあったのには驚いた。
しかも周囲は岩ばかりだたのに、竜族の里は緑が豊かで大きな湖のある盆地にある。
竜の住処だから岩山に穴でも掘って巣を作っているのかと思ったが、普通に家が立ち並び、街とは言えないがルミナ村よりも人口が多そうな里だ。
「バランさん、あそこに見える竜族の里に住んでるのは全部竜族? だとしたら竜族ってどれぐらいいるの?」
「住んでいるのは竜族だけでなく、人間、獣人、エルフ、ドワーフ、あと竜族と他種族のハーフが殆どだ、竜族は300程だな」
意外だ…、竜族の里と言うだけあって竜族しか住んでないと思ったのに。
多種多様な種族が住んでいるとは…、6国ではドワーフやエルフなんて殆ど見かけないと言われているし、自分も見かけた事ないのに、どんな生活様式なんだろう。
期待を膨らませながら里に足を踏み入れると、そこは…、色んな種族が居るだけの普通の町だった…。
大通りには商店が並び、広場には露店が幾つもある普通の町だった…。
いや、確かに普通の町じゃなかったら生活を営むのに不便ではあるけどさ、なんかこう、もっと竜族の里って感じはないの?
じゃあ竜族の里ってどんなの? って言われても答えられないけど、普通過ぎるでしょ!!
6月は更新出来ず申し訳ございませんでした。
本日より更新させて頂きます。
7月もリアルで瀕死の為、不定期になります。
申し訳ございません。
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