#72
#72,いいから早く作りなさい!
「よいしょっと! これで全部だね! えーと、こっちの袋には卵にカレーのルーに……ん?」
ロタとポテンちゃんに買ってきてもらった荷物をキッチンへと運び、さっそく中身を確認してみると、一つだけ……正確に言うと〝二つ〟だけ、渡したメモには書いていなかったはずの物が入っていた。あたしはそれを取り出して、あたしの後に続いて荷物を運んできてくれたロタに聞いてみた。
「ねぇ、ロタ? これって……」
「んしょ! ふ~……え? 何、お姉ちゃん? ……〝イチゴ〟?」
あ! そうだった!
ロタはイチゴを見た瞬間、慌てて声を上げた。
「聞いてよお姉ちゃん! 実はね? ポテンちゃんたちのおウチだと、毎日サラダとかフルーツとかしか食べてなかったんだって!」
「え? それって、もしかしてベジタリアン……ってこと???」
ううん、と首を振って、ロタは答えた。
「私も最初はそう思ったんだけど、いくらそのベジ……何とかでも、カレーや親子丼の名前くらい知ってるでしょ? だから、きっと……」
「!! ……そ、そっか。いくらボランティア団体からお金が出るっていっても、全部が全部ってわけじゃないんだろうし、確かにあれだけの人数の面倒を二創さん一人で看るとなると、そりゃあ色々大変だよね。料理だって、ほとんど作ってあげてるヒマがなかったのかも……」
「きっとそうだよ! それに……そう! ポテンちゃんは最初、私が『毎日何を食べてるの?』って聞いた時に、〝葉っぱ〟や〝木の実〟って答えたの! さっきも言ったとおり、私はそれをサラダやフルーツだとばかり思っていたけど……今になって思えば、本当にその辺に生えてる〝葉っぱ〟だとか、クルミとかの〝木の実〟だったのかも……!」
「そ、そこまで生活に困って……!!」
「うん……。あ、それでね? ポテンちゃんに何か好きな物を買ってあげるって言ったら、その〝イチゴ〟がいいって言うから買って――」
ロリ☆ ショタ☆ みにミニあーみ~♪




