#35
#35,ぐるぐる渦巻きメガネ!
――ウチから出て、なんと〝四十五分〟。
直線距離にして僅か五百メートルほどの距離にあるはずの交番にくるまでに、よくもまぁこれだけ長い時間がかかったものだと、あたしは半ば関心さえ抱いてしまっていた。
ちなみに、特に時間がかかったのは、シベリアンハスキーのガンくんの後……トイプードルのプーちゃんのお家でのことで、普段はお家の中で飼われていて、お散歩の時以外は滅多に外に出ていないのだけれど……この日に限って、プーちゃんはたまたま玄関先の柱に結び付けられ、独り日向ぼっこをしていたのだ。
それからのことは言わなくても分かるとは思うけど……もふもふ、なその毛並みに引き寄せられるように四人+α(何でロタまで……)は、これでもかっ! といったぐあいにそれをなで回し、遊びまくり、あたしがいくら呼んでも聞く耳を持たなかった……と。
……いや~ホント、かわいいのはいくらきてもらっても全然構わないのだけれど、こうまでも時間がかかってしまうと、精神的に悪い。――というのも、もうすでに、時刻は十六時に迫っていたのだ。
時間的に考えると、(一部を除く)この子たちは早朝の六時前くらいからずっと、あたしといっしょにいたことになる。……そんなに長い時間、子どもが行方不明で心配しない親なんているわけがない。ヘタをしたら、いや、ヘタなんかしなくても、もうすでに警察沙汰になっている可能性だってあるのだ。
早くこの子たちを親の下へ帰して、安心させてあげないと!
そう思ったあたしは、こほん、と咳ばらいを一つ。みんなを引き連れて、交番の中へと入った。
――瞬間だった。
「――アミ! サーチ! ポテン! ケア! ……よかった! みんな無事だったか!!」
中にいた、ボサボサ髪の、渦巻き模様のメガネをかけた若い男の人……いかにも科学者っぽい白衣を着たその男の人が、みんなの名前を順番に叫んだのだ。それを聞いて、あたしは――
「……え? あ! もしかしてあなたが、アミちゃんたちの……お父……さん……???」
ロリ☆ ショタ☆ みにミニあーみ~♪




