終わり
____アオイの玩具みたいな矢は、赤い月の中心に突き刺さった瞬間、破裂する。
ドクン、と心臓の鼓動のような衝撃。
続いて――赤黒い月は、“ハートマーク”の形で爆ぜ散った。
『______』
ピリオドの巨体がビクリと痙攣する。
そして、まるで時間が切り取られたかのように、その存在だけが“止まり”、虚空に静かに溶けていった。
【……】
【……やったか?】
【うわ、それフラグ……だけど大丈夫だよ』
【【【……】】』
無音の宇宙にただ3人だけが浮かぶ。
【意外とさ……倒した直後って、達成感ってより』
【……ただの疲労、だな】
【あぁ……全身の力が抜ける】
【……例えるなら、みんなで盛り上がったバーベキューの後に……残った網と皿の片付けを見た瞬間?』
【……姉さん、それは全然分からん】
【俺も意味が分からんぞ】
【え?あ、そう?……えへへ♪』
【……姉さんらしい】
【フフッ、ってそういや、何で“姉さん”なんだ?】
【ふふ、それはね……まぁ、つもる話も山ほどあるけど――今は帰ろうか。いつ息が切れるか分からないからね』
【そうだな。俺も……生きて帰るって、約束したからな】
【……あぁ】
静かな会話のあと、アオイはいつもの調子で笑った。
【――じゃ!帰ったら飲み会だ飲み会! 酒を浴びるほど飲むぞー!』
【ははっ、全く……】
【……フッ、姉さんらしいな】
そして、勇者たち3人の身体は【糸』に包まれ、転移魔法の光となっていく。
宇宙に広がる静寂の中、星へと帰還していった。
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